PAT BENATAR『PRECIOUS TIME』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された3rd.アルバムであり、全米No.1ヒットとなったアルバムである。また、彼女のアルバムの中では最高傑作と言われるだけのことはあり、ロック路線を突き進んでいる。ということで、女性ロック・シンガーとしての地位を完全に固めたアルバムでもある。また、本アルバムは1982年のBillboard年間アルバム・チャートでは48位にランクインされている。(レギュラー・チャートでは1週間だけとはいえ、1位を獲得している。)芯の通ったロック・サウンドを聴かせてくれる一枚であり、女性ロック・シンガーを語る上で、また'80's初頭を語る上では忘れることの出来ないアルバムである。
収録されている曲は以下の9曲である。『Promises In The Dark』『Fire And Ice』『Just Like Me』『Precious Time』『It's A Tuff Life』『Take It Any Way You Want It』『Evil Genius』『Hard To Believe』『Helter Skelter』。この中で注目されるのは、BEATLESの『Helter Skelter』をハードに聴かせてくれているところである。これがアルバムのラストで炸裂していることで、厚みのあるアルバムとなっている。更に、冒頭の1曲目である『Promises In The Dark』からノリノリのロックをパンチ力のあるボーカルで聴かせてくれていて、一気に聴く者を惹きつけると、シングル・ヒットを記録した『Fire And Ice』に続くところはエネルギッシュであって、パワーを感じる。また、アルバム・タイトル・ナンバーである『Precious Time』も格好良く決めてくれる一曲である。
女性ロック・シンガーは、'70'sでは今ひとつ正当な評価がされておらず、言葉は悪いが際物扱いをされていた部分があったが、そういうイメージを払拭して、女性ロック・シンガーの存在を大きくアピールして市民権を得ることにしたという功績は大きい。(まあ、本アルバムのように、芯の通った本格的なロックを奏でていれば、正当に評価されるようになるのも当たり前と言えば当たり前でしょうが...)'80'sロック(特に、女性ロック)史上に残る名盤である。
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