中村あゆみ『究極のベスト!中村あゆみ』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは2005年にリリースされたベスト盤である。'80'sを代表する女性ロック・シンガーである彼女は、ハスキー・ボイスが特徴で、パワフルでエネルギッシュなボーカルを聴かせていて、'80's中盤以降のガールズ・バンドにも多大な影響を与えた一人である。本アルバムはそんな彼女の発表した'80's中盤から'90's初頭のシングルを集めたものである。
収録曲は以下の全9曲である。『翼の折れたエンジェル』『真夜中にラナウェイ』『ちょっとやそっとじゃCan't Get Love』『ONE HEART』『Still』『ともだち』『LIKE A FIRE』『BROTHER』『HERO』。
彼女の代表曲である『翼の折れたエンジェル』『ちょっとやそっとじゃCan't Get Love』という所は定番であり、『ともだち』『BROTHER』『HERO』というCMソングもしっかりと押さえられているので、ベスト盤としたら、まずは合格である。
が、本ベスト盤には色々と不満がある。何と言ってもアルバム・タイトルに「究極の」とあるが、この内容の何処が「究極」というのであろうか。(これは詐欺みたいなものである。)このベスト盤のリリースが'90's前半だったらこれでも良いのに、この後も彼女は何曲かのシングル、何枚かのアルバムを発表しているので、それらを含めたものでなければ「究極の」とは言えない。ました、彼女には『A BOY』という幻の限定シングルがある。これを収録しているのなら、まだ許せるが、単なるシングル集であるので、誇大タイトルと断言しても良い。
'90's中盤以降、彼女は何度かレコード会社を移籍しているので、版権上の問題があるのは分かるが、「究極の」と謳うからには、それらの垣根を乗り越えた上で使うべきである。(実際、現在ではレーベルの垣根を超えた1アーティストのベスト盤が多数リリースされていますからね。)はっきり言って「シングル・コレクション」というタイトルで十分である。
収録曲ということでは一応満足できるが、アルバム・タイトルに不満があるとは言っても、資料にするということでは、彼女のシングル集でもあり、これはこれで一定の評価は出来るものである。で、言葉に偽りのない真の「究極のベスト」というベスト・アルバムのリリースを期待したい所である。
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