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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その49) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「毒ガスに関わる科学者」である。(前回に続いての科学者シリーズです。)が、この「毒ガス作戦」は「007」においても、「ケータイ刑事」においても登場するのだが、肝心の「毒ガス」を扱う科学者が実に冷遇された扱いを受けている。(→これも類似点の一つである。)ということで、「毒ガスに関わる科学者」というテーマであるが、同時に「毒ガス作戦」ということまで拡張して記していくことにする。

「007」では、「ゴールドフィンガー」の『グランドスラム作戦』と「ムーンレイカー」の『ノアの方舟作戦』(こういう名称は与えられていませんが...)で、2度の大がかりな「毒ガス作戦」があり、「ケータイ刑事」では「・2nd.13話」の『理想の国作り/新しい国家樹立作戦』での資金集めが目的で実行されているのだが、いずれもが「毒ガス」に関する専門家の扱いは酷いものである。

007」:グランドスラム作戦。シリーズ第3作「ゴールドフィンガー」において、敵のボス(ゴールドフィンガー)が実行しようとした作戦である。概要は、アメリカ・ケンタッキー州フォート・ノックスにある政府の金塊保管所に潜入し、そこで核爆発を起こして金を放射能汚染させ、これによって金の価格を高騰させて、ゴールドフィンガーの保有する金の価格をつり上げて稼ごう、という作戦である。「毒ガス」は「神経ガス」を使い、金塊保管所を襲撃する前にその「神経ガス」を空中散布して警備兵たちを始末して、無防備となった保管所に侵入して核爆弾をセットして爆発させる、という作戦である。

神経ガスの散布を担当するのは、プッシー・ガロア率いる空中サーカスの美女たちということになっていて、特に「毒ガス」の専門家はいない。→専門家がいないということで、「毒ガス」は何処からか購入し、それをそのまま使ったということが推測される。が、作戦の上では核爆弾と共に重要なポジションを占めているだけに、軽く見たことが敗因へとなっていきました。

結局、ボンドがプッシー・ガロアを口説き落としたことによって、神経ガス散布前にプッシーがゴールドフィンガーを裏切って、アメリカ政府に密告した。で、神経ガスを無毒のものにすり替えて、それを散布し、金塊保管所を守る兵士たちはガスにやられたふりをして、ゴールドフィンガーたちに侵入させ、そこから一気に反転攻撃にでた。最後はボンドが爆弾解除に苦しむ中、アメリカの爆発物の専門家が現れ、爆発7秒前(カウンタが「007」で止るというというサービスが話題になりました。尚、試写会では爆発3秒前(「003」で止まった。))に解除され、ゴールドフィンガーの野望は潰えた。

007」:ノアの方舟作戦。シリーズ第11作「ムーンレイカー」において、敵のボス(ドラックス)が実行しようとした作戦である。概要は、体力や知力に優れたより選られたごく少数の若者たちを一時的に宇宙ステーションに避難させ、地球には一瞬で人間を殺してしまう脅威の猛毒神経ガスを散布して地球人類を滅亡させ、再び地球に戻ってきて、生き残った人間だけによって新たな世界を創造し、自らその新世界の創造主になるという、壮大な作戦である。

神経ガスは、イタリア・ベニスにあるベニーニグラスという会社を隠れ蓑として、そこで開発していた。また、そのガスは、ドラックスがアマゾンの雨林地帯で発見した珍しい種類の蘭の花粉を利用したものであり、この蘭の遺伝子を繁殖させて作ったものである。(花粉には不妊症にする力があった。また、この花粉によって、この花を崇める地元のインディオが絶滅した、という設定がある。)

ベニーニグラス社では科学者たちが殺人ガスの開発に当たっていたが、これという高名な学者はおらず、ドラックスに利用される存在でしかなかった。また、ボンドが調査で潜り込んだ時、ほんの微量の(液体)神経ガスが入った容器を床に落として割った科学者があっという間に死んでしまった姿をボンドは目撃していた。→科学者の扱いは、ボンドに強力な「毒ガス」の存在を知らしめることになったが、その程度の雑魚扱いでした。

ドラックスの作戦は着実に実行され、神経ガスを積んだ衛星が地球に向けて発射されたが、ドラックスを倒したボンドと(ボンドガールの)グッドヘッド博士が乗ったスペースシャトルが猛追し、大気圏に入って燃えだした衛星を辛うじて迎撃したことで、その作戦は失敗に終わった。

ケータイ刑事」:理想の国作り/新しい国家樹立作戦。「・2nd.13話」において、防衛省の陸幕調査部の伊倉海雄(いくら・うみお)がその資金を得るために防衛機密費を横領することを計画するが、そのために利用したのが神経ガスのVX7である。計画の概要は、防衛機密費の28億円を横領するために、防衛省科学研究所で一ヶ月前まで主任をしていた宮本を抱き込み、金を山分けすると言って仲間にした。そしてVX7が盗まれたとして、宮本にVX7を使って防衛機密費を奪わせ、それが手に入った所で宮本を殺害、機密費は不可抗力で失われたことにして、伊倉が全額を得ようという計画である。

ことは伊倉の思い描いたように進んで行き、神経ガスを使って宮本を殺害した伊倉だったが、宮本が残したダイイング・メッセージから海ちゃんが伊倉の計画を見抜き、手にした28億円が動かぬ証拠となって御用となった。
宮本が科学者として登場したが、彼は伊倉の掌で踊らされる存在であって、元科学者という恐喝犯として利用され、機密費を奪うことに成功すると用済みになってあっさりと殺されてしまうという扱いの軽さもポイントである。

最初に、「毒ガス」を扱う科学者が実に冷遇された扱いを受けているという類似点を記したが、それぞれの作戦を振り返ると、「毒ガス」は主目的を達成するために副次的に使用するものだったという共通点がある。そのため、「毒ガス関係者」はメインに躍り出ることがなく、物語の上でも端役という位置づけだったのも共通点である。(作戦次第ではボスにもなれますけどね...)そして、それぞれの計画を立てたボスも、毒ガス関係者を冷遇していたというのも共通点であり、そこからボロ(ゴールドフィンガーはプッシーの裏切りを、ドラックスは研究室に忍び込んだボンドに毒ガスに気づかせ、伊倉はダイイング・メッセージを残させた)が出てきて身の破滅に繋がったのも共通点である。→大きな計画も細部から崩壊していくと言うことで、何事も細部にまでわたって気を配らなければならないという教訓にもなります。(但し、犯罪行為を肯定するものではない。)

尚、相違点については、科学者としての描写がいずれも少ないため、特に論じられるようなものがないため省略するが、人間それぞれなので、何らかの相違点があるのは当然であろう。

次回も、前回と今回とはまた別の条件を付けた「科学者」をテーマにして、「ゲストキャラにおける類似点」について述べていきます。また、次回はこの連載も遂に50回の大台に乗ることになります。(そのため、別の内容にする可能性も少しは...)→ちゃんに言わせれば「四捨五入して、100だ」ということになるのでしょうか...(From「・10話」)

 

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