「てなもんや」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第17弾は、今までと趣向を少し変えて、コメディ作品のシリーズを取り上げる。で、表題のように「てなもんや」シリーズです。
このシリーズは、1962年にTVシリーズが始まり、高視聴率を記録する人気シリーズとなった。放送は、1962/5/6~1968/3/31までという長寿番組となり、全309回である。製作は朝日放送で、朝日放送とTBSのネットで全国放送された。(当時は、朝日放送はTBSとネットを組んでいて、MBSではありませんでした。)294話からカラー作品となったが、それまでは全て白黒である。また、スポンサーが前田製菓であって、「あたり前田のクラッカー!」という流行語を生み出している。
番組製作初期は、スタジオで出演者たちが生放送で演じて放送されていたという、今では考えられないような製作体制であり、伝説になっている。(当時は、ビデオ収録というものが存在していなかった。)
藤田まことにとっては、この作品が出世作になった。「必殺シリーズ」の中村主水とは全く違うキャラクターというのもまた面白い。(それにしても若いです。(って、当然ですけど...))また、白木みのるの方は、若いことは若いが、現在とあんまり変わっていないような感じがする。(最近の出演作として「恋する日曜日・ニュータイプ」などと比べています。)
現在とはメディアの状況が全く違っているため、単純比較は出来ないとはいうものの、平均視聴率は関東地区で26.6% 、関西地区では37.5%、そして最高視聴率は関東地区では42.9%、関西地区では64.8%を記録している。(関西の最高視聴率は、現在ではあり得ないような数字です。)
また、本作終了後、続編の作品として「てなもんや一本槍」「てなもんや二刀流」が製作されている。
で、高視聴率を記録したということで、スクリーンの方に進出することになった。映画は1963年から1967年(毎年ではなく、1963年と1967年に2本、1966年に1本)の間に全5作が制作された。TVシリーズと同様に、藤田まことと白木みのるの凸凹コンビ(あんかけの時次郎と小坊主・珍念のコンビ)が大騒動を引き起こすという内容である。しかし、白黒作品の第1作と第2作はTVシリーズの延長線上にある内容であるが、カラー作品となった第3作以降は方向転換して、当時のアイドルたちも出演するようになり、ストーリーの方に重きを置くようになった。(制作会社も変わった。)
初回の今回は、シリーズのおさらいということで、シリーズ全5作を記しておく。
シリーズ第1作「てなもんや三度笠」(1963年)、シリーズ第2作「続てなもんや三度笠」(1963年)、シリーズ第3作「てなもんや東海道」(1966年)、シリーズ第4作「幕末 てなもんや大騒動」(1967年)、シリーズ第5作「てなもんや幽霊道中」(1967年)。
尚、後の作品として、1990年の映画「てなもんやコネクション」、1998年の映画「てなもんや商社」、1999年のアニメ映画「てなもんやボイジャーズ」という作品があるが、これらの作品はいずれも本作とは全く関係ない作品である。(よって、それぞれについては記さない。)
古い作品ということで、DVD化されていないのがちょっと残念な所である。ビデオやLDではリリースされていただけに、DVD化してもらいたいところである。
次回からは、それぞれの作品について述べていくことにします。
↓TVシリーズの傑作選
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