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「多羅尾伴内」(その5) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ第8作と第9作の2本です。この2本は共に「七仮面」という文字がタイトルに入っているが、これは多羅尾伴内の「七つの顔を持つ男」ということを意味していて、「○○仮面」というような敵が登場する訳ではない。1年に1本のペースで製作しているということもあって、それぞれが娯楽作品としたら上手くまとめられている作品である。

シリーズ第8作多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面」(1955年)
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品で、時間は100分、白黒作品である。原作は比佐芳武、監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は伊藤武夫、美術は森幹男、音楽は深井史郎である。そして出演は、片岡千恵蔵、三浦光子、中原ひとみ、宇佐美諄、山村聡、加東大介、日高澄子、安宅淳子、高木二朗、三島雅夫、たちである。

片目の運転手に変装した伴内の車に乗った男が、その翌日、惨殺死体で発見された。彼は前科者の男であり、行方不明の妹・京子がいた。またその頃、銀行強盗事件が頻発する。事件について調査を開始した伴内は、中津の妹・京子を捜し出し、プランタンというバーに目を付ける。そして得意の変装で潜り込み、犯罪結社白竜会の存在をしり、それに加わり、調査を進めていく。捕らえられていた人たちを助け出した伴内だったが、正体がばれてしまって...

伴内の得意の変装についてのツッコミは入れないことにしておけば、大いに楽しませてくれる。伴内のキャラ設定を活かした、なかなかスリリングな作品である。でも、片目の運転手というのは、遠近感が掴めなくて、運転するのはとても危険だと思うのですけど...

シリーズ第9作多羅尾伴内シリーズ 戦慄の七仮面」(1956年)
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品で、時間は86分、白黒作品である。原作は比佐芳武、監督は松田定次と小林恒夫の2人、脚本は比佐芳武、撮影は西川庄衛、美術は田辺達、音楽は仁木他喜雄である。そして出演は、片岡千恵蔵、花柳小菊、南原伸二、宇佐美諄、コロンビア・ローズ、山形勲、加藤嘉、徳大寺伸、千石規子、山茶花究、田代百合子、安宅淳子、片岡栄二郎、東郷たまみ、柳永二郎、薄田研二、たちである。

拳銃密輸団のボスであるナガセホテル社長の長瀬は、それをかぎつけた赤沼組の大原がゆすりに来たため、手下である矢島組の小塚を使って大原を殺させた。その小塚は変装した伴内の運転する車に乗ったことから、事件に首を突っ込んでいく伴内。伴内が調査を進めている間に小塚が殺され、小塚の母や妹も狙われることになる。伴内は拳銃密輸団を追いつめることが出来るのか...?

本作も、多羅尾伴内の「七つの顔を持つ男」という得意の変装術を上手く活用した物語である。(正体は伴内だということに何故気づかないの?というツッコミは入れないというのは、本シリーズのお約束である。)そんな中、今回は中国の富豪に変装する所があるが、そこでも「七つの顔を持つ男・多羅尾伴内」らしいことを口にしているところは面白い。

今回取り上げた2作品は、今までの作品以上に伴内の「七つの顔を持つ男」というところを前面に押し出して物語が進んで行くが、このように定まったパターンがあるヒーローとなると、安心してみていることができる。そういう意味でも、娯楽作品としてはツボを心得た作品である。それにしても、DVD化してほしい所である。

 

↓DVDではなくてビデオです。

多羅尾伴内 復讐の七仮面

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/10/21
  • メディア: ビデオ

多羅尾伴内 戦慄の七仮面

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/10/21
  • メディア: ビデオ
↓参考まで

多羅尾伴内 [少年向け:コミックセット]

  • 作者: 石森章太郎・小池一夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 新書
多羅尾伴内―七つの顔の男

多羅尾伴内―七つの顔の男

  • 作者: 関 貞三
  • 出版社/メーカー: ワイズ出版
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

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