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「ガメラ」(その4) [映画(邦画)]

今回は、WOWOWの全12作HV一挙放送の5日目に放送されたシリーズ第5作と第6作の2本です。この時期になると、何でもありのおもちゃ箱をひっくり返したような内容のお笑い怪獣映画の様になっていて、笑いながら楽しむ作品になったと言って良い。特にこの2本は、アポロが月に向かって計画が着々と進行していた1969年と、大阪万博に湧く1970年という、当時の世相を上手く取り入れた作品となっているのが特徴である。が、家族みんなで楽しめる作品となったら、やっぱりバラエティ路線になってしまうということですかね...?

シリーズ第5作ガメラ対大悪獣ギロン」(1969年)
作品データを記しておくと、1969年の大映作品で、時間は82分である。製作は永田秀雅、監督は湯浅憲明、脚本は高橋二三、撮影は喜多崎晃、美術は井上章、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、加島信博、秋山みゆき、クリストファー・マーフィ、笠原玲子、甲斐弘子、大村崑、イーデス・ハンソン、浜田ゆう子、船越英二、夏木章、中田勉、たちである。

ある日、謎の空飛ぶ円盤が飛来した。それを見た明夫とトムは翌日、円盤が着陸した場所に行き、中へ入る。遊んでいる内に飛んだ円盤はそのまま2人を連れ去っていく。途中、隕石にぶつかりそうになるが、ガメラが救ってくれたが、謎の惑星に連れ去られてしまう。到着したのは地球と同じ軌道上にあり、地球と太陽の反対の位置にある第10惑星テラだった。テラではギャオスが暴れていて破壊の限りを尽くしていた。そこに登場した大悪獣ギロンはギャオスを撃退、翼を切り落とし、首をはね、胴体を輪切りにしてしまう。(残虐な怪獣退治シーンです。)そんな中、明夫とトムはバーベラとフローベラと名乗るテラ人に助けられるが、テラ人の目的は2人を食べることだった。そんな中、ガメラが現れ、2人を助けようとするが、立ち塞がったギロンの前に敗北、海に沈んでいった...

ガメラが踊ったり、鉄棒をするというコミカルな動きをするなど、お遊び精神に満ちた作品である。低予算作品の特徴である登場人物を絞るということを行い、過去作品の一部のシーンをそのまま使うということも行っているのも特徴である。ツッコミ所満載の一本である。ところで、本作製作当時は「冥王星」が惑星から外されるということになるとは夢にも思わなかったでしょうね...

シリーズ第6作ガメラ対大魔獣ジャイガー」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の大映作品で、時間は83分である。製作は永田秀雅、監督は湯浅憲明、脚本は高橋二三、撮影は喜多崎晃、美術は井上章、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、高桑勉、ケリー・バラス、キャサリン・マーフィ、炎三四郎、平泉征、八代順子、大村崑、フランツ・グルーベル、マーリズ・ヘリー、夏木章、北城寿太郎、槇俊夫、小杉光史、仲村隆、隅田一男、田中三津子、佐伯勇、チコ・ローランド、たちである。

大阪万博とタイアップした作品であり、万博についての説明があるのは時代を反映した所である。また、映画「ミクロの決死圏」(1966年作品)のネタを使ったガメラの体内に入っていくという遊びもあるのは楽しい所である。

大阪万国博覧会に、ウェスター島にある「悪魔の笛」と呼ばれる巨大石像が展示されることになり、それを会場に運ぼうとするが、島の文化使節ギボーは祟りがあると言って強硬に反対する。それを無視して運搬作業が行われる中、ガメラが現わ、運搬作業を妨害する。そんな中、火山が噴火して火口にガメラが向かった隙に石像を運び出した作業班。石像からは不気味な音が鳴り響く。作業班が去ったウェスター島では、地中からジャイガーが復活し、ガメラとの死闘が展開される。ジャイガーの放った矢で身動きが取れなくなるガメラ。ジャイガーは石像を追って日本へ向かう。大阪に現れたジャイガーは町を襲う。そんな中、自力で矢を抜いたガメラが大阪に現れ、ジャイガーと一騎打ちに。ジャイガーはガメラの体内に卵を産み付け、ガメラは動けなくなってしまう。そこに、弘とトミーの乗り込んだ小型潜水艇がガメラの体内に入っていく。体内ではジャイガーの幼虫が孵化していて、襲われるが、二人が持っていたトランシーバーを嫌がるジャイガーの幼虫。そこからジャイガーを倒すヒントを得たジャイガー対策本部。幼虫を退治したことで復活したガメラは...

「ガメラは子供の味方」ということで、子供のアイデアが次々と採用されて実行されていく展開は同じである。特に、大人たちが科学的な理屈もなく持論を口にしていて、子供のアイデアに(無茶な)理論付けを行っている所はシニカルに考えたら面白い所である。久しぶりに製作費もかけられたということで、登場人物も多くなり、「万博」というお祭りに合わせた「お祭り」的な楽しい1本である。

今回の2本は、「娯楽作品」としては楽しい作品であるが、科学的な設定に関しては頭を抱えたくなるようなお粗末さである。そのため、作品が語ろうとしているメッセージについては全く重みが無くなっている。製作から40年弱という時間が流れた現在、そのメッセージの先見の明がある所は越猪に評価できるだけに、ちょっと残念な所である。が、ツッコミ所満載のお笑い作品のつもりで楽しむのが良さそうです。

 

ガメラ対大悪獣ギロン

ガメラ対大悪獣ギロン

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

ガメラ対大魔獣ジャイガー

ガメラ対大魔獣ジャイガー

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD
ガメラ THE BOX 1969-1980

ガメラ THE BOX 1969-1980

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2001/11/28
  • メディア: DVD

↓参考まで
インスタント・フューチャー―大阪万博、あるいは1970年の白日夢

インスタント・フューチャー―大阪万博、あるいは1970年の白日夢

  • 作者: イルドーザー
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: ペーパーバック
EXPO’70

EXPO’70

  • 作者: 中和田 ミナミ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2005/06/17
  • メディア: 大型本
公式長編記録映画 日本万国博

公式長編記録映画 日本万国博

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: DVD

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