「忍びの者」(その4) [映画(邦画)]
市川雷三主演の人気シリーズ「忍びの者」について記しているが、今回は、前作の続きである霧隠才蔵を主人公とした2本目の作品についてです。
シリーズ第5作「忍びの者 続・霧隠才蔵」
作品データを記しておくと、1964年の大映作品で、時間は92分である。監督は池広一夫、脚本は高岩肇、撮影は牧浦地志、美術は西岡善信、音楽は池野茂である。そして出演は、市川雷蔵、藤由紀子、藤村志保、城健三朗、小沢栄太郎、小林勝彦、五味龍太郎、たちである。
物語は前作の続きからである。大阪夏の陣で大阪城は落城した。炎の中に消えたと思われた霧隠才蔵は真田幸村を助けて、小舩で大阪城を抜け出すと、海上に襲う服部半蔵ら徳川方の忍者たちの追撃を退けて、九州薩摩の島津家へ落ちのびた。島津の当主家久や隠居義弘らは、幸村を島津の勇武に加えることを喜び、打倒徳川の機会を伺う。が、この動きが駿府の家康に洩れる。才蔵は秘に探索の手を伸ばし、自源流師範・海江田一閑斎や茶の宗匠・宗全らが徳川方の隠密であることを見破る。才蔵に対決を迫られた2人だったが、わが身を恥じて自殺する。また、家康は島津家の陰謀を知ると激怒して、服部半蔵に、幸村と才蔵を討伐するように命じた。家康の動きを知った幸村と才蔵は種子島に潜入して鉄砲製造の秘法を探ろうする。そこで才蔵は浜に打ちあげられた若い女・あけみを助け、島の天守堂の神父に預ける。が、あけみは大阪で才蔵に殺された忍者武部与藤次の娘であり、家康に通じていた。あけみの情報によって幸村と才蔵が島津の被護下にあることを知った家康は、家久に2人を駿府へ送り届けるように厳命した。幸村は才蔵、あけみらと別れの宴を行うが、宴席の途中で家康方の忍者が襲ってくる。鉄砲で狙われた才蔵の危機を救ったあけみだったが、翌朝、服部半蔵に裏切りの責めを問われてあけみは殺された。また、幸村は事態は悪くなる一方で、早くも陰謀の壊滅を悟り、自害する。才蔵は復讐に燃えて、単身で駿府城の家康の間に忍びこみ、毒針を吹きつけるのだった。やがて家康は世を去った。
史実とは違った展開で物語は進んで行くが、特に違和感は感じない。忍者たちのアクションはなかなか見所がある。史実を忘れて娯楽作品として堪能するのが良い作品である。
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2002/09/26
- メディア: DVD
↓まもなく再発されます。
コメント 0