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「時をかける少女」('83) [映画(邦画)]

表題の作品は1983年の角川映画の方である。(今週は、WOWOWが角川映画の特集をやっている。)この作品は、後にTV作品としても複数回製作されていて、劇場版の方も1997年にリメイクされたということで、あまりにも有名な作品である。また、2006年にアニメ映画があることは記憶に新しい。(一応、本作の続編という位置づけであるが、賞を多数獲得するような質の高い作品だとは全く感じないのですけどねぇ...→「可も無く不可も無し」というごく平凡な作品にしか思えない。絶賛されるなんて信じられません。)本作はカルト的な人気を得た作品でもあって、今でも人気の高い作品である。また、(「転校生」と「さびしんぼう」と共に)大林宣彦監督の「尾道三部作」の第2作としても知られる作品でもある。

作品データを記しておくと、104分の作品で、原作は筒井康隆、監督は大林宣彦、脚本は剣持亘と大林宣彦の2人、撮影は阪本善尚、美術は薩谷和夫、音楽は松任谷正隆である。そして出演は、原田知世、高柳良一、尾美としのり、上原謙、内藤誠、津田ゆかり、岸部一徳、根岸季衣、入江たか子、松任谷正隆たちである。

早い話、この作品は原田知世を見るための作品である。(こういうのを「動く写真集」と言います。)SF・タイムトラベルのネタが出てくるが、これを中心とした派手なSF描写は全くなく、青春ラブ・ロマンスとして描いていて、ノスタルジックな雰囲気にも満ちた作品である。また、白黒映像やパートカラー映像という映像表現を多用した所、16mmの自主製作作品の雰囲気を持った(フォーカスが甘い)映像が実に良い味を出していて、ノスタルジックな世界に引きずり込まれる。また、特撮のレベルは、やはり'80'sと言った所である。

劇中に出てくる「桃栗三年柿八年」ということわざは誰もが知っているであろうが、この後に「柚は九年で花盛り」「枇杷は九年でなりかねる」「梅は酸いとて十三年」「柚は遅くて十三年」「柚の大馬鹿十八年」等が続けて言われることは意外と知られていない...

物語は、高校生の芳山和子は、放課後、掃除当番で残っていると、実験室から物音がしてそれを見に行く。床に落ちたフラスコから白い煙とラベンダーの香り。それ以来、和子は不思議な体験をするようになった...

本作での原田知世は、演技の点ではまだまだである(本作はそのことを問うような作品では無い。)が、それが逆に淡い恋ということを上手く表現していて、作品としたらなかなかのものである。(後に、何本かのTV作品があるが、やはり原田知世の本作が一番である。→ふと思ったのは、夏帆ポン主演でリメイクするのならば、ちょっと見てみたい気がしますが、それ以外はどうも...)

良くも悪くも、本作は原田知世を見るための作品である。主題歌までも歌うというのも'80's作品らしい所である。(何だかんだで'80'sという時代に、現在まで続くアイドル映画のフォーマットが固まりました。)ハマればハマる作品であって、あらゆる点で'80'sという時代を反映した作品で、'80's文化を象徴している作品でもある。'80's文化に触れるのであれば、本作を避けて通ることはできません。

PS.丹羽P殿、夏帆ポン主演で本作のリメイク、考えてみてくれませんか?(いや、単なるリメイクでは面白く無いし...)

 

時をかける少女

時をかける少女

  • 出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画
  • 発売日: 2006/10/20
  • メディア: DVD

時をかける少女

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  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 1994/11/18
  • メディア: CD

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