恋する日曜日・3rd.15話「明日の笑顔」[追加版] [ドラマ]
筆者のお薦め作品の時のみ、「[追加版]」として記しているMBSの放送の「恋日・3rd.」。今回は、多聞チルドレンの一人であり、「恋日・ニュータイプ」の南沢奈央ちゃん主演の物語である。BS-iの本放送時には、途中で「地震速報」というテロップが出たということで、それのないものをようやく見ることが出来ました。(地震速報を出すのは、放送法で定められているので仕方のないことです。→これに関して文句を言う人がいますが、そういう人は放送法を知らないということを晒しているだけである。また、そういう文句を言うのなら、テロップを出すのを一切禁ずる、というように放送法を変えるように運動するべきである。そういう運道をしないで文句だけ言っているのは、自分が如何に無知であるかを晒しているだけです。)
前回がコミカルな物語であったが、今回はシリアスな物語である。「いじめ」の問題について触れている所がポイントでもある。
それにしても、奈央ちゃんもやっぱり丹羽Pに見出された人材ですね。(これを「多聞チルドレン」と言う)本作放送時には地上波のドラマにも出演するようになり、その後は映画への出演もあり、確実に成長を遂げている。(美絵素四姉妹もありましたし...)
テーマ曲は「花の子ルンルン」からOP曲の『花の子ルンルン』。アニソンの女王であるミッチの歌う曲がようやく登場した事になった物語でもある。(コロンビア四天王としても初となりました。)また、「恋日・3rd.」では主演が歌うと言うことが少なかったが、本作では奈央ちゃんがしっかりと歌っていました。尚、BS-iの本放送時に記したものについては、ここをクリックしてご覧下さい。
物語の方は、BS-i本放送時に記したものを整理して、再度記しておきます。
高校2年生の佐久間里香(さくま・りか)。学童保育でボランティアをしている彼女は、今日もいつものように子供たちに囲まれて、一緒に遊んでいる。里香は子供たちに人気があり、慕われていた。そんな所に、若松亮介(わかまつ・りょうすけ)が父親に代わってパンを届けに自転車でやって来た。彼の父が階段から落ちて足を折ったので、亮介が届けに来たのだった。そんな亮介は一目で里香を気に入り「あの子、高校生ですか?」と尋ね、学童保育の和美先生が答えてくれる。里香は高校生であって、ボランティアで毎日来てくれていて、とても助かっている、ということだった。で、亮介は里香のことが気に頭から離れなくなった。
夜になり、残業で母親の迎えが遅れている小学生・明彦に付き合って、学童保育に残っている里香。和美先生は「里香ちゃん、もう遅いからあがって」と言うが、宿題がもうちょっとで終わるので、それを終えてから帰るという里香。和美先生は「お母さん、心配しない?」と言い、里香は「大丈夫ですよ。一応、電話入れておきますよ」と言って、携帯で家に電話を入れた。
そンな所に、亮介が自転車でやってきた、里香がまだ学童保育にいることを確認すると、笑顔を浮かべて学童保育にやってくる。「これ、今日の売れ残りのパン」と言ってパンを差し入れる亮介。で、笑顔でお礼を言う里香は昭彦に「明日、学校に持ってったら。仲良しのお友達にあげたら、みんな喜ぶよ」と言って明彦にパンを渡そうとする。が「いないよ」と言って明彦は暗い表情を見せた。「いないって?」と尋ねる里香。これに明彦は学校でいじめられていることを打ち明けた。「止めてって言ってる?」と言う里香だったが「言ったら止めてくれるの?」と明彦は返す。里香は「言わなきゃ何にも始まらないよ」と言って、いじめっ子に向きあうように説得する。「自分さえちゃんと強ければ、何されても怖くないんだよ。止めての一言で良いから思いきって言ってごらん」と勇気づける。明彦はその言葉に大きく頷いた。その様子を見ていた亮介は、里香のことが益々好きになるのだった。
そっと外に出た亮介は、自転車にまたがり、物陰からずっと里香が出てくるのを待っていた。やがて里香が学童保育から出てくると、「奇遇だね」と言って里香に話しかける。で、途中まで送っていくことにして、色々と話をする二人。
翌朝、登校する里香。しかし、学童保育にいる時のような笑顔はなく、暗い表情をしていた。そんな里香を見かけた亮介は「おはよう」と言って里香に話しかける。二人は同じ高校で、里香は2年生、亮介は3年生だった。色々と話しかける亮介だったが、里香は暗い表情のままだった。やがて、そんな里香を笑う3人の(里香の)同級生に出くわすと、里香は逃げるように学校に向かった。3人は里香をいじめていたのだった。
重い表情で教室に入る里香。一番前の席に座る里香だったが、さっきの3人組が里香の所にやってくると「あんた、何。さっきの態度」と言って絡んでくる。更に「こいつ、彼氏できたらしいよ」と言って冷やかされる里香。里香は下を見つめてじっと耐えているだけだった。
休み時間、階段を下りた里香は廊下で友達と一緒にいる亮介の姿を見かける。すると気づかれないように逃げる里香。公園で顔を洗い、じっと耐えている里香。
放課後。公園に一人でいた里香の携帯が鳴る。笑顔を繕って「は~い、里香です」と電話に出る。それは和美先生からの電話で、「あれっ?今日は入れないんだっけ?」というお呼びの電話だった。「ごめんなさい、ちょっと遅れちゃって。直ぐに行きます」と答える里香だったが、電話を切ると溜息をつく。が、鞄を抱えると「よ~し」と言って気合いを入れて学童保育に向かった。
学童保育では、明るい笑顔を見せている里香。今日は子供たちと一緒に縄跳びをして遊んでいた。その日の夕方。学童保育を出て家に向かっている里香に、自転車に乗った亮介がやってくると「良かったら食べて」と言ってパンの差し入れをする。お礼を言う里香だったが表情は曇っていた。亮介は「さっき、楽しそうだったね」と言うと「はい」と言って作り笑いを見せる里香。今朝のことを「すいませんでした。私、トイレ行きたくて...」と誤魔化す。亮介は「昨日の子、どうした?」と尋ねるが「言えなかったみたいです」と言う里香。が、「友達と待ち合わせしているんで」と言って逃げるように帰って行ったが、表情は曇ったままだった。
翌日、学校の休み時間。友達と廊下で戯れていた亮介は、体育の授業でジャージに着替えた里香が3人のいじめっ子に囲まれていじめられているのを目撃する。で、走って飛び出していく亮介。里香は地面に投げられて転んでいた。「お前ら、何してるんだ」と言って里香を庇う亮介だったが、3人は逃げるように体育館に入っていく。その間に立ち上がる里香。「大丈夫?」と里香を気遣う亮介だったが、里香は「別に...何でもないです」と言う。亮介は詳しく話を聞こうとするが「何でもないと言ってるじゃないですか」「関係ないじゃないですか」と言うと体育館に走っていった。
その日の放課後、暗い表情で下駄箱にやってきた里香は亮介の姿を目にする。「ちょっと話そうと思って」と言う亮介に、里香は「放っといて下さい」と言って逃げるように帰ろうとする。「俺は放っとけないよ」と亮介。里香は「西公園で待っていて下さい。一緒にいる所を見られたくないから」と言うと、学校を逃げるように出て行った。
暗い表情の里香が西公園にやってきた。既に公園に来ていた亮介は「よお」と声を掛ける。で、里香がイジメに遭っていることを知った亮介は「どうするの?」と尋ねるが里香は「波風建てないで欲しいんです」と言うも亮介をまともに見ることが出来ず「私は私なりに解決方法見つけたから、心配してもらわなくても大丈夫です」と亮介に背を向けて強がりを言う。これに亮介は里香の正面に回って「学童のボランティア?学校のことを誰も知らないから?楽しい場所だから?自分らしくいられる場所だから?それって違うんじゃねえの」と言う。が、里香は更に背を向けるだけだった。亮介は「子供に言ってることとやってること、全然違うんじゃない。それで子供に信じてもらおうなんて甘いんじゃない」「何で止めろって言わないんだ。それって逃げてるだけじゃん」と里香を説得しようとする。しかし「何も分からないくせに、勝手なこと言わないでください。学童にパンだけを届けてくれれば良いんです。余計なことをしないで下さい」と反発する里香。これに亮介は「あの子にイジメ負けるなって言ってたじゃん。自分が出来ないこと、子供に言うな」と里香に言う。
その日の学童保育。子供たちの勉強を見ている里香。が、時折浮かない顔をする。そんなところに「里香姉ちゃん、見て」と言って明るい表情で明彦がやってくると、里香を描いた絵を見せる。「凄い、有り難う」と言う里香だったが、やはり冴えない表情をしていた。
翌朝、やはり暗い表情で登校している里香。いじめっ子たちが里香の背中を叩いて笑いながら追い越していった。
その日の放課後、里香は公園に一人でいて、相変わらず暗い表情をしていた。そこに亮介がゆっくりと近寄ってくる。が、里香の携帯が鳴り、電話に出る里香。(和美先生からの電話です。)他の先生もおらず、直ぐに病院に行かなければいけないということで、里香に来て欲しいということだった。訳を尋ねる里香。「明彦が学校で怪我したらしい」ということで「直ぐに行きます」と答える里香。で、立ち上がって学童保育に向かおうとする。そこに亮介がやってきたが、里香は目を合わさないようにして、何も言わずに去っていった。亮介は何も言えずに見送るだけだった。
学童保育で一人子供たちを見ている里香。そこに左腕を吊っている明彦が和美先生と一緒に戻ってきた。「里香姉ちゃん」と言って里香の所に駆けてくる明彦。里香は事情を尋ねるが「でも俺、止めろって言ったよ。かかってきた奴らに止めろって、いっぱい手を振り回したらぶつけちゃったんだ」と言って里香に教えられたことをやったら勇気が出たと言う明彦だった。
翌日、教室に戻ってきた里香は自分の持ち物(本)に落書きが書かれていたのを発見する。更に下校しようとして下駄箱に降りてくると、いじめっ子3人組がそこにいて笑っていた。里香の姿を見ると笑いながら「じゃあね、バイバイ」と手を振って帰って行った。で、下駄箱を見た里香。靴には落書きがされていて、明彦が書いた里香の絵が丸められていて、更に落書きまで書かれていた。で、亮介の言葉を思い出した里香は走って3人組を追いかけていく。校門から飛び出した里香は3人組の姿を見ると、鞄を捨ててリーダー格の彼女に飛びかかる。すかさず「何するんだよ」と里香を睨みつけるが「そっちこそ何すんのよ。いい加減にしてよ!」と飛びかかる里香。で、取っ組み合いのケンカが始まる。そこに亮介も友達と一緒に校門から出てくるが、里香が争っているのを目にすると、側にやってくる。(が、手も口も出さずに見ている。)リーダー格は里香を押し倒すと「行こう」と言って去っていく。で、残りの二人も後を追って消える。地面に倒れた里香だったが、不思議な充実感を感じていた。そんな里香は亮介の視線に気づくと笑顔を見せた。
その日、学童保育で子供たちと「ダルマさんが転んだ」をしている里香。そこに亮介がパンの配達にやってきた。ということでおやつタイムになる。里香は亮介に「ちょっとだけ、勇気出してみた」と言う。この時の里香は暗い表情はなかった。これに頷く亮介は「俺も」と言うと「里香ちゃんのことが好きだ」と告白した。これに里香は少しテレながらも言葉は返せないでいた。そこに「ハハハハハ」と明彦の声。明彦はみんなの所に走っていくと「パン屋さんがお姉ちゃんのこと好きだって...」と子供の冷やかしを口にする。すると子供たちは亮介を追っていき「ふざけんな」そんな亮介と子供たちを目にした里香は笑顔で笑っていた。
休日。(ここで奈央ちゃんの歌う『花の子ルンルン』が流れる。)自転車で公園にやってきた里香。亮介も自転車でやってきた。で、笑顔で手を振る里香。二人はデートということで、楽しそうに自転車で並んで走っていた。
Aパートは18分弱、Bパートは8分強ということで、Aパートが長い物語でした。また、ラストのキャスト、スタッフのエンドロールの所では、2番を歌っていた奈央ちゃんでした。最後は「このドラマはフィクションです。ドラマのストーリーは、主題曲の作品とは一切関係ありません」という注釈テロップが出ました。
「恋日」にしたら珍しく、少し重くなってしまう「いじめ」という問題を取り上げているが、それが主題ではなくて、「恋」の物語が中心となる展開で進んで行くのは、やっぱり「恋日」である。「立ち向かって行く勇気」を持つこと。これは「いじめ」だけでなく、何事にも必要です。それを思ったら、やっぱり「恋日」らしい、幸せな気分になれるハッピーエンドの物語でした。奈央ちゃんの笑顔もいいですし...
次回の物語は第16話「ゴーゴーヘブン」という物語です。テーマ曲は「未来少年コナン」からOP曲の『いま地球がめざめる』です。「未来少年コナン」の伊波、OP曲である『いま地球がめざめる』も、ED曲である『幸せの予感』も登場するが、まずはOP曲の方の登場です。(ED曲『幸せの予感』は第18話「県境」でということになります。)主演は佐藤めぐみ、コミカルな物語ですが、やっぱりしっかりとした恋の物語です。で、それについても記す予定です。(その次は19話となる予定です。)
↓この物語はこれには収録されませんが...(BOX2に収録されるはず)
↓テーマ曲関係
東映アニメーション 魔女っ子ミュージック・サンプラー 1966~1981
- アーティスト: BGM集, 岡田恭子, スリー・グレイセス, 水森亜土, 堀江美都子, コロムビア・メールハーモニー, 増山江威子, 熊倉一雄, シンガーズ・スリー, 小野木久美子, TVサントラ
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1999/08/21
- メディア: CD
- アーティスト: テレビ主題歌, 富田耕生, 大杉久美子, 前川陽子, チャープス, 猪股裕子, 堀江美都子, ダイヤモンド・シスターズ, 野村眞子, 岡田恭子, 水森亜土
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1999/01/21
- メディア: CD
↓「いじめ」に対しての一つの回答はこの作品です。
↓「学童保育」に関して
変わる保育園―量から質の時代へ (岩波ブックレット (No.709))
- 作者: 普光院 亜紀
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
放課後の居場所を考える―学童保育と「放課後子どもプラン」 (岩波ブックレット NO. 701)
- 作者: 下浦 忠治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
「放課後子どもプラン」と学童保育―全児童対策事業との一体化・連携を探る
- 作者:
- 出版社/メーカー: 自治体研究社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
↓「ボランティア」に関して
マザー・テレサへの旅―ボランティアってだれのため? (学研のノンフィクション)
- 作者: 寮 美千子
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 1997/12
- メディア: 単行本
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