ABBA『RING RING』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは、1973年に発表された「ABBA」名義としては初のアルバムである。が、「ビヨルン＆ベニー」名義でリリースしたヒット曲『She's My Kind Of Girl』（邦題：木枯らしの少女）などをフューチャーしていて、ABBAとしての出発点ではあるが、ビヨルン＆ベニーの総決算という意味合いも兼ねているアルバムである。本アルバムを発表した後、ワールド・デヴューして、それから快進撃が始まり、'70'sを代表する世界的なグループになっていくABBAであるが、本アルバムには世界的ビッグ・スターになる可能性は随所に感じるものの、若さと未完成な部分が結構目立っている。（でも、最初から完成度の高いアルバムを発表していたら、それこそ凄いグループと言うことになります。）また、'70's後半から'80's初頭のABBAサウンドとは全く違うサウンドであるので、その所は覚悟してから聴きましょう。
収録されているのは、リマスターしてリリースされた時に3曲がボーナス・トラック（後ろの3曲です）が追加されたので、全15曲になっている。『Ring Ring』『Another Town, Another Train』『Disillusion』『People Need Love』『I Saw It In The Mirror』『Nina Pretty Ballerina』『Love Isn't Easy (But It Sure Is Hard Enough)』『Me And Bobby And Bobby's Brother』『He Is Your Brother』『She's My Kind Of Girl』『I Am Just A Girl』『Rock & Roll Band』『Merry-Go-Round』『Santa Rosa』『Ring Ring [In Swedish]』。
後ろの3曲の『Merry-Go-Round』『Santa Rosa』『Ring Ring [In Swedish]』がボーナス・トラックであるが、最後の『Ring Ring』はABBAの母国語であるスウェーデン語というのが嬉しいところであり、DISC全曲のリピート再生をすると、続いて英語バージョンと連続して聴くことが出来るが、言語が違うことでそこから得る雰囲気が少し違うのも面白いところである。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Ring Ring』『Disillusion』『People Need Love』『She's My Kind Of Girl』という所をピックアップするが、ABBAのスタイルが確立していない時期でもあって、これがABBA？と思ってしまう方もいるでしょうね。
時代は'70'sになっていたものの'60'sポップスのテイストの曲があったり、後に世界を席巻する美しいコーラスの曲があったり、フォーク調の曲があったりと、本アルバムはベスト盤ではないのにサウンドの方は実にバラエティに富んでいる。ABBAとしての原点でもある本アルバムは要チェックです。
- アーティスト: ABBA
- 出版社/メーカー: Polydor
- 発売日: 2002/03/01
- メディア: CD
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