「宮本武蔵」(その8) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローの第7弾として記している「宮本武蔵」も今回が最終回です。今回は1973年の松竹が製作した作品(タイトルは「宮本武蔵」)を取り上げる。本作で武蔵を演じたのは高橋英樹であり、田宮二郎が佐々木小次郎を演じている。
作品データを記しておくと、1973年の松竹の作品であり、時間は147分である。原作は吉川英治、監督は加藤泰、脚本は野村芳太郎と山下清泉の2人、撮影は丸山恵司、美術は森田郷平、音楽は鏑木創である。そして出演は、高橋英樹、田宮二郎、倍賞美津子、松坂慶子、仁科明子、佐藤允、細川俊之、浜畑賢吉、笠智衆、石山健二郎、有島一郎、フランキー堺、任田順好、たちである。
この作品は2部構成となっていて、第1部は関ヶ原の戦いで生き残った武蔵が剣の道に進み、吉岡道場の一同を倒す物語、第2部は佐々木小次郎と出会い、巌流島の戦いまでということで、原作の長編小説を映像化しているが、三船敏郎主演の東宝三部作、中村錦之助主演の東映五部作を見た後では、どうしても物語を大幅にカットしているという印象を持ってしまうのは仕方のない所である。(何せ、時間は、東映五部作の9時間半、東宝三部作の5時間に対して、本作は2時間半弱ですからね... 最初から無理があると思うのも当然でしょう。)しかし、その分、割り切ったところがあって、武蔵の青春ドラマというテイストに仕上げているところはポイントである。
でも、小次郎の登場シーンが少ないというのも割り切りの一つでしょう。そんな中、本作の武蔵は人間としては弱い部分を持ったキャラとして描かれているが、これは修行する部分が少ないことから、ある意味上手くまとめていると言うことが出来る。
「宮本武蔵」の物語のダイジェストという位置づけで見るのが良いでしょう。尚、東宝三部作、東映五部作を未見の方は、先にこちらを見ておいた方が良いでしょう。(筆者はこちらが後になったため、不満点がいっぱいありましたので...)
↓DVDではなくてビデオです。
↓原作
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