BOBBY CALDWELL『WHAT YOU WON'T DO FOR LOVE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1978年に発表された彼の1st.アルバムである。このアルバムもA.O.R.を代表するアルバムとしてその名が知られているアルバムである。それまではBOZ SCAGGSがこのジャンルではキングとして君臨していたが、いきなりその座を争うことになり、特に日本での人気が高いのがBOBBYである。('78年といえば、他にもA.O.R.の名曲が多数発表された年でもあり、世の中はディスコ・ブームであったが、A.O.R.の世界も一気に活気づいた一年であった。)
収録されているのは以下の全9曲である。『Special To Me』『My Flame』『Love Won't Wait』『Can't Say Goodbye』『Come To Me』『What You Won't Do For Love』『Kalimba Song[Instrumental]』『Take Me Back To Then』『Down For The Third Time』。この中からは『What You Won't Do For Love』がヒットを記録しているが、この曲の邦題が「風のシルエット」といい、メロディアスで優しいナンバーとして、瞬く間に彼をA.O.R.の巨星の座につけることになった。尚、この曲は1979年のBillboard年間シングル・チャートで59位、レギュラー・チャートでは最高位9位を記録している。また、この曲はスタンダード・ナンバーとなり、多くのアーティストたちがカヴァーしているので、色々と聞き比べてみるのもまた楽しいところである。
その他の曲も素晴らしい曲があり、バラード・ナンバーである『Come To Me』も秀逸であり、更には『Take Me Back To Then』も好評のナンバーであり、彼のボーカルが溜まらなくなってくる。そして、'90'sに入ってからであるが、『My Flame』や『What You Won't Do For Love』が多くのアーティストにサンプリングされたこともあり、再度注目されるようになったのは記憶に新しい所である。(サンプリングされるということは、やはり心を打つ名曲であるということで、ここでも「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを教えてくれている。)
BOZの「SILK DEGREES」と共に、A.O.R.が好きという方は、本アルバムは聴いていなければモグリであると断言できる名アルバムであり、ボーカルがお好きな方は絶対に気に入ること間違いないというアルバムである。じっくりと聴き込むのがいいが、都会のセンスを感じるちょっとお洒落なサウンドをさりげなく聴くというのもまた乙である。リリースから30年近くの時間が流れようとしているが、まさに「エヴァー・グリーン・ミュージック」でもあり、ライブラリーに加えておくことをお薦めするアルバムである。
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