「GLORIA」 [映画(洋画)]
表題の作品は1980年の映画「グロリア」である。この作品は1999年にシドニー・ルメット監督、シャロン・ストーン主演でリメイクされたのは記憶に新しい所である。'80'sになって、強い女性というのが時代の波に乗って次々と登場してきたが、本作もそんな女性を主人公にした作品の一本である。
監督と脚本はジョン・カサヴェテス、「ロッキー」シリーズでお馴染みのビル・コンティが音楽を担当している。出演は、ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメンたちである。尚、ジーナ・ローランズは本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたが、受賞はならなかった。(それだけ高い評価を得た。)また、本作はヴェネチア国際映画祭で作品賞(金獅子賞)を受賞した。尚、本作がリュック・ベッソン監督の「レオン」の原形になったという話は有名である。
物語は、ハード・ボイルド調で、渋く、それでいて格好良さを感じるものである。マフィアの秘密を売ろうとして惨殺されたある一家から一人の少年を助けた中年女性のグロリア。その秘密を実はその少年が持ち出していたて、その事実を知ったマフィアは、少年を助けたグロリアを狙い始めた。グロリアは子供嫌いであり、その少年を捨てようとするが、いつしか母性本能が芽生え、少年と共にニューヨークを逃げ回るようになり、マフィアに対して立ち向かうようになるが...
とにかく、ジーナ・ローランズの演技が素晴らしい。最初は嫌みなオバサンのような印象を受けるグロリアであるが、少年・フィルと接しているうちにそれが良いように変わっていき、マフィアに立ち向かう所では、貫禄十分、母は強しという凄味を漂わせている。
この後、強い女性がスクリーンに次々と登場するようになったが、映画のヒロイン像を変えたと言って良い傑作である。たっぷりと味わうことが出来る作品である。
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