I AM SAM(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は2001年の映画「I am sam アイ・アム・サム」である。この作品はビートルズ・ナンバーを全編に散りばめながら、自分の娘の親権を取り戻すために戦う男の姿を描いた人間ドラマである。ストーリーも良いが、それ以上に使われている音楽がたまらなくなってしまう。曲はビートルズ・ナンバーであるが、ビートルズのオリジナル曲ではなくて全てがカヴァー曲である。オリジナル曲の盛っている世界も素晴らしいが、「名曲はいつの時代でも名曲である」というように、カヴァー曲の方も素晴らしいものである。ということで、音楽に力を入れてみておきたい作品である。
作品データを記しておくと、時間は133分、監督はジェシー・ネルソン、脚本はクリスティン・ジョンソンとジェシー・ネルソンの2人、撮影はエリオット・デイヴィス、音楽はジョン・パウエルである。そして出演は、ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニング、ダイアン・ウィースト、ロレッタ・ディヴァイン、リチャード・シフ、ローラ・ダーン、ブラッド・アラン・シルヴァーマン、ジョセフ・ローゼンバーグ、スタンリー・デサンティス、ダグ・ハッチソン、ロザリンド・チャオ、ケン・ジェンキンス、ウェンディ・フィリップス、たちである。
物語は、7歳の知能しか持たないサムは、娘のルーシーと一緒に暮らしていたが、ソーシャルワーカーが7歳になったルーシーを養育していく力がサムには無い、と判断し、二人は引き裂かれることになってしまった。サムは大事な娘を取り戻すために、裁判でルーシーの親権を取り戻そうとするが...
注目のビートルズ・ナンバーを収めたサントラ盤の収録曲は以下の全17曲である。尚、曲名の後の括弧内はその曲を演奏しているアーティスト名である。『Blackbird』(SARAH McLACHLAN)、『Two Of Us』(AIMEE MANN AND MICHAEL PENN)、『I'm Looking Through You』(THE WALLFLOWERS)、『Across The Universe』(RUFUS WAINWRIGHT)、『Strawberry Fields Forever』(BEN HARPER)、『You've Got To Hide Your Love Away』(EDDIE VENDER)、『Mother Nature's Son』(SHERYL CROW)、『Lucy In The Sky With Diamonds』(THE BLACK CROWES)、『Golden Slumbers』(BEN FOLDS)、『Nowhere Man』(PAUL WESTERBERG)、『Let It Be』(NICK CAVE)、『Don't Let Me Down』(THE STEREOPHONICS)、『We Can Work It Out』(HEATHER NOVA)、『I'm Only Sleeping』(THE VINES)、『Help!』(HOWIE DAY)、『Revolution』(GRANDADDY)、『Julia』(CHOCOLATE GENIUS)。
音楽の方はビートルズのオリジナル曲に近いものであるが、ビートルズとは違うアーティストが演奏することでまた違った味わいも出てくる。そしてその曲が映画の雰囲気を上手く盛り上げている。ビートルズ・マニアにとったら本サントラ盤は邪道だと言うかもしれないが、オリジナル曲が素晴らしいからこそ、本サントラ盤が生まれたというのもまた事実である。本サントラ盤を聴いたら、ビートルズのオリジナル曲の方もしっかりと聴いて、それから映画の方も見ましょう。
それにしても、サントラ盤が優秀な映画は、物語としては今ひとつというのが多いのだが、本作はじっくりと人間ドラマを見せてくれていて、なかなか良い出来の作品である。（天才子役・ダコタ・ファニングも出演していますし...）
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