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BELINDA CARLISLE『RUNNAWAY HORSES』 [音楽(洋楽)]

1989年に発表された彼女の3rd.アルバムである。2年前に発表された2nd.アルバム『HEAVEN ON EARTH』のヒットの後、満を持しての登場となり、本アルバムもヒットを記録した。(セールスでは前作には及ばなかったが、内容的には前作を超えている。)'80'sの終わりになって登場した完成度の高いアルバムで、前作ではGO-GO'Sを越えることになったが、本作ではGO-GO'Sから完全に脱却して、ソロ・アーティストとしての地位を不動のものにした。

まずは『Leave A Light On』の爽やかなサウンドで幕が開ける。彼女の味のあるボーカルときれいなメロディ・ラインで、いきなりうっとりする世界に引き込まれる。尚、この曲には元ビートルズの故・ジョージ・ハリスンがスライド・ギターのソロで参加している。続いては、アルバム・タイトル・ナンバーである『Runaway Horses』となるが、この曲は途中に馬の駆けていく足音が入っていて、ここに幻想的な魅力を感じることになる。『Vision Of You』はスローテンポな曲に彼女の力のあるボーカルが魅力的な一曲であり、続く『Summer Rain』はツボを押さえたポップ・チューンである。

続く『La Luna』はスペインの香りがする一曲で、良い味を出している。続く『(We Want) The Same Thing』はスティーヴ・ルカサー(TOTO)がギターで参加しており、彼女のボーカルが美しい世界に誘ってくれる心地よいナンバーであり、彼女のサウンドの真骨頂を発揮している。更に、再びジョージ・ハリスンがギターで参加している『Deep Deep Ocean』では、何処かに'70'sの妖精&'80's前半の歌姫・オリビア・ニュートン・ジョンの雰囲気を感じさせてくれる。(カヴァーっということではない)。『Valentine』でも力強いボーカルが魅力的な上、ブライアン・アダムスがバック・ボーカルで参加している『Whatever It Takes』、ラストの『Shades Of Michaelangero』は美しいバラードであり、余韻を持たせた形で幕切れを迎える音楽の世界に酔いしれる。

珠玉の曲が並ぶ中、豪華ゲストが参加している曲も捨てられず、そのサウンドといい、ゲスト・アーティストとのコラボいい、本当に質の高いアルバムになっている。セールス面でこそ劣るものの、『HEAVEN ON EARTH』と共に甲乙付けがたい彼女の最高傑作である。(サウンド的には本作の方がレベルが上である。)

Runaway Horses

Runaway Horses

  • アーティスト: Belinda Carlisle
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1989/09/20
  • メディア: CD


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コメント 2

りょんりょん

このアルバムに対してだったかどうか忘れましたが、ジョージ・ハリスンがクラプトンと共に久々のライブで来日するっていう頃の雑誌(ギターマガジンだったと思います)で、アルバムでギターを弾いていることについて語っていました。

クラプトンがハリスンに、「あのスライドギターは君のプレイだろ?」的な感じで尋ねているっていうものでした。

ただ、クラプトンは余り良い印象で語っていなかったように記憶しています。自虐的に、自分もアイドルのバックでギターを弾いたけど、その時に自分の存在のちっぽけさを感じたよとかなんとか言って、ハリスンに対しても、そんなアイドルのアルバムに参加して大変だったろっていうニュアンスだったかなぁ。

もうその頃の雑誌がないのでもしかしたら私の記憶違いかもしれませんが、ふとそんなことを思い出しました。
by りょんりょん (2005-12-01 01:06) 

yanyan

りょんりょんさんの書かれてる対談、私当時テレビで見ました。
30分ほどの番組だったと思います。
クラプトン氏に聞かれたハリソン氏は「あ〜、何て名前の子だったかな?赤毛の若い子だよ」とBelindaの名前も覚えてない有り様でした。雑誌にも掲載されてたのですね。

アルバム「runaway horses」はヒット曲満載で、この頃が彼女のピークだったと思います。今でもライブでは、このアルバムからの選曲が一番多いです。
最新のインタビューでは「summer rain」が一番好きだと申しておりました。

私個人的には地味な「real」が一番大好きです。発売当初はあまり好きじゃなかった最後のアルバム「a woman and a man」私が歳取ったせいか、お気に入りの一枚になってます。

彼女来年早い時期(2〜3月)にフランス語のアルバム出すそうです。実現したら10年振りの新作になります。待ってた甲斐がありそうで、今から楽しみです。(号泣)
by yanyan (2005-12-13 00:31) 

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