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「緋牡丹博徒」(その4) [映画(邦画)]

今回は、シリーズの中でも傑作としてその名を残しているシリーズ第6作となる「緋牡丹博徒・お竜参上」です。この作品は1970年の作品であり、この年からは年に1本のペースになるというように、製作ペースが落ちたが、その分、作品のクオリティの方は上がりました。'50'sはTVの方も黎明期であったが、'60'sになるとTVにおされて斜陽産業と言われるようになった映画界であるが、'70'sに突入すると、もはやTVの力には太刀打ちできなくなっていて、戦略の練り直しが色々と行われたが、製作本数を減らしてクオリティを上げるというのは本筋である。で、'70'sには数々の傑作映画が生まれることに夏田が、本作もそんな'70'sの傑作群の1本である。

作品データを記しておくと、1970年の東映京都の作品で、時間は100分である。監督は加藤泰、脚本は加藤泰と鈴木則文の2人、撮影は赤塚滋、美術は井川徳道、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、藤純子、菅原文太、若山富三郎、山城新伍、夏珠美、安部徹、嵐寛寿郎、汐路章、平沢彰、川並功、八尋洋、高野真二、井関悦栄、近藤洋介、たちである。

物語の方は、シリーズ第3作の「緋牡丹博徒・花札勝負」の後日談という位置づけになり、舞台は東京・浅草である。本作を見る前に、やはり「緋牡丹博徒・花札勝負」を見ておいた方が良いでしょうね。(見ていなくても特に問題はありませんが、見ておいた方がベターです。)

ニセお竜の娘・お君を捜しながら旅を続けていたお竜は、「浅草にいる」と知らされて、東京に向かい、浅草の鉄砲久一家に草鞋を脱いだ。鉄砲久一家は小屋を持っていたため一座の利権を手にしていたが、鮫洲政一家はその一座の興行権を奪おうと企んでいた。ある日、鮫州政一家の勘八の懐を狙ったスリのおキイがしくじり、危うい所を彼女に思いを寄せている銀次郎に救われた。で、銀治郎が鉄砲久におキイの詫びを入れに来た時に、おキイがお君であることを知ったお竜。そんな中、おキイは鉄砲久に養女として預けられることになった。

一方、一座の利権を狙う鮫洲政一家は、鉄砲久の娘婿・鈴村を填めて多大な借金を背負わされ、小屋の利権を渡すように迫ってくる。お竜はこの一見の片を付けるようにと鉄砲久に頼まれ、勝負に出る。そこでいかさまを見破り、証文を取り戻し、事態に片を付けたお竜だったが、お君の情報をお竜に伝えた常次郎が浅草にやってきて、彼を追う刺客が鮫州政一家に草鞋を脱ぐ。そこから鉄砲久と鮫州政の抗争に火が着き、鉄砲久は殺されてしまった...

今までもそうであったが、本作ではお竜が一段と格好良く極まっている。また、常次郎とのやりとりが巧みな演出によって輝いている。そして、浅草の名所の一つである今戸橋が本作では印象的に描かれていて、「鬼平犯科帳」だけで有名ではない今戸橋ということを教えてくれます。

それにしても、藤さん演じるお竜にはしびれますが、本作のお竜にはたまりません。「緋牡丹博徒」シリーズを見る場合、本作は絶対に外せない1本である。

 

 

緋牡丹博徒 お竜参上

緋牡丹博徒 お竜参上

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2004/11/21
  • メディア: DVD

↓第3作を見てから本作を見ましょう!

緋牡丹博徒 花札勝負

緋牡丹博徒 花札勝負

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2003/05/21
  • メディア: DVD


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