SSブログ

MARIAH CAREY『EMOTIONS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1991年に発表された彼女の2nd.アルバムであり、1992年のBillboard年間アルバム・チャートでは22位(レギュラー・チャートでは最高位4位)を記録した大ヒットアルバムである。1st.アルバムからは4曲の全米No.1ソングが生まれたが、本アルバムからの全米No.1を獲得したのは『Emotions』の1曲のみであるが、2位、5位と、TOP 5に3曲が入っているということを考えると、それもまた凄いことである。各曲の完成度は高いが、サウンドの方はポップなものではなく、ソウルフルなボーカルを中心としたものとなっていて、楽しむというよりもじっくりと聴き込むというアルバムとなっている。

まずは全米No.1ヒットとなった『Emotions』かでスタートする。この曲は1991年のBillboard年間シングル・チャートでは22位にランクインしている。本アルバムは'92年の方でランクインしているが、こういうのはリリースされた時期によるものである。7オクターブのボーカルが冴え渡る一曲であり、それだけ広いボーカルとなると、ボーカルというよりも楽器でもある。じっくりと堪能できる一曲である。続く『And You Don't Remember』はスローなテンポのバラード・ナンバーであり、7オクターブのボーカルが優しく包んでくれる。続く『Can't Let Go』は1992年のBillboard年間シングル・チャートで23位、レギュラー・チャートでは最高位2位を記録したバラード・ナンバーである。ここでも彼女の優しい7オクターブのボーカルは活きている一曲である。

続く『Make It Happen』は1992年のBillboard年間シングル・チャートで42位、レギュラー・チャートでは最高位5位を記録したヒット曲で、本アルバムの中では最もポップのエッセンスの利いた一曲であるが、ポップというよりもゴスペル調のテンポの良い一曲であり、ソウルフルであり、かつ、パワフルな彼女のボーカルを堪能できる。続く『If It's Over』はスローなテンポのバラード・ナンバーであり、それと同時に美しいハーモニーも堪能できる一曲である。ソウルフルな彼女のボーカルは秀逸である。続く『You're So Cold』はゴスペル調のソウルフルなボーカル・ナンバーであり、7オクターブのボーカルという彼女のボーカルも実に栄える一曲である。途中からテンポアップするが、実にソウルフルでパワフルな一曲でもある。

続く『So Blessed』は'80'sの終盤から注目を集めるようになったヒーリング系の一曲であり、スローなテンポの美しい心を癒してくれるメロディに乗って、優しく彼女のボーカルが届く一曲である。ヒーリング系の曲には歌唱力が命というところがあるが、マライアのボーカルであれば十分に心を癒してくれる。続く『To Be Around You』はリズミカルな一曲であるが、ゴスペルのエッセンスの利いたじっくりと聴かせてくれる一曲である。ソウルフルなボーカルが発展すると、メロディはポップの要素があっても、ゴスペルに近づいていくというのが興味深いところでもある。続く『Till The End Of Time』はスローなテンポの美しいバラード・ナンバーであり、優しく語りかける彼女のボーカルにはうっとりとしてしまう、ラストの『Wind』はジャズ系のボーカル・アルバムを聴いているのではないか、と思わせるほど、実に味のあるソウルフルなスローなテンポのボーカル・ナンバーである。この曲がラストを飾っているということで、完全にソウル、ゴスペル系のボーカル・アルバムを聴いていると錯覚してしまうほどのものである。

1st.アルバムが大ヒットを記録したということで、何かと注目された2nd.アルバムであるが、1st.アルバムのポップな所を期待すれば、それは完全に裏切られることになるが、実にソウルフルでゴスペルへのアプローチがあるなど、ボーカル・アルバムとしたら実に完成度が高いアルバムである。この辺りが、本アルバムを高く評価する意見と、今ひとつというような低い評価の意見が存在することに繋がっている。確かに、1st.アルバムの路線を期待したら裏切られることになり後者の評価になるということは分かるが、ポップス系だけが音楽ではない。ロックでも、ハード系からソフト系、プログレなど、幅広いものがあるように、ポップス系でも、明るく楽しいポップスだけではない。ソウルフルでじっくりと聴かせる大人のボーカル・サウンドもまたいいものである。(本アルバムに対して低い評価をする人は、音楽の懐の広さを理解していないのであろう。)ということで、本アルバムは聴く人を選ぶ大人のボーカル・アルバムということになる。じっくりと聴き込みたい大人には一押しのアルバムである。(まさに、内容は素晴らしく、'90'sを代表するボーカル・アルバムである。)

 

Emotions

Emotions

  • アーティスト: Mariah Carey
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1991/09/17
  • メディア: CD


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

RYUKENDO #11ケータイ刑事銭形雷12話 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。