「ULISSE」(1954) [映画(洋画)]
表題の作品は1954年のイタリア映画「ユリシーズ」である。1967年のイギリス映画、1982年の西ドイツ映画に原題、邦題共に同名となるタイトルの作品があるが、それらとは別物である。('67/'82作品はいずれもがジェームズ・ジョイスの同名小説を原作とした作品である。)本作は古代ギリシャの詩人・ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の映画化作品であり、神話の世界を活劇とした娯楽作品である。
作品データを記しておくと、時間は112分、原作はホメロス、監督はマリオ・カメリーニ、脚本はエンニオ・デ・コンチーニ、ベン・ヘクト、フランコ・プルザーティ、マリオ・カメリーニ、ヒュー・グレイ、イーヴォ・ペリッリ、アーウィン・ショーの7人、撮影はハロルド・ロッソン、音楽はアレッサンドロ・チコニーニである。そして出演は、カーク・ダグラス、シルヴァーナ・マンガーノ、アンソニー・クイン、ロッサナ・ポデスタ、ジャック・デュメニル、ダニエル・イヴェルネル、シルヴィ、フランコ・インテルレンギ、エレナ・ザレスキ、リュドミラ・ドゥダロヴァ、たちである。
トロイ戦争が終わり、ユリシーズも帰国の途につく。が、ユリシーズの乗った船は海神の怒りに触れ、暴風にに巻き込まれた。そしてユリシーズは記憶を失ってある島に漂着する。その頃、国ではユリシーズの妃・ペネロペは腹黒い王族から再婚を迫られていた。ユリシーズはナウシカア姫に助けられ、王宮に連れて行かれ、ナウシカア姫と結婚することが決まる。結婚式当日、漂着した海岸で記憶を取り戻したユリシーズは、王とナウシカア姫に、これまでに経験した冒険談を語る。その話を聞いた王は、彼は間違いなくラエルテの子・ユリシーズだと認識し、帰国するのに必要な船を与えて帰国させることにした。国に戻ったユリシーズは、王族たちの陰謀を知る。そんな中、ペネロペは弓の大会の優勝者と結婚することになった。乞食に身をやつしたユリシーズも大会に参加するが...
神話の物語の映画化作品ということで、ファンタジックな展開となるのだが、大きく分けて本作は、一つ目の巨人や魔女の島での冒険談が描かれるファンタジックな前半と、国に帰国して身をやつして元の地位を取り戻そうとするアクション活劇となる後半とに分けられる。
50年以上昔の作品ということで、特撮技術などはそれなりのものであるが、「活劇」という言葉がピッタリというテンポの良い展開ということで、それなりに楽しむことが出来る作品である。が、どうしてこういう作品がソフト化されていないのでしょうかねぇ。K.ダグラスやA.クインというビッグ・スターも出演していることですし... DVD化して貰いたい作品である。
↓原作
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