「REDS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1981年の映画「レッズ」である。この作品はロシア革命に立ち合い、歴史的なルポルタージュである『世界をゆるがした十日間』を著したジョン・リードの生涯を描いた伝記映画である。3時間を越える大作としてたっぷりとジョン・リードを描いている。
尚、現在だったら「レッズ」と言えば、サッカーの浦和レッズや、アメリカ大リーグのシンシナティ・レッズのことを思い浮かべるかも知れないが、それらではなく、「共産主義者」という意味である。(20世紀の歴史を紐解けば、この言葉は20世紀の社会では重要なキーワードでもあります。)
作品データを記しておくと、時間は196分、製作総指揮はサイモン・レルフ、製作、監督、脚本、主演の四役をウォーレン・ベイティが務めた。(脚本はウォーレン・ベイティとトレヴァー・グリフィスの共同執筆である。)撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はスティーヴン・ソンドハイムとデイヴ・グルーシンである。そして出演は、ウォーレン・ベイティ、ダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン、エドワード・ハーマン、イエジー・コジンスキー、ポール・ソルヴィノ、モーリン・ステイプルトン、ニコラス・コスター、ジーン・ハックマン、ウィリアム・ダニエルズ、マックス・ライト、M・エメット・ウォルシュ、イアン・ウルフ、ベッシー・ラヴ、ジョージ・プリンプトン、ドルフ・スウィート、ジョセフ・ソマー、R・G・アームストロング、たちである。また、アカデミー賞では、モーリン・ステイプルトンが助演女優賞を獲得し、監督賞と撮影賞の3部門を獲得している。
ハーバード大学を卒業してジャーナリストの道に入ったジョン・リード。第一次世界大戦の時にヨーロッパで火の手が上がった国際労働者同盟の闘争に接した彼は、この時初めて政治運動に目覚める。アメリカがこの戦争に参戦すべきかどうかと議論される中、彼は「断固反対」の態度をとり続けていて、雑誌『民衆』にも寄稿を続けていた。そんな彼は人妻であるルイズ・ブライアントと知り合った。彼女は女性解放問題を抱えていた。2人は互いの立場を尊重しあうという合意の下で同棲生活に入る。ジョンは一段と反戦運動に力を入れるようになり、ルイズと共に革命勃発直後のロシアに渡る。そして彼は目にした革命の熱気と興奮を『世界をゆるがした十日間』という体験記として記す。この書はセンセーショナルな話題となるが...
本作を見るには、ロシア革命とその後の共産主義に対する弾圧の歴史までも知っておいた方が良いのは言うまでもない。時間も3時間を越える作品であるだけに、見ようとするのには気合いが必要となる。が、そういう堅苦しいことを忘れて、ロシア革命などについて知らなくても、社会運動に参加する男女の愛のドラマとして堪能することは十分可能である。(で、そこからロシア革命などについて学んでいけばよい。)肩肘を張らずに気楽な姿勢で見るのも悪くはない作品である。(が、見たら、ロシア革命についてだけでも学習するのをお忘れなく。)
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