「ゴルゴ13 九竜の首」 [映画(邦画)]
表題の作品は1977年の実写版の映画である。WOWOWがこの作品を放送してくれたと言うことで、これを取り上げることにした。原作はさいとう・たかをの人気劇画であり、ゴルゴ13は世界一の殺し屋と恐れられている最強のスナイパーということは説明の必要は無いだろう。1973年に高倉健の主演で「ゴルゴ13」は実写映画化されたが、今度はアクション・スターの千葉真一の主演で、香港を舞台に制作された。香港ロケを行い、迫力のあるアクションを見せてくれる。尚、声の方は、日本人俳優はそのままであるが、それ以外の俳優たちの部分は声優が声を当てている。(よって、全編日本語である。)これによって、全体的にも渋い声が集まり、原作の劇画の世界を実写の世界にうまく繋げることになった。
作品データを記しておくと、1977年の東映京都の作品で、時間は93分、原作はさいとう・たかを、監督は野田幸男、脚本は中島信昭と杉本功、撮影は赤塚滋、音楽は伊部晴美である。そして出演は、千葉真一、鶴田浩二、ジェリー伊藤、志穂美悦子、嘉倫、ジョアナ・トース、林偉哲、エレーナ・スン、李志中、陳耀林、黄樹棠、たちである。
物語は、アメリカの麻薬組織の依頼を受けたゴルゴが、その組織の香港支部長暗殺のために香港・九竜に潜入する。一方、香港から麻薬を一掃するべく命を賭ける香港警察の捜査官・スミニーは組織の内紛があることを知り、ここぞとばかりに捜査に力を入れ、ゴルゴに立ちはだかる。そんな中、麻薬のボス・周が殺された。周の愛人がゴルゴが犯人と通報したことで、スミニーはゴルゴの手配を行うが、ゴルゴは周の暗殺を行っていなかった。そこからスミニーはゴルゴの暗殺の邪魔をすることになるが...
千葉真一のゴルゴは劇画から飛び出した様で、これまでの彼の雰囲気とは少し違っているが、原作劇画の雰囲気を持っていて、なかなかいい感じである。
ただ、制作から30年という歳月が流れていると言うことで、香港の町の様子も随分と変わったのをはじめ、劇中に登場する車やその他の物が'70'sの物ということで、ちょっと時代を感じるが、こういう作品は何故か'70'sの雰囲気の方が似合っているように感じられる所が不思議である。(現在だったら、ハイテク装備をしていて、ゴルゴの雰囲気も変わってしまうでしょうし...)
それにしても、こういう面白い作品がDVD化されていないのが残念な所である。(WOWOWがよくぞ放送してくれた、というところである。)
尚、「ゴルゴ13」は1983年にアニメ化されていて、原作劇画の世界を上手く描いているが、実写版の方もしっかりとチェックしておきたい所である。
↓原作の劇画と関連出版物
究極のビジネスマンゴルゴ13の仕事術―なぜ彼は失敗しないのか
- 作者:
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2001/07
- メディア: 単行本
さいとう・たかをセレクションBEST 13 ofゴルゴ13―Author’s selection
- 作者: さいとう たかを, さいとう・プロダクション
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/11/13
- メディア: 単行本
↓最新刊
- 作者: さいとう たかを
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2007/07/05
- メディア: コミック
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