「まむしの兄弟」(その3) [映画(邦画)]
今回は、1972年に製作されたシリーズ第3作と第4作の2本についてです。
シリーズ第3作「まむしの兄弟 懲役十三回」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の東映京都の作品で、時間は94分である。原案は斯波道男、監督は中島貞夫、脚本は高田宏治と中島貞夫の2人、撮影は増田敏雄、美術は井川徳道、音楽は広瀬健次郎である。そして出演は、菅原文太、川地民夫、天知茂、光川環世、三島ゆり子、小池朝雄、嵐寛寿郎、高橋とよ、雷門ケン坊、天津敏、荒木一郎、北村英三、たちである。
本作は他の作品と少し違って、昭和10年の東京を舞台にした物語である。(しかし、物語の展開は同じである。)
昭和10年13回目の服役を終えたゴロ政と勝は刑務所内で兄弟分になった浅草菊村一家の弥之助を頼って東京へと向った。東京に着いた2人は、神戸から来た殺し屋と間違えられて、出迎への男・どじょう辰の案内で浅草へ連れていかれた。というのは、吉原東竜会の親分である岩淵が関西同友会から狙われていて、殺し屋が派遣されたという情報を得たどじょう辰は、殺し屋を骨抜きにして手柄を立てようと考えたのだった。どじょう辰は大サービスをして、ゴロ政と勝は吉原遊廓でどんちゃん騒ぎをする。が、岩淵が本物の殺し屋に襲われ、ゴロ政と勝は松浦楼に取り残され、無一文ということで小間使いとして働かされることになるが..
舞台と時代設定は他の作品とは異なっているが、ゴロ政と勝のコンビのノリは他の作品と同じであって、ハチャメチャぶりも同じであって、楽しい作品である。
シリーズ第4作「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の東映京都の作品で、時間は88分である。原案は斯波道男、監督は中島貞夫、脚本は佐治乾と蘇武路夫の2人、撮影は山岸長樹、美術は井川徳道、音楽は広瀬健次郎である。そして出演は、菅原文太、川地民夫、渡瀬恒彦、北林早苗、待田京介、高宮敬二、天津敏、北村英三、殿山泰司、八木孝子、誠直也、たちである。
18回目の刑務所暮らしを終えたゴロ政は、迎えに来た勝と共に神戸に戻り、バラック建ての歓楽街・おかめ横丁にやって来た。売春バーに客として入るが、お金を持っていないことがバレて、用心棒の鉄と辰の二人と大乱闘になる。更に、この鉄と辰も「まむしの兄弟」と名乗っていたため、騒動は大きくなるばかりだった。翌日、ゴロ政と勝は、刑務所で知り合った矢東会の山崎から鉄たちを痛めつけるように頼まれる。で、殴りこみをかけるゴロ政と勝。そこに鉄の一人娘・お藤が仲裁にとび込んで来る。そしてゴロ政はお藤に一目惚れ。で、それからゴロ政は人が変わったようにお藤の下部のようになる。やがて、おかめ横丁を潰して娯楽センターを作ろうとしていた矢東会が強制執行と言っておかめ横丁を壊し始める。ゴロ政と勝、鉄、辰は抵抗するが、警察が介入してゴロ政たちは逮捕されてしまう。直ぐに釈放されたが、その間に鉄は殺されていた。ゴロ政は鉄の仇討ちと言って殴りこみをかけるが...
ゴロ政と勝の本拠地である神戸を舞台とした物語に戻ったが、今回はゴロ政の色恋を絡めた物語となって、それが本シリーズのコメディとしての面白さに拍車を掛けてくれている。テンポも良く、娯楽作品ということではたっぷりと楽しむことが出来る作品である。
↓あくまでもビデオです。
↓今回は川地民夫関係を。
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