ORCHESTRAL MANOEUVERS IN THE DARK『ORGANISATION』 [音楽(洋楽)]
アルファベット・タイトルの記事の連続が一旦途絶えたものの、再びその路線で走っていきます。
表題のアルバムは、1987年に発表されたものであり、最近の本ブログで取り上げるアルバムとしたら、ちょっと異例とも言うことの出来るチョイスとなるのだが、エレ・ポップアルバムとして高い内容のサウンドとなっていることから、このアルバムをチョイスした。
エレ・ポップは'80's初頭には既に完成されたものとなっていたが、'80's文化を語る上では欠かすことの出来ない要素にまでなった。これは'80'sを代表する曲として名前を挙げたら、エレ・ポップ路線の曲が一定量挙げられることからも分かることである。ORCHESTRAL MANOEUVERS IN THE DARKの名前は、'80'sの中期以降ではこの流れを語る上では欠かすことの出来ない名前になり、良質の曲を発表している。本アルバムには大ヒットした『Enola Gay』をはじめとした明るく楽しいエレ・ポップというものがあり、それが心地良さを提供してくれる。(HUMAN LEAGUEなどのサウンドと比べられることがあるが、「楽しい」という要素では段違いのものがある。)しかも、エレ・ポップに偏っているのではなく、シンセを上手く使った曲が不思議な世界を醸し出していて、これがまた素晴らしい。
まずはヒット曲『Enola Gay』で幕開けとなる。この曲はポップなサウンドが心地よく、いきなり楽しい世界に引き入れてくれる。それに続くのはポップな『2nd Thought』、ややスローなテンポの『VCL XI』、シンセサイザーが不思議な音を醸し出す『Motion And Heart』、ポップというよりは幻想的な世界に足を踏み入れている『Statues』と続き、ちょっと変わった幻想的な世界のサウンドが主体となっていく。それが変化を見せるのが続く『The Misunderstanding』であり、イントロからしばらくは不思議な世界であるが、曲の途中ではDURAN DURANやSPANDAU BALLETのサウンドではないかということを感じさせてくれるようになる。で、そこからは再びエレ・ポップ路線の曲調となり、『The More I See You』、更には『Promise』と続く。そして、ラストを飾るのが、一大叙事詩と思わせてくれる『Stanlow』であり、6分半を越える大作となっている。(ラストの余韻が残る終わり方は感動ものです。)
ということで、ROXYやALAN PERSONSというような独特の世界感を見せてくれるグループのサウンドも聴きたくなってくる秀作アルバムである。
そういえば、ORCHESTRAL MANOEUVERS IN THE DARK(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)というこの長い名前、不思議と簡単に覚えることができた、ということを思い出しました。いい曲を発表しているグループはこういう傾向があるのでしょうね。
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