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COREY HART『FIRST OFFENSE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、カナダ出身のシンガーであるCOREY HARTの1st.アルバムである。母国カナダでは1983年(11月)に発表されたが、アメリカでは翌1984年にリリースされることになったアルバムである。彼のサウンドは、どちらかというと、技術がどうのと言うよりは表現力豊かな芸術的なセンスの良さが光っていて、拘りを持った職人タイプのアーティストである。本アルバムでは行っていないが、次のアルバムからはセルフ・プロデュースを行うようになり、その拘りようは更に深くなっていくのだが、本アルバムでも、当時21歳であったCOREYの拘りを感じることが出来る。で、シンセサイザーをバリバリと使っていかにも'80'sサウンドという雰囲気の『Sunglasses At Night』がデヴュー曲としてカナダでヒットを記録すると、直ぐにアメリカでもデヴューすることになり、この曲はアメリカでも大ヒットを記録し、一気にスターの座を得ることになった。が、そういうスターへの道は本アルバムの製作時には一切考えていないことであって、彼の芸術家的なセンスが高い評価を得ることになったためのヒットである。

収録されている曲は以下の全10曲である。『Sunglasses At Night』『Peruvian Lady』『Lamp At Midnite』『She Got The Radio』『It Ain't Enough』『Does She Love You』『Cheatin' In School』『World Is Fire』『At The Dance』『Jenny Fey』。

彼のデヴュー・シングルである『Sunglasses At Night』は1984年のBillboard年間シングル・チャートでは36位、レギュラー・チャートでは最高位7位を記録する大ヒットとなり、続く2nd.シングルである『It Ain't Enough』もレギュラー・チャートで最高位16位を記録した。(しかし、こちらは年間シング・チャートのTOP 100には入っていない。)で、前者はテンポのいいロックのリズムに乗ったエレクトリック・ロック・ナンバーであって、その勢いが留まるところを知らなかった「第二次ブリティッシュ・インベージョン」で世界を席巻したサウンドをカナダの田舎の出であるお兄ちゃんがロックをしているという雰囲気に満ちているのだが、カナダもかつては大英帝国の支配下にあったことを考えたら、ちょっと面白いところでもあります。一方、後者の方はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーとして仕上げられていて、じっくりと聴かせてくれる。しかも、印象的なサックスのサウンドが巧みに入っていて、懐の広いところをたっぷりと披露している。で、この2曲が本アルバムからは対になって語られるが、それ以外の曲も、細部にまで拘った彼の芸術的なセンスがスパイスのように散りばめられていて、じっくりと聴くのにはお勧めである。(特に『Lamp At Midnite』や『Cheatin' In School』をお薦め曲としておきます。)

カナダ出身のアーティストというと、COREYのように何かに拘りを持っているという印象があるのだが(BRYAN ADAMSもそうですね。)、その拘りは「音楽」の「遊び」に繋がるものではなく、「品位」を高めることに繋がる拘りであるので、大いに歓迎されるところでもある。(が、その拘りがお気に召さない、という方もいらっしゃるでしょうが...)そんな「拘りの一品」である本アルバムは、じっくりと聴き込んでもらいたい一枚である。

 

First Offense

First Offense

  • アーティスト: Corey Hart
  • 出版社/メーカー: EMI America
  • 発売日: 1998/06/30
  • メディア: CD


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