UFO『FLYING』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは、1971年に発表された彼らの2nd.アルバムである。本アルバムは「スペース・ロック」と言われるサウンドの頂点を極めたアルバムでもある。また、'60'sの雰囲気を持ったサイケデリック調な所が妙に格好良く感じる。ただ、サウンドとしては一つの頂点に達したとしても、アルバムとしてのコンセプトとしては中途半端なところがあり、弱点も持ち合わせているアルバムである。(だからこそ良いと感じるのでもあるが...)
収録曲は以下の全5曲である。『Silver Bird』『Star Storm』『Prince Kajuku』『Coming Of Prince Kajuku』『Flying』。
曲数が少ないのは、この5曲の内、『Prince Kajuku』と『Flying』が大長編の曲であり、前者は19分弱、後者は26分半にも及んでいるためである。また、この2曲だけで45分を越えているが、5曲でのトータル時間は約58分半ということで、当時としたらこの時間はあまりにも長いアルバムであった。(何せ、カントリー系のアルバムやサントラ盤だったら、10曲収録されていてもトータル時間は『Flying』1曲よりも短い、ということは珍しくありませんでしたからね...)
本アルバムからのお薦め曲は、言わなくても良さそうだが、やはりアルバム・タイトル・ナンバーである『Flying』であり、そして大長編ということを飽きさせることなく聴かせてくれる『Star Storm』ということになる。(でも、この2曲それぞれを中心とした2枚のアルバムにした砲が良かったのでは?と感じてしまいます。)
但し、本アルバムはマイケル・シェンカーが加わっていない時期の作品なので、後期UFO(特にマイケル・シェンカー)の支持者にとったら、眠くなるアルバムということになってしまうだろうが、'60'sサウンドの面影がある中に'70'sという(当時の)新しい時代の可能性を感じさせるサウンドは、ある意味でではとても面白いところでもある。万人向きではないが、HRがお好きな方には一応チェックしておくべきアルバムの一枚である。
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