「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その46) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「ボンドガール」ということを外し、前回の続きという形で、「麻薬に関わる男」ということにする。(いつもいつも「ボンドガール」というのも何ですし、「ボンドガール」もたまにはお休みして、充電期間というのも必要ですし...)
「007」では、初代ボンドの時代ではブロフェルド率いるスペクターという敵組織が存在していたので「麻薬」というのは前面に出ることはなかったが、3代目ボンドのデビュー作「死ぬのは奴らだ」以降は制作上の都合でスペクターが使えなくなったため、敵の親玉が新機軸と言うことで、麻薬王が敵の親玉になり、ここから状況が大きく変わりました。ということで、「007」から登場してもらうのは「死ぬのは奴らだ」のドクター・カナンガ(Mr.ビッグと同一人物)と「ユア・アイズ・オンリー」のアリス・クリスタトス、「消されたライセンス」のフランツ・サンチェスという敵の親玉3人です。(それ以外にも麻薬に関わる雑魚がいるが、親玉の登場ということで、遠慮して貰います。)また、「ケータイ刑事」からは前回取り上げた「海・2nd.8話」の体格の良いバスガイドさんの取引相手だったボンゴレ兄弟と、「愛・18話」の鬼塚と福本です。
「007」:ドクター・カナンガ(Mr.ビッグ)。3代目ボンドのデビュー作(シリーズ第8作)「死ぬのは奴らだ」の敵の親玉である。カナンガはジャマイカ諸島にあるサン・モニク島を統治する首相(かなりの独裁者である)であり、国連の会議にも出席するというバリバリの政治家である。そんな彼は、アメリカの麻薬シンジケートの黒幕であるネスター・ビッグと同一人物であり、2つの顔を持ち合わせている。彼は自分が統治する国では、ケシ畑で大麻を作らせていて、それから精製した大量の麻薬をアメリカに運び、ニューヨークのハーレムを拠点として、アメリカ中に麻薬をばらまくシンジケートの黒幕として君臨していた。また、彼は物事の判断に占いを使っていて、占い師を囲っていた。(処女ゆえに良く当たる占いであるため、占い師には手を出さない。)
麻薬シンジケートを調査していたイギリス情報部員が3人も殺されたことからボンドが派遣され、ボンドがミスター・ビッグの調査を行っている内に、占い師・ソリテアに接近したことからほころびが出てきて、カナンガとミスター・ビッグが同一人物という事に気づかれることになった。最期は、ボンドとの対決で、口に高圧ガスのカプセルを押し込まれ、身体が膨張して破裂して死亡という、普通には考えられない死に様だった。
「007」:アリス・クリスタトス。シリーズ第12作「ユア・アイズ・オンリー」の敵の親玉である。彼はギリシャの大富豪であり、商船王としての顔を持っている。戦中は二重スパイとして暗躍していて、味方を多数売って生き延び、それでいてレジスタンスを装って共産主義と戦い、イギリスからは叙勲されていた。現在は、温厚な紳士という顔を前面に出して、海運、石油などの事業を行っていて、政府にも協力をしていた。またオリンピックを目指すスケート少女の支援も行っていた。が、裏では麻薬の密輸、白人奴隷の売買、殺しの請負、武器商人ということを行っていた。(麻薬はあくまでも裏の顔の一つであって、それをメインにしている訳ではない。)
イギリスの電子監視船が沈み、ATACシステムをソ連に売りつけようと企んで動きだした時も、密輸の商売敵であるコロンボの仕業に見せてボンドに協力するふりをした。最期は、ボンドとの対決に敗れ、卑劣な手段で逃走しようとするが、コロンボが投げたナイフが背中に突き刺さって死亡した。
「007」:フランツ・サンチェス。シリーズ第16作「消されたライセンス」の敵の親玉である。南米の麻薬王である彼は、アメリカ国内では139件の犯罪容疑があって、全て有罪になると禁固936年にもなるという大物犯罪者である。麻薬で得た巨万の富で、国では政治家や警察を買収していたため、そちらにいれば平然と生きていくことが出来たが、アメリカでボンドとフィリックスによって捕らえられた。が、彼を救い出そうとする海洋学者・ミルトン・クレストの手引きで逃走し、フィリックスを再起不能にして新妻・デラを殺害して国に戻る。
部下に忠誠を誓わせ、その見返りとして奉秋をたっぷりと与えるという太っ腹な所を見せるが、裏切り者は容赦なく簡単に殺してしまうという狂暴な一面を持っている。この性格につけ込まれて、ボンドがサンチェスの部下を罠に掛けて、組織の弱体化、破滅への道を進んでいくことになった。
最期はボンドと対決して、麻薬を溶かしたガソリンを浴びて、火だるまになって散った。
「ケータイ刑事」:鬼塚と福本。「愛・18話」に登場したキャラクターである。ヘロインの取り引きを行っている麻薬密売人であり、ある廃工場で取り引きをしていたところを愛ちゃんに見られ、愛ちゃんを拉致した。そして、その後の取り引きを行う際、愛ちゃんを連れ回した。兄貴分が鬼塚で、弟分が福本である。(「鬼」と「福」、この物語の本放送は2003/2/2ということで、「節分」の前日であったが、「節分」という季節を考えた名前となっている。しかも、五代さんが豆まきをして愛ちゃんを救うということで、季節感に満ちた物語でもあった。)
弟分の福本が抜けた男で、愛ちゃんの誘導尋問に引っかかって、次の行き先を口にして、愛ちゃんがヒントを残していき、五代さんの珍推理が「偶然の一致」を重ねていった。バンコク生まれのチェンマイ育ちというロシア料理のシェフに愛ちゃんを殺させようとして、絶体絶命のピンチとなる愛ちゃん。そこに五代さんが駆けつけて愛ちゃんは無事だった。で、愛ちゃんが2人を逮捕した。
「ケータイ刑事」:ボンゴレ兄弟。「海・2nd.8話」に登場したキャラクターである。コカインの取り引きを行っている麻薬密売人である。麻薬取引を行うという情報で、海ちゃんと五代さんが二人を尾行する。途中で五代さんはまかれてしまい、海ちゃんはボンゴレ兄に捕まってしまう。そして取り引きの時間が来るまで、八景島シーパラダイスの中を色々と連れ回されることになる。
やはり、弟の方が抜けている所がありました。で、取り引きの時間になると言うことで、海ちゃんを連れたまま取引現場に向かった2人は、取引相手(前回記した体格の良いバスガイドさんとそのツアー客)と落ち合う。が、五代さんが助けに来て、無事に海ちゃんは救出され、海ちゃんがボンゴレ兄弟、更には取引相手まで逮捕した。
物語の展開は「愛・18話」がベースになっているが、鬼塚と福本を演じた2人がボンゴレ兄弟を演じていたという遊び心のある物語でした。(しかも、銭形の相棒は共に五代さんというのも共通している。)尚、鬼塚とボンゴレ兄、福本とボンゴレ弟はそれぞれそっくりであるが、関係があるかどうかは不明である。
今回は、麻薬に関わる男ということでピックアップしたが、「007」からは全てボスキャラであり、「ケータイ刑事」の2組4人とは格が違う感じがするのだが、これがまた不思議な共通点がある。それは「二面性」があるということである。(但し、「ケータイ刑事」の方は1人に二面性があるのではなく、2人が全く違うキャラというようにはっきりと分けられている。が、二人一組で2つのキャラと言うように解釈して下さい。)カナンガ(Mr.ビッグ)は、政治家としてのカナンガと、麻薬シンジケートの黒幕・ミスター・ビッグという二面性があり、クリスタトスは、戦中から二重スパイという二面性を持っていて、現在でも温厚な慈善家、政府の協力者という顔と、裏の世界の顔がある。サンチェスも麻薬王としての顔と、裏切り者は決して許さないという凶暴な顔がある。これに「ケータイ刑事」の2組は、兄貴格(鬼塚とボンゴレ兄)は冷静沈着な男であるが、弟分(福本とボンゴレ弟)はマヌケで、とても麻薬の密売人とは思えないような男である。
更に、「007」の3人は、結構マヌケな最期を迎えているし、「ケータイ刑事」の2組は弟分がマヌケ・キャラということもあって、「マヌケ」という所も共通点である。
「007」の3人は、3人とも誰かを殺したということもあって、ボンドとの対決に敗れて命を落としたが、「ケータイ刑事」の2人は殺人までは犯していないし、死なずに逮捕されたという違いはあるが、共通するキャラクターがあるというのは面白い所である。(やはり「傑作」のキャラクター設定は何処かに共通点があるものです。)
次回も「ゲストキャラにおける類似点」というテーマが続きます。やはり「銭形海」のゲスト・キャラが関係するテーマで述べる予定です。
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