SHEILA E.『IN THE GLAMOROUS LIFE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年にリリースされたものであり、PRINCEファミリーの一員である彼女のデヴュー・アルバムである。当時のPRINCEと言えば、アルバム「1999」の大ヒットを受けて、映画にも進出して、アルバム「PURPLE RAIN」が大ヒットを記録する、というようにノリに乗っていた時期でもあり、何をやっても当たるという絶頂期にあった。ということで、彼女のようにデヴューするというのはPRINCEの勢いに乗ってという所があった。（後、日本でもこの形を採る某ファミリーが生まれましたね...(あえて誰とは言わないけど...)）だが、本アルバムのライナー・ノートを見てもPRINCEの名前は何処にもない。（が、Directed By Sheila E. and The Starr ★ Company とあり、これはPRINCEファミリーのプロデュース・チームの名前であり、しっかりとPRINCEファミリーである所を示している。）
まずは、PRINCEらしいサウンドのダンス・チューンである『The Belle Of St. Mark』でスタート。リズミカルでノリが良い曲であるが、当時のPRINCEの曲という感じがしてならない一曲である。続く『Shortberry Strawcake』はミディアム・テンポのダンス・ビートが響くインスト・ナンバーである。ということもあって、PRINCEのビートが炸裂している一曲である。続く『Noon Rendezvous』はゆっくりとしたテンポで、静かなボーカル・ナンバーであり、聴かせる一曲である。が、サウンドの方はバリバリの（スロー・バラード）PRINCEサウンドであり、やっぱり離れられないようである。続く『Oliver's House』はミディアム・テンポながらもテンポの良いダンス・チューンであり、目立たないながらもしっかりとしたパーカッションを聴かせている。
続く『Next Time Wipe The Lipstick Off Your Collar』はシンプルなサウンドのスローなバラード調の一曲であり、しっかりと聴かせてくれる。続いてはシングルとしてヒットを記録した『The Glamorous Life』の登場であるが、ここでは9分を越えるアルバム・バージョンである『The Glamorous Life』とそのリミックスである『The Glamorous Life(Club Edit)』が収録されていて、この2曲で15分半という長尺となっている。（本アルバムの収録時間が40分弱だから、この曲のためにアルバムを作ったと言っても過言ではない。）尚、「Club Edit」はボーナス・トラックである。この曲は1984年のヒット曲であり、同年のBillboard年間シングル・チャートでは30位、レギュラー・チャートでは最高位7位を記録している。前者のアルバム・バージョンはヒット・シングルのロング・バージョンという感じのものだが、後者の「Club Edit」では、彼女が得意のパーカッションをより強調したアレンジが行われているが、特に大きくサウンドが変わるものでは無い。（ということなので、15分半にわたってリズミカルなダンス・チューンが響き渡ることになる。）
彼女を一人のアーティストとしてとらえてみると、'80'sという時代にマッチしたダンサブルなナンバーを彼女自身が作り、パーカッションを叩いて全体をしっかりとまとめている所など、豊かな才能を感じるのだが、あまりにもPRINCEのサウンドに似ていると言うことが大きく損をさせてしまっている。（でも、PRINCEファミリーという名前があったからこその大ヒットということも否定できないし...）とはいうものの、彼女の名前は'80'sのダンス・ナンバーを楽しむには欠かすことの出来ない名前であり、本アルバムは'80'sのダンス・ナンバーを楽しむのであれば欠かすことの出来ないアルバムである。ここにあるのは、紛れもなく'80'sの楽しいダンス・ナンバーであり、「'80's」という独特の文化を築き上げた音楽シーンにしっかりと輝く足跡を記した1枚である。時にはこういうアルバムで体を動かしてみるのもよろしいかと...
- アーティスト: Sheila E.
- 出版社/メーカー: Warner Bros.
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
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