RITA COOLIDGE『ALL TIME HIGH』

表題のアルバムは1993年にリリースされた彼女のベスト盤である。'70'sの時代から活躍している彼女であるだけに、ヒット曲は多く、その全てを1枚で網羅しているという訳にはいかないものの、ツボはしっかりと押さえてあるベスト盤である。彼女の代表曲は一通り集められていて、じっくりと聴かせてくれるハートフルなボーカルをたっぷりと堪能することが出来る。

収録されているのは以下の全14曲である。『We're All Alone』『I Don't Want To Talk About It』『Loving Arms』『Closer You Get』『You're So Fine』『(Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher』『Way You Do The Things You Do』『All Time High』『We've Got Tonite』『Wishin' And Hopin'』『You』『One Fine Day』『I'd Rather Leave While I'm In Love』『Words』。

全米2位まで上昇した『(Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher』や映画「007／オクトパシー」の主題歌として使われた『All Time High』などは基本中の基本であるが、面白いのは冒頭の2曲の『We're All Alone』と『I Don't Want To Talk About It』である。前者は言わずと知れたBOZ SCAGGSが大ヒットさせた名曲であり、後者はEVERYTHING BUT THE GIRLが後にカヴァーしてヒットさせることになる曲である。シンガーとしては前者のようなことを行うのは珍しいことではなく、当たり前と言ってもいいが、ライターとしての力量があるからこそ後者のようなことが行われるのである。これはやはり素晴らしい才能を持ち合わせているシンガーソングライターであるということの証でもある。

その他の曲としては、『Closer You Get』『Way You Do The Things You Do』『You』『Words』という所をお薦め曲として記しておくが、本ベスト盤のような構成のものは、捨て曲というものが無いだけに早い話、全てがお薦め曲でもあるのですが...

ベスト盤には、入門用と言うことの出来るものと、深くターゲットを絞ったものとがあるが、本ベスト盤には、彼女を知りたいという入門者にピッタリであると共に、彼女のファンにとっても1枚（ここがポイントである。複数枚でいいとなると、早い話、オリジナル・アルバムの全てを持ってくればいいことですから...）でツボを抑えられるベスト盤である。ということで、ベスト盤としても価値の高い一枚である。是非とも彼女の歌声を、じっくりと聴き込んで欲しい所である。

 

All Time High

• アーティスト: Rita Coolidge
• 出版社/メーカー: Spectrum
• 発売日: 1993/05/01
• メディア: CD

↓日本盤はこちら（ジャケットが異なります）

ALL TIME HIGH

• アーティスト: リタ・クーリッジ
• 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
• 発売日: 1994/11/02
• メディア: CD