「横溝正史シリーズ ~悪魔の手毬唄(全6話)」 [ドラマ]
WOWOWが放送している名作ドラマ「テレビ黄金時代」。そこで放送されている「橫溝正史シリーズ」。デジタル先行放送の方では4つ目のエピソードとなる「悪魔の手毬唄」(本放送は1977年)がようやく終了したので、それについて記します。
それにしても、この放送は随分と時間がかかったものである。全6話ということで、7つあるエピソードの中では最長の全6話であるのだが、初回が9/10に放送されたが、9/17と9/24と2週連続してお休み、更に、第2話が10/1に放送されたが10/8はまたもお休み、ということで、間に3週間もお休みがあって、9週間もかかったためである。(お休みになったのはいずれもが祝日/休日ということで、月曜の祝日がやたらと多くなったものです。)
ちなみに、この物語は、1961年には東映東京が、高倉健の金田一耕助で映画化しており、1977年には東宝が石坂浩二の金田一耕助で映画化されている。
前者は、84分の白黒作品で、監督は渡辺邦男、脚本は渡辺邦男と結束信二、撮影は渡辺孝、音楽は山田栄一、出演は、高倉健、北原しげみ、小野透、永田靖、大村文武、志村妙子、不忍郷子、八代万智子、たちである。
後者は、144分の作品で、監督は市川崑、脚本は久里子亭、撮影は長谷川清、音楽は村井邦彦、出演は、石坂浩二、岸恵子、若山富三郎、仁科明子、北公次、永島暎子、渡辺美佐子、草笛光子、頭師孝雄、高橋洋子、原ひさ子、川口節子、 大羽五朗、潮哲也、たちである。
それ以外でも2時間ドラマで何度か映像化されているが、WOWOWが放送したものは、1時間ドラマ枠で全6話ということで、トータル時間は280分を越えている。(2話以降の前回までのあらすじとか、各回のED主題歌を省いたとしても、4時間半弱になる。)
時間がたっぷりあるということで、映画版(ここでは1977年の石坂浩二主演作のことを指している。)と比べると、人物描写がしっかりしていることと、展開がゆっくりとしていること、脇道に逸れる部分が加わっていることなどが挙げられる。特に、前半の各話では、毎回一人ずつ殺されていくという展開で、まだまだ事件は続き、先は長いということを感じさせてしまい、ちょっと白けてしまう所もある。これはお約束の展開で物語が進んで行くということで、ある意味では安心できるが、展開が規則的になってしまい、物語にメリハリが無くなってしまう所でもある。トータルで4時間半を越す作品というのは長すぎる。全4話か、長くても全5話、時間としたらせいぜい200分ぐらいに纏め直した方が良いように思う。
とはいっても、時間がたっぷりあることで、人物描写はしっかりしているので、じっくりと楽しむにはもってこいである。で、このTVシリーズを見ると、映画版の方は約半分の時間と言うことになってしまうということもあって、かなり整理されている、という印象も生まれる。(冗長的菜部分も確かにありますけど...)
物語の方は、岡山県・鬼首村で、次々と起こる奇怪な殺人事件は、手毬唄に歌われている歌詞をなぞるように行われていることに気づく金田一。が、第3の被害者は手毬唄とは違っていた... 金田一耕助はこの事件の真相を暴くことが出来るのか?ということで、筋は映画版と変わることはないのだが、最終回の第6話は1回かけての解決編ということになっているので、見る方にしたらとても親切に感じる所もある。とは言っても、真犯人が誰なのかを引っ張って引っ張って、もったいぶっている所が何とも言えないところでもありました。
そして、このTVシリーズには、今や伝説の女優になっている夏目雅子さんで出演しているということで、これだけでも十分に見る価値はある。アナログWOWOWの方(金曜の朝9:30から放送)でもすでに第2話までの放送が終わってしまったが、それでも残り4話あるので、これからでも遅くはありませんよ。
来週からは、第5のエピソードとなる「犬神家の一族」となり、これは全5話である。よって、次は12月の2週目に終了することになるので、その時に記します。
↓本作のDVDは3話ずつ2巻に別れています。
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↓原作本関係
↓夏目雅子さん関係
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