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「緋牡丹博徒」(その5) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第6弾として記している「緋牡丹博徒」も今回が最終回となる。今回はシリーズ第7作と最終作となった第8作の2本である。尚、本シリーズが終了したのは、主演の藤純子さんが結婚・引退をしたためである。(1989年に富司純子としてカムバックしている。)彼女に変わるような女優がいないということもあって、シリーズに幕が下ろされたが、それだけ本シリーズのお竜は藤さんのはまり役でした。

シリーズ第7作緋牡丹博徒・お命戴きます
作品データを記しておくと、1971年の東映京都の作品である。時間は93分である。監督は加藤泰、脚本は大和久守正、鈴木則文、加藤泰の3人、撮影はわし尾元也、美術は吉村晟、音楽は木下忠司である。そして出演は、藤純子、若山富三郎、大木実、待田京介、内田朝雄、諸角啓二郎、上岡紀美子、沢淑子、沼田曜一、汐路章、名和宏、嵐寛寿郎、石山健二郎、河津清三郎、鶴田浩二、たちである。

公害問題を絡めたストーリーと鶴田浩二の存在感、お竜の淡い恋心が描かれている。物語は、渡世修行の旅の途中、上州伊香保の賭場でイカサマ賭博に巻き込まれたお竜。危うい所を武州熊谷の結城組組長・結城菊太郎に救われた。熊谷では、軍部御用の兵器工場ができ、周辺の百姓はその公害に苦んでいた。結城はその一件で対立する富岡組に殺されてしまう。急を聞いて駆けつけたお竜は結城の意思を継ぎ、百姓たちのために立ち上がるが...

結城に恋心を抱くお竜という所が本作の見所の一つである。今までと同様の殴り込み以降のお竜とは全く違っていて、女としての表情がいいですね。

最終作となったシリーズ第8作緋牡丹博徒・仁義通します
作品データを記しておくと、1972年の東映京都の作品である。時間は95分、監督は斎藤武市、脚本は高田宏治、撮影は山岸長樹、美術は富田治郎、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、藤純子、菅原文太、片岡千恵蔵、松方弘樹、若山富三郎、待田京介、藤巻潤、浜田ゆう子、北原義郎、岸正子、若松和子、たちである。

物語の舞台は大阪。大阪では、堂万一家と伝法一家の二大勢力があり、小競り合いが絶えなかった。堂万一家三代目の跡継ぎの証人としてお竜が現れ、先代の意志により岩木が継いだが、跡目争いに敗れた松川は伝法一家に走り、堂万一家を潰そうと企んだ...

シリーズの最終作ということで、お竜と過去に接触のあった四国の熊虎親分まで出てくる所はサービスに満ちているが、物語としたらスケールが少し小さく感じる所が残念である。が、お竜の格好良さは変わっていない。物語の展開もこれまでの作品と変わらないが、シリーズ最終作とするからには、最後にもう一つ派手な花火が欲しかったところでもある。(が、お竜の姿は永遠に残っている。)

藤さんが引退しないでシリーズが更に続いていたらどうなっていただろうか?と思うこともあるが、'70'sという時代に入り、映画に対する環境も随分と変わってきただけに、「緋牡丹お竜」に幕が下ろされたのも時代の流れだったのでしょうね。いずれにしても、一つの時代の幕が下りたのでした。

 

緋牡丹博徒 お命戴きます

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2004/11/21
  • メディア: DVD

緋牡丹博徒 仁義通します

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2004/11/21
  • メディア: DVD

↓コミックです

緋牡丹博徒お竜仇討ち旅

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  • 作者: かどた ひろし
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: コミック


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