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「柳生武芸帳」(その3) [映画(邦画)]

今回は、1961年から製作されて東映シリーズに突入です。今回はそのシリーズの最初の2本についてです。東宝版が霞の兄弟を主役に扱っていたが、東映版は柳生十兵衛を主役としている。また、東宝版は貸せー作品であるが、こちらはシリーズ全9作全てが白黒作品である。

シリーズ第1作柳生武芸帳」(1961年)
作品データを記しておくと、1961年の第二東映京都の製作で、82分の白黒作品である。原作は五味康祐、監督は井沢雅彦、脚本は結束信二と高田宏治の2人、撮影は杉田正二、美術は大門恒夫、音楽は阿部皓哉である。そして出演は、近衛十四郎、山城新伍、品川隆二、花園ひろみ、里見浩太郎、堺駿二、伊吹友木子、北龍二、和崎隆太郎、永井三津子、立原博、徳大寺伸、阿部九洲男、原健策、国一太郎、渡辺篤、春海洋子、原京市、末広恵二郎、近江雄二郎、遠山金次郎、小田部通麿、団徳麿、山本操子、大城泰、藤田佳子、富士美子、弥生弘子、斎藤晃子、たちである。

物語は、時は3代将軍・家光の頃、家康時代の幕府転覆の連番状である柳生武芸帳を巡る争いを描いている。(東宝作品と基本的に同じであるが、焦点が違っている。)

夕姫の持つ柳生武芸帖を狙って動く山田浮月斎一味。夕姫を襲う霞多三郎たち。夕姫は武芸帖を通りかかった柳生十兵衛に渡して逃るが、本物ではなく、それは白紙のニセモノだった。これを皮切りにして、幕府の命運を握る柳生武芸帳を巡り、十兵衛を中心に起こる争いが描かれている。

登場人物が多く、それらが色々と複雑に絡んでいるということで、ちょっと難解な部分があるが、東映の得意とする群像劇と覚悟してから見ると、結構すんなりと入って行くことが出来ます。

シリーズ第2作柳生武芸帳 夜ざくら秘剣」(1961年)
作品データを記しておくと、1961年の東映京都の製作で、80分の白黒作品である。原作は五味康祐、監督は井沢雅彦、脚本は結束信二、撮影は杉田正二、美術は大門恒夫、音楽は阿部皓哉である。そして出演は、近衛十四郎、山城新伍、品川隆二、花園ひろみ、堺駿二、里見浩太郎、北龍二、和崎隆太郎、永井三津子、徳大寺伸、立原博、大城泰、阿部九洲男、小林重四郎、南修、尾上鯉之助、藤田佳子、立松晃、小田部通麿、大邦一公、渡辺篤、国一太郎、大丸巌、五条恵子、富士美子、弥生弘子、末広恵二郎、原京市、赤木春恵、たちである。

柳生家の本陣奥深くに補間されていた柳生武芸帳・浮月の巻が嵐の夜に盗み去られた。それは疋田陰流一派の霞多三郎の仕業だった。そんな中、大老・土井大炊守は将軍・家光に働きかけて、柳生宗矩に水月の巻を差し出させるように仕向ける。宗矩は苦肉の策として、長男・十兵衛が乱心して水月の巻を手に姿をくらまし、浮月の巻は江戸に取り寄せるまでに5日の猶予が必要と返答した。

十兵衛は江戸にやってきて大老・土井の出方を待つが、大老は腹臣の弓削三太夫に十兵衛の名を騙らせて辻斬りをさせ、十兵衛は追われることになる。大久保彦左衛門の屋敷に匿われることになるが、そこで忍び込んできた霞千四郎を斬り、三太夫と決着を付ける対決を申し入れる。その対決は勝負が預けられることになる。柳生家は追いつめられていき、期日の日がやってくる。十兵衛は殿中の法度を破って将軍・家光に武芸帳の秘める秘密と、大老・土井の陰謀を告げたが...

柳生十兵衛をヒーローのように扱っていることが東映シリーズの大きな特徴であるが、その通りの展開で十兵衛の活躍が中心になっている。東宝版を見ていると、ちょっと違和感を感じることになるのだが、東映作品らしい作品といえばらしい所である。
それにしても、同じ原作小説でも、視点を変えると随分と違ったものになるということがよく分かるところである。

 

↓原作小説

柳生武芸帳〈上〉 (文春文庫)

柳生武芸帳〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 五味 康祐
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫

柳生武芸帳〈下〉 (文春文庫)

柳生武芸帳〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: 五味 康祐
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫
↓DVDではなくてビデオです。

柳生武芸帳【ワイド版】

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

柳生武芸帳~夜ざくら秘剣~

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

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