「ISHTAR」 [映画(洋画)]
表題の作品は1987年の映画「イシュタール」である。フランスからI.アジャーニを招き、W.ベイティとD.ホフマンという2大スターを起用した冒険コメディ作品である。が、本作の出来は散々たるもので、この3人にとっては俳優人生において汚点となっている作品でもある。実際、本作はゴールデン・ラズベリー賞において、ワースト作品賞、ワースト監督賞、ワースト脚本賞にノミネートされて、その中からワースト監督賞を受賞することになった。また、当時はI.アジャーニとW.ベイティとの間に恋の噂が上がり、映画よりもそちらの話題の方で名前が知られることになった作品である。(9/25に最終回を迎えたTVドラマ「週刊赤川次郎」の内容がボロボロで救いようもない作品だったということで、この作品を思い出しました。)
映画データを記しておくと。時間は109分、製作はウォーレン・ベイティ、監督と脚本はエレイン・メイ、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はデイヴ・グルーシンである。そして出演は、ウォーレン・ベイティ、ダスティン・ホフマン、イザベル・アジャーニ、チャールズ・グローディン、ジャック・ウェストン、テス・ハーパー、キャロル・ケイン、アーロン・イペール、アーサー・ブラウス、たちである。
I.アジャーニに取っては久しぶりのアメリカ映画への出演となり、本人は楽しんでいる様であるが、演出が彼女の良い所を引き出せていないのが残念でならない。
物語は、売れないシンガーとソングライターであるライルとチャックは儲け話に飛びついた。それはモロッコと国境を接したイシュタールという北アフリカの王国へ向かう。が、そこで二人を待っていたのは、謎の美女と、各国の諜報員たち、そして彼らを神の使者と勘違いした現地の首長たちであり、二人はスパイ合戦に巻き込まれてしまった...
ドタバタ・コメディとしての狙いは悪くないのだが、脚本自体に冴えが無く、出演者が空回りしていて、評価も散々なものになるのも良く分かってしまいます。特にドタバタ・コメディは、傑作と駄作が紙一重という所もあり、どっちに転ぶか分からないという所もあるとはいうものの、主役のコンビに冴えがないのは致命的ですね。一方、I.アジャーニは母国を離れてのびのびと楽しんでいて良い味を出そうとしているのだが、演出がそれについて行ってないのが残念でならない。
筆者はコメディ作品は結構好きな方であるが、本作は1回見たらもう十分というものであって、今更ながら改めてもう一度見ようという気にはなりません。「週刊赤川次郎」もそうであるが、こういう失敗作と言われる作品は、何処がダメだったのかを学ぶためにも、1回だけ見ておいたら、という作品である。(「週刊赤川次郎」に携わったスタッフには、本作からは学ぶ所はたくさんあります。)特に映画関係の道を目指しているという方には、本作を見ておいて学んでおいたら、後々役に立つのではないかと思いますよ。
↓DVDは無し、ビデオです。
↓I.アジャーニ出演のアメリカ映画と言えば、やっぱりこれです。
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