「男の紋章」(その3) [映画(邦画)]
今回は、全10作の本シリーズの物語が第2部に突入したことになるシリーズ第4作についてである。タイトルも「新」の文字が入り、装いも新たに、と言うことが分かる。(シリーズ中の全10作で「新」の文字がタイトルに含まれているのは本作だけである。尚、1967年に新シリーズを立ち上げると言うことで製作された「新・男の紋章 若親分誕生」という作品があるが、これは扱い上はシリーズ作品に含めない。)ということで、シリーズも2年目に突入した1964年のシリーズ第4作「新・男の紋章 度胸一番」
まずは作品データを記す。1964年の日活作品で、時間は101分である。監督は滝沢英輔、脚本は甲斐久尊、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎、である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、轟夕起子、山本陽子、小池朝雄、安部徹、近藤宏、桂小金治、弘松三郎、佐々木孝丸、たちである。
第2部は監督が松尾昭典から滝沢英輔に変わり、音楽も鏑木創から小杉太一郎に変わるというように、スタッフの入れ替えが行われた。物語は、前作で母・きよと和解した竜次は、軍医として中国戦線に赴き、一段と成長して帰国しての物語である。(本作でも高橋英樹が若いのは前作までと同じである(40年以上も昔の作品だから、当然と言えば当然ですが...)が、少しは貫禄も出てきている。)
竜次は中国戦線で部下だった流れやくざの虎鮫を連れて帰国してくる。しかし彼は自宅には帰らずに、戦友であり戦死した清村組の一人息子の遺品を届けるために清村組にやってくる。で、組は請負っている帰国兵舎工事の資金を持逃げされて困っていた。そんな窮状を知った竜次は請負の代人を買って出る。で、動き出す竜次だったが、裏で糸を引いていた徳三という男は、母・きよの義理の弟であり、自分にとっては叔父に当たる人物と知って愕然とするが...
物語の時代が時代であって、大陸に進出して、ということが絡んだ物語であり、物語のスケールが大きくなっているのだが、叔父と対決するクライマックスの決着の仕方がちょっとというものになっているのが残念なところであった(徳三の最期は良いんだが、敵わないと知ると逃げて行くというのがねぇ...)が、渡世人としての竜次の姿に一段と貫禄が出てきたという所は良い所であって、次作以降にも期待が繋がるところである。(それにしても、どうして本作がソフト化されないのか、文句を言いたい所である。)
シリーズ1作目がビデオ化されているだけというのは...
↓高橋英樹出演作をいくつか
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