「THE TOXIC AVENGER」 [映画(洋画)]
表題の作品は1984年の映画「悪魔の毒々モンスター」である。カルト的な人気を得て、現在までに全4作が製作されている人気B級ホラー・コメディ・シリーズの第1弾である。前編にブラックのエッセンスが散りばめられていて、モンスターに変貌した若者が悪を退治しようという、ホラーなのか、ヒーローなのか、はたまた少年の悲劇なのか、というとんでもない作品である。
作品データを記しておくと、時間は92分、監督はマイケル・ハーツとサミュエル・ウェイルの2人、脚本はジョー・リッター、撮影はジェームズ・ロンドンとロイド・カウフマンの2人、音楽はマーク・カッツである。そして出演は、アンドリー・マランダ、ミッチェル・コーエン、ジェニファー・バプティスト、シンディ・マニオン、ゲイリー・シュナイダー、マーク・トーグル、たちである。
清掃夫として働いている臆病な男・メルヴィンは、あるヘルスクラブの更衣室で、あるカップルの好意をたまたま目撃してしまい、見られたカップルが怒って仕返しを受ける。で、逃げ出す彼は家に帰る途中でドラムカンにぶつかり、その中に入っていた有毒廃棄物を全身に浴びてしまう。有毒廃棄物によって身体中火傷をした彼だったが、化学反応が起こって、彼は醜悪なモンスターと化してしまう。が、同時に超人的なパワーも備わっていた。で、メルヴィンはそのパワーを使って町の悪を退治することを始めた。謎のモンスターが出現、というニュースが踊り、子供たちはいつしかヒーローと崇められるようになる。そんなメルヴィンは、ある日、凶悪強盗犯から救った盲目の美女・サラと恋に落ちる。また、メルヴィンはクリーニング店のおばさんを殺してしまうが、彼女はマフィアと関係があり、この時に悪徳市長はメルヴィンを抹殺するように動いた。軍隊が出動して追いつめられていくメルヴィンだったが...
全編がコメディ仕立てであり、しかもブラックが利いているという所がポイントである。また、邦題から受ける印象は、モンスターが暴れ回るような作品を思い浮かべるが、そうではない。正義のために戦うモンスターということで、姿形はともかく、これもある種のヒーロー作品でもある。「毒々」という場は、ここでは「悪意を含んでいる」ということではなくて「しつこい/くどい」と捕らえるべきである。→これもある種の言葉のマジックである。
それでいてが、ホラーという部分もあり、ギャグも幅を利かせている。ということで、何でもありという作品になっていて、これも'80'sらしい作品であると言える。カルト的人気を得たのも十分頷ける。'80'sカルチャーを楽しむことが出来る作品である。但し、心底から怖さを求めたら、その期待は見事に裏切ってくれます。
↓シリーズ1~3作のセット
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