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「男の紋章」(その6) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローの第12弾として記している「男の紋章」シリーズも、今回が最終回となる。で、取り上げるのは残っている1965年に製作された4本の後ろ2本です。尚、1967年に、本シリーズの後を受けて、新たなシリーズとして「新・男の紋章 若親分誕生」という作品が高橋英樹の主演で製作されているが、これは主人公も別のキャラクターであり、これ1本のみということもあって、「男の紋章」シリーズには加えられない。(よって、今回は取り上げません。)

シリーズ第9作男の紋章 俺は斬る
作品データを記しておくと、1965年の日活作品で、時間は84分である。監督は井田探、脚本は甲斐久尊、撮影は萩原泉、美術は柳生一夫、音楽は鏑木創である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、和田浩治、高品格、大泉滉、郷えい治、小林重四郎、長内美那子、弘松三郎、波多野憲、大町文夫、菅井一郎、宮坂将嘉、野呂圭介、雪丘恵介、加原武門、河野弘、鴨田喜由、松下達夫、轟夕起子、小池朝雄、桂小金治、島田正吾、たちである。

物語は第3部のパターンである修業先での物であるが、今回はシリーズの中でも最大の転機が訪れることになる物語である。(母・きよの死)→遂にこれをやりました。

竜次は旅修行を続けていた。竜次を慕う子分の虎鮫と辰は、竜次を追って旅から旅へと流れ歩いていて、ある町で竜次の噂を耳にする。で、その土地の親分・紋二郎を訪ねる。が、その竜次はニセモノだった。竜次本人は名前を隠して木津原組で修業をしていた。で、女郎が逃げ出すということが起こり、これに対処している内に竜次は親分に正体を見抜かれる。病床の親分は竜次に名代を頼み、事態を解決する。そんな中、村田組の代貸し・佐平次がやってきて、大島組の絹張りを奪おうとする新興勢力・相野田組のために実母・きよが殺されたことを伝えた。これに竜次は飛んで帰り、単身で相野田組に乗り込んでいく。

前半はいつもの調子であるが、その一山を越えた後から一気に物語は急変することになる。その後の展開も今まで通りとはいうものの、肉親の仇ということになると、緊張感が違ってくる。シリーズ第1作から見ていれば、本作の後半は見逃せない所である。

シリーズ第10作男の紋章 竜虎無情
作品データを記しておくと、1965年の日活作品で、時間は87分である。監督は松尾昭典、脚本は甲斐久尊、撮影は萩原憲治、美術は小池一美、音楽は鏑木創である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、小池朝雄、西尾三枝子、佐々木孝丸、谷村昌彦、宍戸錠、清水元、佐々木すみ江、亀山靖博、富田仲次郎、たちである。

前作からの続きの物語で、母・きよの仇を討ったことで刑務所入りをした竜次。それによって大島組の縄張りは芝浜組に荒らされることになり、晴子は芝浜に借金の形として体を狙われることになる。子分の辰や鉄也は芝浜組に殴り込みをかけた。そんな所に出所したばかりの竜次が応援に駆けつけた。で、事情を知った竜次は芝浜組と対決することを決意する。また、組の再建にも力を注ぐ。やがて、昔の子分たちも戻って来て組は再建される。そんな所に、竜次を目の敵としている風来坊の虎が姿を現し、大島組と芝浜組の抗争を煽る。で、立ち上がる竜次...

シリーズ最終作ということで、展開は今までの作品群と基本的には同じであるが、完結編となるために、おまけと言えば言葉は悪いが、クライマックスを飾るイベントが用意されている。それは竜次と晴子との結婚である。ということで、竜次の人生においても一つの区切りをつけることになる物語である。

本シリーズは全10作であるが、途中の一部の作品はどうでも良いようなものもあるが、今回取り上げた2本は、シリーズのクライマックスを迎えると言うことで、共に見ておきたい作品である。(但し、途中までの物語はどうでも良いような気もしますが...)本シリーズがここで幕を閉じたのも、シリーズ作品の特徴である「お決まりのパターン」に完全にハマってしまい、そこから脱却することが出来なかったためということも分かるが、一応は10本も製作されたシリーズの最後であるので、ここは見ておいた方がいいでしょう。でも、編集して全10作を4時間程度のものにまとめても良いのでは、という所もある。任侠映画と言えば東映というぐらいであるが、この辺りは任侠映画に関しては本シリーズしか持たない日活らしい所も随所にあった作品でもある。それにしても、ソフト化を進めて貰いたい作品の一つでもある。(考えてくださいよ、日活さん。)

 

↓シリーズ第1作のみがビデオでリリースされています。

男の紋章

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 1991/03/08
  • メディア: ビデオ

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