TOTO『TURN BACK』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼らの3rd.アルバムである。本アルバムは評価も高くなく、またセールスの点、チャートの点でも過去2枚のアルバムに適わず、しかも次のアルバムでグラミー賞を7部門で獲得したこともあって、忘れ去られているアルバムである。が、本アルバムではロック・サウンドをよりハードなものにしていて、S.ルカサーのギターを前面に押し出したことによって、ロック・ファンの間では根強い支持のあるアルバムである。これまではロックと言ってもA.O.R.に寄っていた所がある彼らであるだけに、このサウンドの変化は賛否両論あった。酷評されることが多い本アルバムであるが、彼らが発表したアルバムの中では一番ハードなロック路線のアルバムという内容であり、これはこれで良いものである。
収録されている曲は以下の全8曲である。『Gift With A Golden Gun』『English Eyes』『Live For Today』『A Million Miles Away』『Goodbye Elenore』『I Think I Could Stand You Forever』『Turn Back』『If It's The Last Night』。
この中からは『Goodbye Elenore』がシングル・ヒットを記録しているが、Billboardの年間アルバム・チャートのTOP 100にランクインはしていない。ハードな路線で、グルーブ感の良い曲である。この他には『English Eyes』がロック路線の曲としては心地良さを与えてくれる曲である。また、『A Million Miles Away』やバラードの『Turn Back』も本アルバムの中ではグッとハートを捕らえるナイスな曲である。(ということで、この4曲を本アルバムからの筆者のお薦め曲と言うことにする。)
彼らはそれぞれがセッション・ミュージシャンとして高い力量を持っているが、本アルバムではそんな彼らが自由に演奏することを楽しんでいるようであり、それをS.ルカサーのギターを立てることで一つにまとめている。ということで、これぞ'80'sサウンドという所を垣間見せてくれている。元々力量が高い彼らであるだけに、プレイの方は流石というテクニックを聴かせてくれている。また、アルバム全体を通して力みがないだけに、楽しんで聴くことの出来るアルバムである。それにしては、もう少し評価されてもいいアルバムだと思うのですが...
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