長い長い殺人 [ドラマ]
WOWOWが制作したミステリー、宮部みゆき原作のドラマ化作品である。あるひき逃げ事件を発端に、連続保険金殺人が起こり、容疑者となる男とその愛人がマスコミの騒動が繰り広げられる。事件を追う刑事と探偵。更には、事件の目撃者、犯人の財布の目線で事件の解決までを描いているということで、ちょっと面白い視点で描かれている作品であった。
登場人物の方も多く、様々な人々が絡んでくるということもあって、本編も約135分で見応えのある作品でした。監督は麻生学監督で、映画「千里眼」「着信アリ」などがこれまでの作品として知られているが、筆者としたら「ケータイ刑事 銭形舞」の8、9話も忘れることは出来ない。(8話はスイカップ、9話は心理学者。ともに「銭形舞」では傑作となる物語である。)
1つの章が約15分で次々と持ち主が変わるが、財布の目線から事件と事件に絡む人々が描かれていき、事件が複雑に絡んでいくことになる。その中で、最初はマスコミが「疑惑」として大騒ぎをして「犯人扱い」から、アリバイの証人が現れたら掌を返したように扱う所は、マスコミが大騒ぎをした「ロス疑惑」をはじめ、いくつかの事件が頭に浮かぶ。被害者に高額の保険金が掛けられていた、ということで大騒ぎをするマスコミに、テレビのワイドショーに出てくるコメンテイターなどが本当にいい加減なことを言っているところは現代らしいところでした。
また、マスコミに登場してくる「真犯人」と名乗る予備校生、そしてその報道に激怒する本当の真犯人という所は、WOWOW製作の映画「犯人に告ぐ」とは立場が違うものの、同じようなコンセプトであり、現在劇場公開中の「犯人に告ぐ」を見たら、「またか...」と感じないでもない。が、筆者は「犯人に告ぐ」はWOWOWの先行放送で見ているので、そういう印象は殆どありませんでしたが...
登場人物が多いということで、主要人物はともかく、そうでないキャラクターに関しては、人物描写が少なくて、突然豹変するという人物がいたが、この部分をもう少し描いていたら、よりドラマとしたら良かったのでは、と思うが、時間がより長くなり、2時間半を越えることになってしまうだろうから、それは仕方のない所でしょうね...
時間の方が少し長めであるが、時間のことは全く気にならない内容の高いドラマであった。ただ、残念だったのは、谷村美月、田中要次、佐藤めぐみの出番が少なかったというところでしょうか...
↓原作
↓麻生監督は「舞」だけしか関わっていませんが...
↓麻生監督ということで
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