PET SHOP BOYS『VERY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1993年に発表された彼らの5枚目のアルバムである。スケールの大きなサウンドが詰まった内容の高いアルバムであり、ポップなそのサウンドには一段と磨きがかかっている。基本的には、明るく楽しいエレ・ポップ路線の曲が集まったダンス系のポップス・アルバムであるが、彼らではお馴染みのカヴァー・ソングをはじめ、'90'sという混迷した時代において、一つの新たな方向性を示すことに成功しており、聴き応えのある曲が詰まっていて、爽快感を与えてくれる。
まずはミディアム・テンポのポップな『Can You Forgive Her?』で幕が上がる。ちょっとメロディアスなメロディに乗った抜けの良いスケールの大きな一曲であり、解散の噂を吹き飛ばす元気な一曲で健在ぶりを示してくれた。続く『I Wouldn't Normally Do This Kind Of Thing』はよりポップなナンバーであり、テンポの良い明るいダンサブルなポップスとして仕上がっている。続く『Liberation』はメロディアスで美しいメロディを持ったミディアム・テンポのポップな一曲で、ノリを楽しむよりはうっとりとなる一曲である。続く『A Different Point Of View』は小気味良いテンポのポップなナンバーであると同時に、綺麗なメロディ・ラインを持った聴きやすい一曲である。
続く『Dreaming Of The Queen』はややスロー気味なテンポの一曲で、どちらかと言えばボーカルを中心とした聴かせる一曲である。また、スケールの大きさを感じる一曲でもあり、じっくりと聴き込むことの出来る優しい一曲である。続く『Yesterday, When I Was Mad』はテンポの良いダンサブルなポップな一曲であり、明るく楽しいエレ・ポップを少し発展させたメロディ・ラインの美しい一曲であり、安心して聴いていることが出来る一曲である。続く『The Theatre』はスケールの大きな壮大なイメージのするミディアム・テンポの一曲であり、ちょっとメロディアスなメロディ・ラインの方も魅力的な一曲である。続く『One And One Make Five』はミディアム・テンポながらもテンポの良さを感じるエレ・ポップであり、本アルバムでは多く聴くことが出来るちょっとメロディアスなメロディ・ラインを持つ一曲であり、これがいい雰囲気を醸し出している。
続く『To Speak Is A Sin』はややスローなテンポの一曲であり、サックスやピアノのサウンドがメロウな印象を与えてくれる聴かせるボーカル・ナンバーである。続く『Young Offender』はアップ・テンポでダンサブルなエレ・ポップであり、様々なエフェクトを用いたサウンドが楽しさを一歩上のものに引き上げてくれている楽しい一曲である。続く『One In A Million』はアップ・テンポでノリの良いエレ・ポップ・ナンバーであり、聴いていても楽しくなるエレ・ポップの王道を行く一曲である。ラストを飾る『Go West』は、'70's終盤の世界的なディスコ・ブームの中心的な位置にいたVILLAGE PEOPLEの大ヒット曲であり、往年のディスコ・ナンバーをエレ・ポップにアレンジした楽しい一曲である。しかも、海の音（波の音や空を飛ぶカモメの鳴き声など）をフューチャーしたことによって、よりドラマティックでスケールの大きな一曲として甦らせている。尚、この一曲は8分を越える時間を有するトラックとなっているが、実は5分弱の曲であり、その後、約2分弱の無音があり、1分半弱のシークレット・トラックが含まれている。
彼らのアルバムと言えば、何と言っても完成度の高い2nd.アルバム「ACTUALLY」を忘れることは出来ないが、本アルバムはそれに遜色がないほど完成度の高いアルバムであり、傑作である。（時代に残る名盤である。）また、'90'sを迎えてからの混迷した音楽シーンに彼らが一つの道筋を付けるかのように発表したものであって、新たな次元に達することにもなった。ポップス・ファンに限らず、ダンス系ミュージックのお好きな方、エレクトリック・サウンドがお好きな方、はたまた'70'sのディスコ・サウンドがお好きな方、その他諸々、多くの方に聴いていただきたい一枚である。で、本アルバムを耳にすれば、元気が出てきます。
- アーティスト: Pet Shop Boys
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1993/10/05
- メディア: CD
↓限定版は2枚組となっています。
- アーティスト: Pet Shop Boys
- 出版社/メーカー: Emi
- 発売日: 2001/06/04
- メディア: CD
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