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「柳生武芸帳」(その2) [映画(邦画)]

今回は、東宝版の2作品についてです。主演は三船敏郎であって、霞兄弟を主役として扱ったオールスター・キャストによる娯楽作品である。

第1作柳生武芸帳」(1957年)
作品データを記しておくと、1957年の東宝作品であって、時間は109分である。原作は五味康祐、監督は稲垣浩、脚本は稲垣浩と木村武の2人、撮影は飯村正、美術は北猛夫と植田寛の2人、音楽は伊福部昭である。そして出演は、三船敏郎、鶴田浩二、久我美子、香川京子、岡田茉莉子、大河内伝次郎、中村扇雀、平田昭彦、戸上城太郎、清水元、西条悦郎、岩井半四郎、左卜全、桜井巨郎、久保賢、上田吉二郎、小堀明男、大友伸、久世竜、香川良介、土屋嘉男、田島義文、向井淳一郎、山本廉、池田兼男、東野英治郎、小杉義男、稲葉義男、たちである。

時は正保4年(1647年)、徳川幕府を左右する謎を秘めた柳生武芸帳は、柳生、藪大納言、鍋島のそれぞれの家に所蔵されていたが、鍋島家が補間していたものが、鍋島家に取り潰された竜造寺家の遺児・夕姫の手に渡った、また、肥前の術者・山田浮月斎は、多三郎、千四郎の兄弟を使って、それを奪おうと企んで動き出す。千四郎は江戸の柳生家の屋敷を、多三郎は夕姫を狙うが、多三郎はやがて夕姫を恋するようになる。江戸にやってきた夕姫は柳生兄弟(友矩、又十郎、於季)と争うことになるが、夕姫に化けた又十郎はと千四郎によって、巻物は真二つに引き裂かれることになる。夕姫を恋した多三郎は破門され、又十郎も無意味な武芸帳争奪に嫌気がさして柳生家を去っていく、その頃、山田浮月斎は、夕姫に、力を合わせて柳生家を襲う計画を話し、動き出すが、これを知った柳生家は夕姫たちを急襲する...

時間の割りに、次々と大きな出来事が起こるという展開で進んで行く物語であるが、登場人物が多いと言うこともあって、理解しづらい所があるのは辛い所である。が、もう一度見直すと、よく分かる様になっている。オールスター・キャストという豪華な所は良いが、ちょっと詰め込みすぎという印象がぬぐえないのだが、複数回見れば、なかなか面白い作品出戸いうことが分かる作品である。

第2作柳生武芸帳・双竜秘剣」(1958年)
作品データを記しておくと、1958年の東宝作品であって、時間は106分である。原作は五味康祐、監督は稲垣浩、脚本は稲垣浩と若尾徳平の2人、撮影は中井朝一、美術は北猛夫と植田寛の2人、音楽は伊福部昭である。そして出演は、三船敏郎、鶴田浩二、乙羽信子、久我美子、岡田茉莉子、松本幸四郎、大河内伝次郎、戸上城太郎、中村扇雀、岩井半四郎、左卜全、小堀明男、東野英治郎、上田吉二郎、村上冬樹、小杉義男、西条悦朗、広瀬正一、大村千吉、佐田豊、沢村いき雄、たちである。

前作の続編である。オールスター・キャストという所も前作と同じである。本作を見るには、やはり前作を見てからにするべきである。

時は三代将軍家光の世。徳川幕府を左右し、ひいては朝廷の安泰をも脅かす大事が秘められているという柳生武芸帳をめぐって、柳生家と肥前の山田浮月斎の間で激しい争奪戦が繰り広げられている中、永井家の隠し娘・清姫を頭領とする虚無僧の一団がこの争奪戦に加わり、三つ巴の争奪戦が繰り広げられていく。浮月斎の命を受けた千四郎は武芸帳を続けている中、柳生十兵衛の一味に襲われて崖から落ちて気絶している清姫を救い、彼女の美しさに惹かれるようになる。が、同じものを狙っている立場では、心を結びつけることはなかった。その頃、千四郎の兄・多三郎は夕姫と楽しい生活を送っていたが、柳生十兵衛に襲われて夕姫が斬られてしまい、多三郎は十兵衛を追う旅に出る。そんな中、武芸帳が尾張の兵庫介に秘に送られることになり、武芸帳を狙う輩が尾張に集うことになる。千四郎は十兵衛に果し状を送り、それぞれが所持している武芸帳を賭けて、決着を付けようとする。が、これに多三郎が駆けつけ、浮月斎もこれを機に一挙に武芸帳を手にしようとしてやってくる。そしてそれぞれの思惑がぶつかり合う...

前作の続編という位置づけである本作であるが、前作と同様に時間の割りに次々と大きな出来事が起こるという展開と登場人物が多いということで、1回では理解しきれない所がある。(前作を見ていないと、余計に分からないでしょう。)しかし、前作同様にスピーディな展開と、オールスター・キャストによる豪華な所は、娯楽作品としてはツボを心得た演出になっていて、見ていても楽しくなる。

一度ではなく、二度、三度と見て、たっぷりと楽しみたい所である。とは言っても、DVD化もされていないだけに、以前にON AIRされた時に録画したものしか無いのは辛い所である。早くDVD化して貰いたい作品である。

 

↓後の東映版ならビデオもあるのに、本作はソフト化されていません。(LDではリリースされていました。)ということなので、原作小説をば。

柳生武芸帳〈上〉 (文春文庫)

柳生武芸帳〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 五味 康祐
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫

柳生武芸帳〈下〉 (文春文庫)

柳生武芸帳〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: 五味 康祐
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫

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