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AZTEC CAMERA『HIGH LAND, HARD RAIN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムであり、彼らの1st.アルバムであり、「ネオ・アコースティック」を代表するアルバムである。当時はシンセサイザーを中心とした新しいサウンドが一気に台頭してきて(DURAN DURANなどがその中心であった)「ニューロマンティック」などと言われていたが、そういう機械的な無機質なサウンドの逆に存在するものとして注目されたのが「ネオ・アコースティック」であった。人工的なものに対するということで、人間味あふれる楽器としてアコースティック・ギターなどを中心としたサウンドが支持を集めることになった。(とにかく「ニュー・ロマンティック」の勢いは凄かったので、その真逆となるものに注目が集まるのもまた当然である。)そのサウンドは、どこかに'70's前半のフォークやカントリーの流れを感じるものでもあり、とてもハートフルなメロディと相まって、(当時はこの言葉はまだ存在していなかったが)「癒し」のサウンドということになり、'90'sになってからの「癒し系」サウンド、「環境音楽」へと繋がっていくことになる。

まずは『Oblivious』軽快で美しいハーモニーを堪能できるところから始まり、『Boy Wonders』でもその優しい軽いロック調のサウンドで心を和ませてくれる。アコースティック・ギターのサウンドが懐かしさと安らぎを与えてくれる。続く『Walk Out To Winter』はリズミカルでアップテンポな一曲で、フォーク・ロックをよりポップにしたという感じの一曲、続く『Bugle Sounds Again』はアコースティック・ギターの音を中心としたミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであり、素朴な感じのするナイス・ナンバーである。続く『We Could Send Letters』もアコースティック系楽器を中心とした優しい一曲であり、心が和んでくる。

続く『Pillar To Post』はポップな明るいサウンドの一曲であり、実に聴きやすい一曲で、アコースティック系楽器が生き生きとしている。続く『Release』はメロディアスなミディアム・テンポの一曲であり、そのサウンドといい、ボーカルといい、とても暖かみを感じる一曲である。続く『Lost Outside The Tunnel』は'70'sのギターのアコースティック・サウンドを中心としたフォークの流れを受けた優しい一曲であると同時に、ラテン系のギターのサウンドを思い起こしてくれるポップな一曲、続く『Back On Board』はややスローなテンポのボーカル・ナンバーであって、'60'sポップスを'70'sフォークのアレンジを行ったというような感じがする優しい一曲である。

続く『Down The Dip』はカントリーと言っても良いような一曲で、アコースティック・ギターのサウンドがミディアム・テンポながらも軽快に響いている。続く『Haywire』もカントリーと言ってもおかしくない一曲であり、しみじみと聴かせてくれると共に、心が和む一曲である。続く『Orchid Girl』はスローなテンポで立ち上がり、中盤以降に次第にテンポアップしていく優しい一曲で、ポップのエッセンスが散りばめられた一曲。ラストの『Queen's Tattoos』はロカビリー風のサウンドをアコースティック系の楽器で再現しており、こうなるとカントリーのジャンルに存在する楽しいパーティ・ナンバーということも出来る。明るく軽快なサウンドが楽しくさせてくれる。

本アルバムの発表当時と比べると、社会はより殺伐となり、「癒し」を求める機会がより増えているという状況になっているが、そういうことを求めるにはとても良い曲が集まっているアルバムが本アルバムである。'90'sに入ってからENYAやBASIAといったアーティストたちがこのジャンルを引き継ぐ形でいいアルバムを発表しているが、そういう女性ボーカルは取っつきにくいという方にはピッタリなものであり、ロックがお好きな方にも受け入れやすいサウンドでもある。発表から20年以上の歳月が流れているが、心を和ませてくれる、癒してくれるという効能は全く鈍っていない'80's前半を代表するアルバムの一枚である。

 

High Land, Hard Rain

High Land, Hard Rain

  • アーティスト: Aztec Camera
  • 出版社/メーカー: Sire
  • 発売日: 1991/07/09
  • メディア: CD

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コメント 2

海老太郎

まさかアズテックカメラにトラバいただけるとは思いませんでした。
しかもカブトも一緒に。。。
今後とも宜しくお願い致します。
by 海老太郎 (2006-03-27 17:24) 

MEICHIKU

海老太郎さん、どうもです。

いつの間にか、洋楽アルバムの方がメインとなっている本ブログですが、こちらこそよろしくお願いいたします。
AZTEC CAMERAのサウンドは心を洗われるんですよね。
で、「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを何度も記していますが、今後もそういうアルバムをピックアップしていこうと思っていますので、他のアルバムについての記事もご覧頂ければ幸いです。
by MEICHIKU (2006-03-27 18:30) 

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