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「トラック野郎」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第4弾として取り上げる作品は「トラック野郎」である。何処がヒーローなの?と言われるかも知れないが、この映画が公開された当時、派手な電飾を飾ったトラックが街中に溢れるというように、社会現象にもなったこと、そして、正義の味方というような悪人を倒すのではなく、出会ったマドンナの幸せのために必至でトラックを走らせる主人公・桃次郎の姿は、マドンナにとってはやっぱりヒーローなのである。また、今年になってWOWOWでシリーズ全作が放送されたということもあるので、取り上げることにしました。

本シリーズは1975年から1979年にかけて、年に2本ずつ、合計で全10作が製作されたが、松竹の寅さん(「男はつらいよ」)を完全に意識したシリーズでもあった。(基本的にパターン通りで物語が展開していきます。)いずれもが100分前後の作品ということで、見るのにも少し時間がかかるが、その全10作について、述べていきます。初回はシリーズの最初の年である1975年に製作された第1作と第2作です。

まずは、シリーズ第1作の「トラック野郎・御意見無用
本作の作品データを記すと、1975年と東映東京の作品で、98分のカラー作品である。監督は鈴木則文、脚本は鈴木則文と澤井信一郎の二人、撮影は仲沢半次郎、音楽は木下忠司である。そして出演は、菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、中島ゆたか、夏純子、佐藤允、夏夕介たちである。(マドンナ中嶋ゆたかである。)

記念すべきシリーズの第1作。物語は東北のドライブインのウエイトレスの洋子に一目惚れした桃次郎。ひょんなことから捨て子を拾い、その子がねぶた祭のことを覚えていたので親探しのために青森へ。すっかり洋子と夫婦気分になっていた桃次郎だったが、洋子には婚約者がいて、しかも漁船で数時間後に出港するということが分かる。で、洋子を乗せて漁港まで飛ばす桃次郎...

続いて、シリーズ第2作の「トラック野郎・爆走一番星
作品データは、1975年の東映東京の作品で、時間は96分、監督は鈴木則文、脚本は澤井信一郎、撮影は飯村雅彦、音楽は木下忠司である。そして出演は、菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、あべ静江、加茂さくら、田中邦衛たちである。(マドンナあべ静江

姫路のドライブインでアルバイトをしている女子大生・暎子に一目惚れした桃次郎。暎子は文学少女であったことから古今東西の文学を読破しようとする桃次郎の気分はすっかり文学青年に。そして暎子に渡すラブレターを書く桃次郎。が、金造の手違いによってそのラブレターは暎子ではなく、バキュームカーの女運転手・千秋に渡ってしまう。で、桃次郎に接近する千秋。そんな中、金造の妻・君江と子供たちを長崎に連れて行くことになった桃次郎...

本シリーズはお馴染みのパターンがある作品であり、ストーリーに関しては先読みが出来てしまうのだが、本シリーズにはそれを忘れさせてくれる要素がある。その一つが、舞台が日本各地になっていて、作品ごとに日本各地へ観光する気分にさせてくれるということである。これと人情味溢れる展開、金造との凸凹コンビとしてのやりとりなど、柔軟、緩急、動と静のバランスが絶妙であり、そこがまた良いところでもある。('70'sのテイストに満ちています。)ゆっくりと全作味わって貰いたいシリーズである。

 

トラック野郎 御意見無用

トラック野郎 御意見無用

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2002/07/21
  • メディア: DVD

トラック野郎 爆走一番星

トラック野郎 爆走一番星

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2002/09/21
  • メディア: DVD
 
菅原文太主演作品シリーズVol.6 「トラック野郎」サウンドトラック3

菅原文太主演作品シリーズVol.6 「トラック野郎」サウンドトラック3

  • アーティスト: サントラ, 菅原文太, キンキン, 阿木燿子
  • 出版社/メーカー: アブソードミュージックジャパン
  • 発売日: 2001/02/21
  • メディア: CD

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