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LISA MARIE PRESLEY『TO WHOM IT MAY CONCERN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは2003年にリリースされたものである。(本ブログで取り上げるには新しいアルバムである。が、ここのところは'90'sが中心となっているから、まあいいでしょう...)彼女はあのELVIS PRESLETの娘であり、タブロイド紙では以前から色々と浮き名が登場していたが、それだけ注目される人物でもある。(まあ、ゴシップの方は音楽性には関係ないことですが...)ということで、何かと注目される彼女ではある。また、父が父であるだけに、否応なしに注目され、期待も大きいのだが、そういうプレッシャーのある中、大きく期待を外すことなく、ボーカル・アルバムとして上手くまとめたアルバムとして仕上げられている。(ただ、父の名前に捕らわれずに、彼女を一人のアーティストとして自分の持ち味で勝負してもらいたいと思うところはある。)全体的にはロックの血筋を受け継いでいるものの、ロックのリズムに乗ったボーカル・ナンバーを中心としていて、ロッカーではなくボーカリストとしての主張をしている。

まずは『S.O.B.』というややスローなテンポのロック・ボーカル・ナンバーで幕が上がる。ちょっと男性的な所のある彼女のボーカルは父親譲りのパワフルなところがあり、この曲ではそれがスパイスのように利いていて、いい感じのボーカル・ナンバーとして纏まっている。続く『The Road Between』でも男性的でパワフルな彼女のボーカルが生きていて、スローなテンポのボーカル・ナンバーにマッチしていて、じっくりと聴かせてくれている。続く『Lights Out』は1st.シングルとしてシングル・カットされた曲であり、ポップのエッセンスの利いたカントリー・フォーク系のロック・ボーカル・ナンバーであるが、力強いロックの血筋を受け継ぐ一曲である。続く『Better Beware』はポップなエッセンスに満ちたミディアム・テンポのボーカル・ナンバーである。

続く『Nobody Noticed It』はミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、しんみりと、それでいてパワフルに歌う彼女のボーカルを堪能できる一曲である。続く『Sinking In』はスロー気味のミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、ロックのリズムではあるが、それよりもボーカルを聴かせようという一曲であり、ボーカリストとしてのアピールを感じる一曲である。続く『Important』も同様の曲であり、ここではアコースティック系のサウンドを前面に出したボーカル・ナンバーとして仕上げられている。男性的な所のある彼女のボーカルだが、ここでは女性ボーカリストとしての魅力が出ている。続く『So Lovely』はスローなテンポのバラード調のボーカル・ナンバーであり、たっぷりと聴かせてくれる一曲である。

続く『Indifferent』はスケールの大きいスローなテンポのロックのメロディに乗せて、情感豊かなボーカルを披露してくれるボーカル・ナンバーであり、たっぷりと聴かせてくれている。続く『Gone』は男性っぽいパワフルさがあり、それであってハートフルなボーカルを聴かせてくれるスローなテンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、これまた聴かせてくれる一曲である。ラストを飾る『To Whom It May Concern』はスローなテンポのロックのリズムのボーカル・ナンバーである。尚、この曲は4分半ちょっと曲であるが、このトラックはシークレットトラックとなっていて、8分を越える曲という扱いになっていて、『To Whom It May Concern』が終了した後に、アコースティック・ギターを中心としたシンプルなボーカル・ナンバーがシークレット・ナンバーとして収録されている。

父親譲りのテクニックを自ずと身につけていることもあり、ボーカリストとしての実力は十分に発揮しているものの、やはり父の姿が何処かに見え隠れしてしまうのは宿命なのだろうか。聴く側としても、どうしても父のことが頭をよぎってしまうのだが、こういう部分はちょっと可哀想な所でもある。が、本アルバムは、父のことを切り離してみても、女性ボーカル・アルバムとしたらなかなかのクオリティを持ったアルバムとして纏まっていて、悪いものではない。じっくりと聴かせてくれる曲はいい味を出している。が、父の幻影を完全に断ち切って、彼女の個性をもっと主張したアルバムを聴きたくなってくるのも正直なところである。有名アーティストの2世も数多くデヴューしているが、彼女の場合は父とは違ったジャンルに進めば、より大きな可能性が感じられるものであり、そういう方面への進出を期待したい所である。(が、本アルバムは間違いなくお薦めの一枚である。)

 

To Whom It May Concern

To Whom It May Concern

  • アーティスト: Lisa Marie Presley
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2003/04/08
  • メディア: CD


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