「007/TOMORROW NEVER DIES」 [映画(洋画)]
6代目ボンドを迎えた007シリーズ最新作であるシリーズ第21作の「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作をDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も一緒に見ているので、1本を見るのに3時間半前後の時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は5代目・ボンドを襲名したピアース・ブロスナンの2本目となるシリーズ第18作の「トゥモロー・ネバー・ダイ」です。
尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。
「TOMORROW NEVER DIES」もI.フレミングの小説には無いタイトルであり、オリジナルのストーリーである。が、本作はこれまでの17作品に対する様々なオマージュもあって、長年のシリーズのファンをも喜ばせることになった。
監督はロジャー・スポティスウッドが本シリーズに初登場となり、5代目ボンドのスタイルを完全に確立させた。脚本はブルース・フェアスタインが前作に引き続いて担当したことで、前作からの5代目ボンド像を明確に描いている。音楽は、これもまた本シリーズに初登場となるデビッド・アーノルドが担当して、従来の音楽の雰囲気を継承しつつも新たな現代風のサウンドを取り入れている。主題歌を歌うのはシェリル・クロウであり、シリーズの雰囲気を継承しつつ、ハスキーな彼女のボーカルが秀逸な一曲である。
キャストは、本作で2本目のボンドとなるピアース・ブロスナンが今回も 生身のアクションほたっぷりと魅せてくれていて、これに香港のアクション・スターであるミシェル・ヨーがボンド・ガールを務めている。が、ボンド・ガールと言うよりは、女ボンドと言っていいぐらいの活躍をしてくれる。(歴代ボンドガールでは「私を愛したスパイ」がソ連の女スパイ・だったが、今回は中国の女スパイであり、これはそのアニア・アマソワに対するオマージュでもある。)そして、'90'sになって復活した「スーパーマン」の新TVシリーズである「新スーパーマン」でロイスを演じたテリー・ハッチャーがボンドのかつての恋人であり、敵であるメディア王・カーヴァーの妻・パリスを演じている。敵であるメディア王・カーヴァーは性格俳優のジョナサン・プライスで、その配下の殺し屋・スタンパーをゴッツ・オットーが、ドクター・カウフマンをヴィンセント・スキャヴェリが演じている。また、今回もCIAのエージェントであるジャック・ウェイドが登場していて、ジョー・ドン・ベイカーが引き続いて演じている。
そして、ボンドの周辺のお馴染みのキャラは、Mは前作で3代目Mとなったジュディ・デンチが、Qはシリーズ16本目の出演となるデズモンド・リュウェリンが、マネーペニーは前作から3代目となったサマンサ・ボンドが今回も演じている。
本作では、新ボンド・カーとしてBMW750iLが登場するが、これが、携帯電話の内蔵されたリモコン装置で操縦できるというのが凄いところです。(当然、その携帯電話もただの携帯電話ではなく、秘密の装備が満載されている。)
物語は、中国近海で、イギリスの艦艇が中国軍によって撃沈された、というニュースが踊った。これによって、イギリスと中国の間で緊張が高まり、第三次世界大戦勃発の危機となる。イギリスは報復攻撃の準備を進めるが、48時間以内に真相を突き止めるという任務を受けたボンドは、事件の裏にメディアの帝王と呼ばれるカーヴァーの存在を掴み、彼に接近するが、カーヴァーの妻はかつてボンドが関係を持ったパリスだった。また、その調査を進める内に、中国の女スパイ・ウェイ・リンもボンドと同様に真相を探っていた。そんな二人は、最初は敵だと思うが、同じことを探っていると分かると協力してカーヴァーの陰謀に挑んでいく...
久しぶりに東洋を舞台にした物語となったが、「黄金銃を持つ男」のあのシーンをはじめ、様々なオマージュがあり、それはどれだ、ということを探っていくのもまた楽しくなる物語である。また、アクションの方も、生身のスタントを中心としたものであって、たっぷりと見せてくれる。特に今回は、空中で停止しているヘリコプターの上をバイクでジャンプするスタント、超高層ビルにかかっている垂れ幕を頼りにして飛び降りるスタント、1万メートルの上空からダイブして、海面すれすれまでパラシュートを開かず、そのまま海に潜るダイブというように、迫力あるスタントは見応え十分である。(そして、BMW750iLを携帯電話で操縦する所も忘れてはならない。)
が、本作では何と言ってもミシェル・ヨーです。4代目以降の作品では、どの作品でも「従来のボンドガールのイメージを変えた」と毎回言われているが、本作では、場合によってはどっちがボンドなのか?と思わせる大活躍でした。尚、本作公開後、このウェイ・リンをスピンオフさせた企画話がありましたが、それは実現しませんでした。(その後も「007」からのスピンオフ企画は、結構でるものの、とズレも実現しませんね。→やっぱり、ボンドがいてこそのキャラだと思います。(それ以外は、公開時の宣伝も兼ねた話題作りなのでしょう。))→最近のボンド・ガールはアクション主体になってきているだけに、少し違った雰囲気のレディに登場してもらいたい所でもあります。(「カジノ・ロワイヤル」の次は2008年に22作目が公開されますが、その次の2010年頃と思われる23作目では、日本を舞台にして、「ケータイ刑事」の銭形姉妹(演じるのは、当然のことながら歴代銭形を演じた宮崎あおいさんや黒川芽以さんたち)に登場してもらって、知的なボンドガールもよろしいかと...)
東西冷戦の終結で、生まれ変わった「007シリーズ」であるが、生身のアクションをたっぷりと見せてくれるアクション作品として、完全に生まれ変わり、興行成績の方もまたも前作を越えて新記録を樹立し、新たな黄金期を迎えることになりました。
007 トゥモロー・ネバー・ダイ アルティメット・エディション
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: DVD
James Bond - 1/4 Scale : Pierce Brosnan as James Bond
- 出版社/メーカー: サイドショウ
- メディア: おもちゃ&ホビー
James Bond 12 Inch - Tomorrow Never Dies: Wai Lin
- 出版社/メーカー: サイドショウ
- メディア: おもちゃ&ホビー
コメント 0