「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その48) [ケータイ刑事]
今回のテーマは今回は「人工衛星を使った兵器に関係する科学者」ということで、その兵器の開発に関わった人物を取り上げる。「科学者」ということにしなかったのは、両作品には多くの「科学者」が登場しているため、よりポイントを絞るためである。(いずれ、他の条件を付けた「科学者」ということで取り上げていくことにする。)
で、今回登場するのは、「007」からは「ダイヤモンドは永遠に」のドクター・メッツ、「ゴールデンアイ」のボリス・グリシェンコとナターリア・シミョノヴァ(=ボンドガール)、「ケータイ刑事」からは「海・3rd.7話」に登場したドクター・アンドリウです。
「007」:ドクター・メッツ。シリーズ第7作「ダイヤモンドは永遠に」に登場したキャラクターである。この物語では、スペクターの首領・ブロフェルドが、ダイヤモンドで覆われた人工衛星型の殺人光線を発射する人工衛星兵器を使って全世界を脅して要求を飲ませようとするが、その人工衛星の開発に関わっていたのがドクター・メッツである。ブロフェルドは自分を平和主義者と語り、米ソの軍縮を目的として、米ソ両国が持つミサイル基地を破壊するために衛星兵器がある、と部下を欺していた。そのため、ドクター・メッツはブロフェルドのことを世界の恩人になる平和主義者だと信じ込んでいた。最期は衛星兵器のコントロール基地である油田採掘基地の崩壊と共に散っていった。
「007」:ボリス・グリシェンコ。シリーズ第17作「ゴールデンアイ」に登場したキャラクターである。ロシアの開発した「ゴールデンアイ」という衛星兵器の管理する宇宙兵器管理センターに勤めるプログラマーである彼は外出していたために難を逃れて生き延びた。(彼はヤヌス・シンジケートの一員であったため、宇宙兵器管理センターを襲う計画を知っていて、「たまたま」を装って外出していた、というのが真実である。)尚、同センターに勤務する人物での生き残ったの、彼とナターリアの2人だけである。あとは全員射殺された。
彼は何でも知っているオタク(「ケータイ刑事」の柴田太郎に似たキャラクターである。)で、ハッキングなどは朝飯前である。また、ペン回しも得意である。コンピュータに関する知識はずば抜けて高く、ヤヌス基地でゴールデンアイの制御を任されるが、最期は基地の崩壊と共に散った。
「007」:ナターリア・シミョノヴァ。シリーズ第17作「ゴールデンアイ」のボンドガールである。ロシアの宇宙兵器管理センターに勤務するプロのコンピューター・プログラマーである。ウルモフ将軍たちがセンターを急襲し、現場にいた人間で唯一の生き残りとなった。宇宙兵器管理センターの生き残りということでヤヌス・シンジケートから命を狙われることになった。ボンドと出会い、ボンドに助けられたことから協力することになるが、ヤヌス・シンジケートの秘密基地がキューバにあるということを突き止めたのは彼女の持っているハイテク技術によるものだった。(それだけの高い技術を持っていた。)
「ケータイ刑事」:ドクター・アンドリウ。「海・3rd.7話」(「ついにやるのかフィギュア劇」というあのフィギュア劇に登場した悪の天才科学者である。)に登場したキャラクターである。彼はICPOが手配中という人物である。彼は人間をフィギュアに変える(身長が1/6に、皮膚がソフトビニール状に変化する)マリオネット・エナジーのシステムを搭載した人工衛星兵器を使って東京征服を企んだ。また、彼の秘密アジト(ごく普通の飲み屋にしか見えませんが...)は世田谷区下北沢にある。
彼が東京制服を企んでいるという情報によって、海ちゃんたちが捜査を開始するが、まもなく彼は何者かによって殺害されてしまった、という入電が入る。フィギュアになってしまった海ちゃんたちが大冒険の末に秘密アジトに辿り着き、それから容疑者を追って海外(パリ、ローマ、南極、北京)へと追っていく。そして北京で真犯人の大西を追いつめて捕らえる。で、マリオネット・エナジーのシステムを開発したのは実はドクター・アンドリウではなく、助手の大西であり、ドクター・アンドリウはそれを自分のものにして東京征服を企んだが、新の開発者である大西が、自分が悪の天才科学者になるためにドクター・アンドリウを殺害したのだった。→結局、名前だけの「悪の天才科学者」で、殺されるためだけに登場したという印象が...
今回は「人工衛星兵器」に関する、ということを共通事項としているが、作品世界が違うとは言っても「人工衛星兵器」が両作に登場しているのは、やはり両作が「傑作」である証でもある。(「傑作」は何処かで似たアイデアが存在するものである。)但し、「ケータイ刑事」では、それが人間をフィギュアに変える光線を発するというのは面白い所である。また、海ちゃんが劇中で「あからさまに嘘くさい設定ですね」と漏らしている所も、キャラクターが出ていて実に楽しい所である。
取り上げた4人は、ボンドガールのナターリアを除く3人までが、人工衛星兵器を悪用する悪側の人間であり、この3人についての共通点を述べることにする。
当然の如く、その野望は実現することなく散ったということが共通するところであるが、ドクター・アンドリウの最期は野望の大きさを考えると情けない最期でした。(「ケータイ刑事」らしいといえばらしいところでありますが...)「007」の2人(ドクター・メッツとボリス)はボスではなく、ボスに利用されるという形になったが、ボスであるはずのドクター・アンドリウも、ボスらしい所を見せることなく、助手が裏切って利用されたということで、この「利用されて散った」という所が共通点ということになる。
ナターリアに関しては、キャラクターのポジションが違うということで、共通点といえる部分は無いはずだが、高い専門分野の技術を持っているということは「007」の3人に共通している。尚、ドクター・アンドリウが余りにもあっさりと殺害されてしまい、どういう能力を持っているのかまで語られることがなかったが、ICPOが手配しているということから、世界を股に掛けた悪党である、ということに疑う余地は無いので、犯罪の分野において、あるレベル以上の能力があると考えられるので、「特定分野において、高い能力を有している」ということが今回取り上げた4人に共通することとなる。(と言っても、前提条件を「科学者」としていることから、専門分野において高い能力を有しているのは当たり前であるため、この共通点は当然である。)
次回も「ゲストキャラにおける類似点」というテーマを続けます。別の条件を付けた「科学者」とするか、「銭形海」に登場したゲスト・キャラ関係とするか、それは次回のお楽しみということで...
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