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「多羅尾伴内」(その3) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ第2作から第4作までの3本についてです。いずれもが制作から60年を越える作品ということで、色んな点で現在とのギャップがあるが、逆にそれが空想世界の作品ということを強くアピールしていて、楽しくなってくる。また、ツッコミ所も満載である。また、ここまでの作品には、いずれもタイトルに「多羅尾伴内」の文字が入っていない。第4作が制作された後、5年のブランクがあって復活し、そこから「多羅尾伴内シリーズ」という文字がタイトルに入ることになる。

シリーズ第2作十三の眼」(1947年)
作品データを記しておくと、1947年の大映京都の制作作品である。時間は77分の白黒作品である。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は石本秀雄、音楽は白木義信である。そして出演は、片岡千恵蔵、喜多川千鶴、由利みさを、斎藤達雄、奈良真養、美奈川麗子、たちである。

物語は、刑事殺害事件が発生。その捜査に多羅尾伴内が乗り出していく、というストーリーである。変装が得意な多羅尾伴内であるが、色々と見せてくれる。(見たら伴内だと直ぐに分かると思うのだが、それが何故分からないの?というのはお約束である。)

シリーズ第3作二十一の指紋」(1948年)
作品データを記しておくと、1948年の大映京都の作品で、時間は84分の白黒作品である。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は石本秀雄、美術は角井平吉、音楽は白木義信である。そして出演は、片岡千恵蔵、喜多川千鶴、日高澄子、大友柳太郎、美奈川麗子、高田稔、たちである。

ある女性を送り届けた藤村大造は男の惨殺死体を発見する。そして21の指紋が発見された。警察に通報し、自らも謎を追っていく。やがて麻薬密輸団の存在を知った...

お馴染みの(誰が見ても正体は分かってしまうという)変装をはじめ、ツッコミ所満載というのは楽しい所である。

シリーズ第4作三十三の足跡」(1948年)
作品データを記しておくと、1948年の大映京都の作品で、時間は75分、白黒作品である。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は石本秀雄、美術は角井平吉、音楽は服部良一と深井史郎の2人である。そして出演は、片岡千恵蔵、木暮実千代、喜多川千鶴、月形龍之介、杉狂兒、大友柳太郎、服部富子、暁照子、藤井貢、山本礼三郎、進藤英太郎、たちである。

正月興行を間近に控えた太陽劇場で、鶴十郎の幽霊が出たという騒ぎが起こる。それは10年前に起こった人気役者・嵐鶴十郎がその劇場の楽屋で自殺をし、その幽霊だというものであった。劇場で背景係として首になった多羅尾伴内は建築技師として劇場に乗り込んでくる。そんな中、連続殺人事件が起こり、捜査を開始する伴内は...

これまでの作品と少し違うのは、ある劇場を中心として事件が起こり、それを中心として物語が進んで行く、というところである。相変わらずのツッコミ所満載ということで、やっぱり楽しくなってくる作品である。

兎に角、今回記した3作品は、色々とツッコミ所があり、それだけでも楽しくなる。現在のCGに頼った映像もそれなりの良さはあるが、手作りという雰囲気に満ちていて、こういう作品もまた娯楽作品としては大いに楽しむことが出来る。(特に「ケータイ刑事」には通じる所があるということを感じる。)時間的にも少し長めの中編ということなので、見やすい所がある。一度は目を通して貰いたい作品群である。

 

 

十三の眼

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多羅尾伴内―七つの顔の男

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