恋日・ニュータイプ3話 [ドラマ]
第3話となる今回の物語は「幽霊の正体を暴け」ということで、BS-iらしく、ここは「怪談新耳袋」ネタをということなんでしょうか。が、怪談話とならないのが本作です。やはり、ちょっとほろ苦い物語になっています。また、前回の物語で使った超能力(サイコメトリー)をまた使うなど、面白くなってきました。前回から加わった冒頭のナレーション「多々野ユリ、16歳、超能力者。だが、彼女はまだ自分の能力に気がついていない。下良隆三、ハイパーサイエンス研究所所長。彼は自分に超能力がないことを隠している胡散臭い男である。これは、そんな二人が究極の超能力者・みのるの持つ莫大な財産を譲り受けようと悪戦苦闘する、おかしくもほろ苦い、ハイパーサイエンス・ドラマである」に続いて本編がスタートとなるが、いつものように、長文&ネタバレありで本編に行きます。
下良ハイパーサイエンス研究所。大掃除と言うことでユリが赤いハンカチーフで髪を束ね、赤いエプロンをして整理をしている。で、古びたジッポ・ライターを見つけて、下良に尋ねる。が、その下良は「私は今、自分の能力を高めるための瞑想に入っている。邪魔をしないでくれ」と言って、室内にある瞑想装置(ピラミッド・パワーのつもりでしょうか。4本の柱で組まれた四角錐から吊されたブランコに乗っている。が、やはり胡散臭い装置です。)「これはいるんですか?」と言うユリに「見覚え無いな。誰のだ?」という返事をしたから「じゃあ捨てちゃいますよ」とユリ。が、瞑想装置から降りると「せっかくだから、持ち主のことを調べてみよう」と言って、残留思念をサイコメトリーで読み取ろうと言いだした。「こないだやったやつですね」とユリは期待してライターを下良に渡す。で、下良は受け取ると咳払いをしてから「んん~~っ」と残留思念を読み取ろうとする。で、「持ち主は男だ。彼は頭脳明晰、人類のために役立つ研究をしているらしい」と言いだし、更には「彼の元で働いているアシスタントはいつも彼のことを尊敬の眼差しで見ているようだ」と言うと「そんなことまで分かるの?」とユリ。更に下良は「希代の超能力者、ハイパーサイエンス・プロデューサーまで務めている」と続けると「それって、要するに下良さんじゃないですか」とユリ。→そうでしょう、そうでしょう。下良にサイコメトリーは出来ませんし、自分のものだからこそ言うことが出来ると言うことですね。
で、そのライターは、下良が父親から貰ったものと分かるが「何もかも、もうすっかり忘れてしまった」と笑っている下良に「そんな大事なものを忘れるなんて酷い」とユリ。そこに「わしじゃ、わしじゃ」とみのるからミッションを送るという着信があり、「あっ、スタンプおじさんだ」とユリは机に置いてある携帯を手にする。で、出るといつものように「わしじゃ。今回のミッションを送るから、しかとお聞き。終わり」といつものように素っ気ない。で、みのるからのテレパシーを聴く二人。で、「来た来た」とユリ。「聞こえましたよね」と下良に尋ねるが、下良には聞こえていない。が、いつものように「当たり前じゃないか」と言うが「やはり確認をしておこう」とユリにミッションの内容を尋ねる下良。これに「またですか?」と言うがミッションを口にするユリ。「卍町に困っている男の人がいるそうです」で「早速出動だ」と下良は上着を手にすると直ぐに出て行くが「下良さん、早すぎですよ」とユリは頬被りとエプロンを外すのに時間がかかっていました。
卍町のある民家、三上亮介(みかみ・りょうすけ)という男が携帯で何かと連絡を受けたが、その答えに失望した様子。そこに「三上亮介?」とユリと下良が現れ、いつもの調子で「お力になれると思いますが...」から自己紹介。下良が名刺を渡そうとするが、内ポケットから名刺を出そうとするがそれを落としてしまう。で、その間にユリが「アシスタントのユリです」と名刺を三上に渡す。(いつの間に名刺を作ったのでしょうか?が、3週目になるから、名刺が出来ていても不思議ではありませんが...)続いて名刺を拾った下良が「下良です」と言って名刺を渡すと、(お約束の)「ユリ・ゲラー?」に「いいえ、ただのユリです」とユリ。→やっぱり「お約束」は「お約束」です。
家に上がったユリと下良は三上の話を聞く。三上の父親は三上浩司(みかみ・こうじ)という芸術家(鉄や真鍮で造形するアーティストで、駅前などにオブジェが飾られているということを下良は知っていました。)であり、二ヶ月前に亡くなっていた。亮介は相続税や何やらでお金に困っていて、この家を売りに出していたが、買い手がつかずに困っていたのだった。また亮介は「実はこの家、出るんです」と言って幽霊が出ると言う。(実際に見たこともあり、時々変な音も聞こえてくるという。)
が、ユリは「本当に幽霊なんているのかなぁ?」と幽霊を信じていない。しかし下良は「いる、超能力があるんだから、幽霊がいてもおかしくない」と幽霊の存在を信じている。(これに「凄い理屈」とユリのツッコミが入る。)で、「これこそ、我々ハイパーサイエンス研究所の出番だ」と、待ってましたとばかりの下良は更に話を聞こうとするが、「そろそろ時間です」ということで庭に出た一同。
庭は三上浩司が作ったオブジェが多数あり、それで戯れているユリ。(やっぱり女子高生らしいところです。)で、亮介が話をしている内に時刻は午後2時になる。亮介はいつもこの時間に出ると言うことを口にするが、ユリは「幽霊って夜出るんじゃないの?」と言い、これに「そうとは限らないよ。真昼の目撃例だってたくさんあるんだから」と下良、→何も知らないユリと知っている下良ということで、知識に関しては完全に「ケータイ刑事」とは逆になっています。
そうしていると「見て下さいむと亮介が、家の2階の窓に視線を移すと、ユリと下良も2階の窓に映った幽霊の姿を目撃する。「あの人は?」と尋ねる下良に「私の母です」と亮介。ユリは「おじゃましてます」と言って頭を下げ、下良も頭を下げて挨拶するが、「母は3年前に亡くなりました」と亮介は語る。「そうですか」と言葉を返したユリだったが、直ぐに気がついて「はいっ?」で、再び2階の窓を見るが、その時には幽霊の姿はなかった。
幽霊が出た部屋を調べようとして2階にやってきたユリたち。まずは外から部屋を覗いて「誰もいないみたい」と言うユリの言葉を受けて「じゃあ、入って」と下良。が、ユリは「こういう場合、男の下良さんが先に入るもんでしょう」と言うが「私は所長、君はただのアシスタントだろう」と下良。これに「本当は怖いんでしょう。幽霊を信じているくせに」と反撃するユリ。これに「何を言うか。信じているからこそ怖い」と答える下良。で、怪訝そうな表情を見せるユリは先に部屋には入っていく。で、下良もこれに続き、亮介が最後に入ると、説明を始める。「窓に母の姿が見えても部屋に来ると全く気配がない」と言う。また、出ない日もあるが、出るのは決まってこの時間(午後2時)だと言う。また、この部屋は亮介の母・幸枝(ゆきえ)の寝室で、自宅療養に使っていた部屋で、幸枝はこの部屋で亡くなったのだった。で、亮介は母の幽霊が現れた原因を調べて欲しいと頼む。
で、引き受けた下良だったが、どうしたらいいのか分からず、ユリは下良にどうするのかを尋ねる。(ユリは、幽霊を退治するのは陰陽師とかゴーストバスターズの仕事だと思っている。)下良は、幽霊の出現には必ず理由があるので、まずはその理由を探ることだと言う。「どうやって?」と尋ねるユリに「残留思念だよ」と言う下良は、この部屋には亡くなった母親の思いが残されているので、サイコメトリーすると言う。で、ユリはその様子を見ようと思って、膝をついて座り、正座して下良を見ることにした。下良は指を鳴らしてからサイコメトリーを始める。「残された思いよ、見えろ、見えろ~」と言って、部屋にあった椅子から残留思念を読み取ろうとする。これにユリは「何か見えますか?」とすっかり下良に任せている。が、下良は「君も触ってみたまえ。後で説明する手間が省ける」と言ってユリを呼び寄せる。(下良はユリに超能力があると言うことを口には出さないが完全に気づいてますね。)で、その言葉に従ってユリは立ち上がると下良の横にやってきて椅子を両手で触る。その瞬間、下良とユリは残留思念を読み取った。
幸枝は2階の部屋から庭を見ていて、庭では浩司が水をまきながら手入れをしながら手を振っている。幸枝はそれに手を振って返している。ということで、幸枝は病気で外に出ることがなかったため、この部屋から庭を見ることを日課としていて、それを楽しみにしていたのだった。ということで、下良は「これで分かった」と言って浩司を呼んで説明を始める。
原因はこの椅子であり、この椅子を処分すれば幽霊は現れなくなると言うが、その時部屋にラップ音がした。更に椅子が独りでに揺れ出して音を立てるようになり、椅子に掛けられていた杖が飛びね部屋にあった幸枝の写真立てのガラスが割れた。で「こ、これは、ポルターガイスト現象...」と言って怯え出す下良。ユリは「この椅子を動かすなって幽霊が怒っているんじゃないですか」と全く怖がっていなかった。
庭に出た下良は「とても我々の手には負えないよ」と言って鞄を抱えて退散しようとするが、ユリは引き下がらない。が「これは陰陽師かゴーストバスターズの仕事だよ」と言って帰ろうとする下良に「スタンプは?どうするんですか」とユリ。これに「とりあえず一旦帰って作戦の練り直しだ」ということで下良は三上邸を後にしました。(ここでAパート終了。ここまでで約15分ということで、Bパートのドラマは約10分半と言うことになります。)
下良ハイパーサイエンス研究所。ユリが瞑想装置に座っていて下良は歩きながら語っている下良はデスクの席に座る。で、いつから出るのか、浩司は知っていたのか、何で午後2時に出るのか、と色々と考えている。が、ユリは「私が気になるのは三上さんの態度です」と言って、自分なら幽霊でもお母さんに会えたら嬉しいのに、三上は怒っていたと言うことを口にする。(そう言えば、ユリの母は亡くなっていたのでした。)そして「明日もあの家に行ってみましょう」と言うが「明日は田舎の両親が危篤で...」と言って嫌がる下良だったが、結局は「分かりましたよ」。
翌日、再び三上邸にやってきたユリと下良。で、三上に母親の幽霊が出る理由に心当たりはないかと尋ねるユリ。これに「母はこの家を愛していましたからね。ここを売り飛ばして借金の清算をしようとしている私を許せないのでしょう」と語る。で、更に話をして、三上のいきさつを知る。三上は父と大喧嘩をして10年以上前に家を出た。自分で会社を立ち上げたが、数年前から不景気で借金がかさんでいた。が、母の葬儀以来、父とは会っておらず、借金のことは話していなかった。また、彼は自分を恨んでいて、母は幽霊になってまでこの家を売らせたくないのだと思っていた。で、改めて幽霊を何とかしてくれ、と頼む。で、例の部屋で幽霊が出るのを待つことにした。
部屋には注連縄が張られ、下良の開発した怪しげなグッズが置かれているが下良は震えている。で「そんなに怖いなら、無理しなくて良いですよ」とユリ。が、「何を言うか、万が一の時の準備は万全なんだ」と強がりを言うと、グッズの説明をする。「幽霊を外に追い出す豆」(「鬼じゃないんだから」とユリのツッコミ)、「幽霊撃退スプレー、ニンニクエキス配合入り」(「ドラキュラじゃないんだから」とユリのツッコミ)、「幽霊をノックアウトするグローブ」(「成仏って(ボクシンググローブに)書いただけじゃん」とユリのツッコミ)ということで、やっぱりいかがわしいグッズでした。
そうしていると、下良の様子がおかしくなる。窓際に母の幽霊が現れたのだった。が、直ぐにその姿は消えた。で、グローブでスプレーを噴射する下良。しかしユリは何か気づいたようで「待って下さい、これって...」と言うと立ち上がり窓際に移動する。で、再び幽霊の姿を目にするユリ。が、風がカーテンを踊らせたことで気づいたユリは、カーテンを開け、庭を見る。すると庭からは一筋の光が部屋に向かって差し込んでいた。
庭に出て光の出ていた辺りを調べている下良。そこから何かを取り出すと「これが幽霊の正体だ」と言ってそれを三上に渡す。「母の写真ですね」と言う三上。下良が渡したのは母が映ったスライド写真だった。で、これは「光の反射を利用したトリックですよ」と下良は幽霊の正体の説明を始める。まずは庭の端にあるオブジェが太陽の光を反射し、真ん中にある丸いオブジェに光が向い、凹面鏡の役割をしている丸いオブジェが光を一点に集め、その光が庭園灯を照らす。庭園灯には投写用レンズが仕組まれていて、カーテンがスクリーン代わりになってスライドを映し出していたのだった。ということで、太陽の高さによって時間が変わり、今の季節ならば午後2時頃の数分間、出ない日は曇りの日だったと結論を出した。(「ケータイ刑事」ではこういう説明は女子高生の方だったのですから、完全に逆になっていますね。→まあ、違いがあって当然ですが、やはり「ケー刑事」がベースにありますね。)三上はこの家を売らせないため父の仕業だと考えるが、下良は「これはあなたの父さんが残した思いなんです」と言って、外出できない幸枝は窓から庭を見ることを楽しみとしていて、父・浩司は庭の手入れに精を出したが、3年前に幸枝が亡くなり、窓から見下ろす幸枝の姿を見ることが出来なくなり、心に穴が開いた。で、庭の手入れをする時間に窓に幸枝の姿が映るような仕掛けを作ったのだった。
で、幸枝のスライドを三上に手渡すユリだったが、渡そうとして三上がスライドに触れた瞬間にユリはサイコメトリーの能力を発揮して、浩司が幸枝の写真立ての中に何かを隠している姿と「亮介」名義の預金通帳と印鑑とを目にする。(三上にも見えました。)で、「もしかしたら...」ということで部屋に走っていくユリ。
幸枝の写真が入った写真立てからは亮介に宛てた父・浩司からの手紙が隠されていた。その手紙は、浩司が亮介とゆっくりと話す機会がなかったために残した手紙だった。また、預金通帳には3000万円が亮介の名義として貯金されていたのだった。で、このことに気づかなかった亮介に知らせるために母の幽霊が現れたのだとユリ。で、ラップ音とポルターガイスト現象は本物だったと認識する下良。亮介は意地を張らずにもっと話をするべきだったと後悔し、このお金があれば借金は何とかなるので、マンションを引き払ってこの家に住み、両親の思い出も大切にしていこうと決心をしたのだった。で、ユリと下良に深々と頭を下げてお礼を言う亮介。そうすると、割れた幸枝の写真が入った写真立てのガラスの割れが消えたのだった。
三上邸を後にして庭に出たユリと下良。それを見送るように、2階の窓には浩司と幸枝が一緒にいた。(二人はこれには気づかなかった。)そうしていると「わしじゃ、わしじゃ」と、みのるの着ボイスで携帯が鳴る。で、携帯を内ポケットから取り出した下良はユリに渡す。ユリが出ると「わしじゃ、それもまた人生。ポン!終わり」で、スタンプカードに3つ目のスタンプを獲得しました。で、マラカスを手にした下良とユリ(それにしても二人とも何処にマラカスを持っていたのでしょうかねぇ?)は「ユリちゃん」「下良ちゃん」から「いただき、マンボ!」(今回は外での「いただき、マンボ!」でした)と言った所で画面には「Mission complete」。
「幽霊」と言ってもやはりほろ苦さのある物語とするのが本作です。全くホラーという要素は無く、家族の絆を上手く描いていました。これだったらは「恋日」という文字をタイトルに入れるのにも納得できますね。
次回の物語は「スプーンを曲げろ」ということで、「超能力」と言ったらまずはこれでしょうね。(OP主題歌の所では、みのるが曲がったスプーンを使ってカレーライスを食べている所がありますが、「超能力」と「曲がったスプーン」はやはり切り離せません。)で「匙曲温泉(さじまがりおんせん→漢字はこれで正しいのかどうか、分かりません)」という名前、「子供」と言ったこと、更には、「ケータイ刑事」シリーズでは常連さんだった半海一晃さんがゲストということで、大いに期待できる物語になりそうです。
今週のクイズ。DoCoMoのモバイラーズチェック・1000円分がクイズ正解者の中から毎月10名に当たる双方向番組ならではのクイズである。(HP、はがきでは応募できず、データ放送のi-アクセスでのみ応募するものである。)今回の問題は「ユリに指令を送る究極の超能力者は?」と言う問題である。選択肢は「みつる」「みのる」「キングアンドリウ」「怪人二十面相」の4つ。(正解は「みのる」です。が、選択肢の「みつる」って?また、「キングアンドリウ」はともかく、「怪人二十面相」って十面相から八面相、六面相、5面相、3面相となったあの怪人さんではないですよね。)
みのる超能力教室。みのるが「わしじゃ」と言って登場するのはいつもと同じ。で、椅子に深々と座っているみのるは右手に携帯電話(F902iSで、ゴールドフロスト)を手にしていて語り始める。「例えば、この携帯電話一つとっても、持ち主の思い、つまり残留思念が込められている。時には目を閉じて残された思いに耳を傾けるのもいいかも...」と言っていると「わしじゃ、わしじゃ」と携帯に着信があり、それに驚いて「びっくりした...」
↓「怪談新耳袋」はこちらですが、全く怖くない物語もあります。
↓「ポルターガイスト現象」関係
↓スライドを使ったトリックということで...
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