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デス・ノート#37[最終回] [アニメ]

YTVの放送もようやく最終回を迎えた「デス・ノート」について、最終回ということだったので記すことにする。(今まで記していなかったけど、毎回ちゃんと見ていました。)

この作品は、大ヒットを記録した映画があるのはご存知の通りであるが、アニメ版の物語の方もなかなか良かった作品である。が、(YTVの)放送は実に酷かったですけどね...→ワイド画面として制作されている作品なので、アナログ放送がレター・ボックスでの放送で、上下に黒帯が入るのは、画面のアスペクト比が違うのだから十分納得できる。が、ワイド・アスペクトの地デジでは、センターの4:3の部分にアナログ放送のレター・ボックス画面を入れるから、結局、画面は、上下左右の四方に黒帯が入った形での放送となった。これが映画などのCMだったらまだ許せるが、番組をこういう形で放送するなんて、その作品をバカにしているとしか思えない放送局の対応である。また、この「デス・ノート」の次に(再)放送している「ブラック・ジャック21」の方は、アナログはワイド画面の左右をトリミングしたスタンダード・サイズでの放送なのに対し、地デジはワイド画面をフル活用したワイド画面で放送しているのだから、「デス・ノート」を冷遇しているとしか言いようがない。こういう形で放送すると、本来は全く関係なく独立して評価されるべきなのだが、作品評にも悪影響を与えることになり、確実に星一つは下がった評価になる。(まあ、YTVにしたら、自局がキー局になった「ブラック・ジャック」と日テレがキー局となった「デス・ノート」だから、対応を変えるのも(評価しないが)理解できるが、「DVDを買いなさい」と言って逃げようという魂胆も見え見えですが...)

そして、この作品のもう一つの注目点は脚本陣である。「仮面ライダーカブト」や「電王」の井上敏樹、米村正二、小林靖子という脚本家たちが書いているのだが、物語をかき乱すだけ、ご都合主義で新展開に走る、謎を明かさない、用意していた伏線を無視、初期設定を都合良く変えて全く無かったことにする、等という最低最悪のことを「ライダー」でやってきた悪名高き顔ぶれである。が、本作ではそのような悪評が嘘のように良い脚本を書いている。時には力業という所もあったものの、物語は破綻していないし、どんでん返しもしっかりしている。(→「ライダー」は完全に息抜きで遊んでいる、適当に書いている、ということが明らかになったのと、(ライダーの)K、S両プロデューサはそれが見抜けない無能ということが証明された。)

今までは常にクールで、冷静に判断していた夜神月(やがみ・らいと)が、キラだという確固たる証拠を突きつけられ、そこから冷静さを失い、完全に人格が変わってしまった所、そしていじられキャラでヘタレの松田が月に銃を向けて発砲するなど、真実が明らかになってその人物が本来持っている人間性が表に出た時、これまでのキャラと隠していた本性とのギャップは見応えありました。

これまで、サブタイトルは2文字(前回は「1.28」と4文字となるが、半角数字とすれば全角2文字になるので、力業で「2文字」と言うことにする。)だったが、最終回は「新世界」と3文字になり、これも今までとは違うということを予感させていて、十分に練られている。(本当に「ライダー」のズタボロ脚本とは別人ですね...)

戦争も無くなり、犯罪が7割も減ったという「キラの新世界」。確かに良い所もあるが、考えてみればこれは「犯罪行為=死刑」という恐怖の力によって支配された社会でもある。恐怖政治は結局破綻するということを歴史は証明している。歴史はちゃんと教訓を残しているものなのですね。

最後に、スタッフ、声の出演のみなさん、お疲れ様でした。

 

DEATH NOTE 1

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DEATH NOTE Vol.8

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↓原作(抜粋)

DEATH NOTE デスノート(1)

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DEATH NOTE (13)

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↓参考まで

スターリンの大テロル―恐怖政治のメカニズムと抵抗の諸相

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政治・哲学・恐怖―ハンナ・アレントの思想

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