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「昭和残侠伝」(その7) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第28弾として記してきた東映の任侠映画シリーズ「昭和残侠伝」も今回が最後となります。残っている1971年のシリーズ第8作、そしてシリーズ最終作となった1972年の第9作についてです。

シリーズ第8作昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」(1971年)
作品データを記しておくと、1971年の東映東京の作品で、時間は97分、監督は佐伯清、脚本は村尾昭、撮影は星島一郎、美術は藤田博、音楽は木下忠司である。そして出演は、高倉健、池部良、鶴田浩二、松方弘樹、松原智恵子、光川環世、由利徹、葉山良二、諸角啓二郎、植田灯孝、小林稔侍、大下哲也、今井健二、佐川二郎、須賀良、青木卓司、田中計、山内修、団巌、山岡哲也、滝島孝二、三浦忍、藤山浩二、中田博久、清水元、たちである。

出所した花田秀次郎は、前橋の黒田一家に草鞋を脱ぎ、風間文三という男を追って長野へと向かう。文三は対立する一家の親分を殺して旅に出されたのだったが、黒田の妻・おみのが文三の後を追って逃げたためだった。秀次郎は小諸で文三を見つけ出すが、おみのは金沢にいる文三の兄・重吉の所に向かった後だった。で、金沢に向かった秀次郎。金沢は、三州一家と稲葉一家が工事の入札を巡って対立していた。秀次郎は稲葉一家に草鞋を脱ぐ。一方、文三は、おみのが病気になって、三州一家の世話になっていることを知る。秀次郎は、おみのを引き取りに三州一家に行くが、そこでかつての恋人・加代が三州一家のボスの妻になっていることを知って驚く。やがて、黒田が金沢に乗り込んできて、稲葉一家と手を結んで三州一家を潰そうとする。文三はおみのを連れ出すが黒田に見つかり、捕らえられ、おみのも危篤になる。秀次郎は何とか2人を一緒にしてやりたくて黒田に頼み、三州を斬ることを条件に秀次郎の願いを受けた黒田。三州を切った秀次郎だったが、文三とおみのが殺されたことを知った秀次郎は、風間重吉と共に稲葉一家に殴り込んだ...

今ひとつ、物語にメリハリが欲しい所で、普通の範疇の作品に纏まってしまったのが残念な所でした。

シリーズ第9作(最終作)「昭和残侠伝 破れ傘」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の東映東京の作品で、時間は93分、監督は佐伯清、脚本は村尾昭、撮影は飯村雅彦、美術は北川弘、音楽は木下忠司である。そして出演は、高倉健、安藤昇、北島三郎、池部良、星由里子、鶴田浩二、山本麟一、待田京介、北十学、山城新伍、檀ふみ、堀越光恵、鮎川いづみ、水島道太郎、中田博久、近藤宏、大下哲夫、沼田曜一、今井健二、太古八郎、八名信夫、藤山浩二、久地明、清水照男、植田灯孝、北川恵一、土山登志幸、諸角啓二郎、久保一、小林稔侍、山下勝也、三浦忍、たちである。尚、本作は檀ふみのスクリーン・デビュー作である。

久しぶりに出所した花田秀次郎は、郡山にいる兄弟分・寺津力松を訪ね、対立する天神浜一家との抗争で、寺津の助立ちとして天神浜一家へ斬り込む秀次郎。それから4年、会津若松の親分・鬼首鉄五郎の妹・おしまを妻にした寺津だったが、鬼首は寺津を利用して東北全体を制圧することを狙っていた。鬼首は手段を選ばず、寺津一家の縄張りが荒らされ、天神浜一家の若親分が殺される。元代貸しだった重吉は組の危機に天神浜一家に戻る。こうして寺津一家と天神浜一家の抗争は再び激しくなり、寺津が襲われる。鬼首はこの落とし前を秀次郎に命じ、秀次郎と重吉が対決することになる。が、そこに秀次郎の初恋の女であり重吉の妻のお栄が飛び込んで来て、重吉の刃がお栄を貫いてしまった。また、鬼首は寺津一家に絶縁状をつきつけると皆殺しにしていた。秀次郎と重吉は雪の降る中、鬼首たちの所に殴り込み...

シリーズの最後を飾るためなのか、クライマックスの殴り込みに向かう所が、雪の舞う中という凝った演出になっていて、映像的には綺麗なものになり、秀逸となっているものの、ただそれだけという感じのこぢんまりとした作品でした。

一部作品は名前が違うが、殆どの作品で共通する主人公・花田秀次郎と、毎回設定が異なる風間重吉の毎度のパターン(一緒に敵に殴り込む)ということにも飽きてきたということが自分でも分かってしまい、9作にもなると限界だったという所です。このように一つの定まったパターンがあるというのは、安心してみることが出来るのだが、逆に新鮮みが無くなりマンネリに陥りやすいという危険と背中合わせである。それを色々と工夫してマンネリにならないように務めているが、今回の2作品は、その悪い方が出ていて、物語としてもスケールが小さくなってしまったのが残念でした。

とは言っても、ここまで9作も製作されてきたことの方が凄いと言うことでしょうか。'60'sであれば、シリーズ作品となると、年に2、3本は当たり前のように作られていたが、本シリーズはその製作ペースを落としたことによって、内容の方を練り上げたが、本数が多くなってくるとやはりということになっちゃいました。全作品をとは言わないが、第1作と第4作~第7作の会わせて5本を抑えておけばよろしいかと...

 

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD

昭和残侠伝 破れ傘

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昭和残侠伝 吼えろ唐獅子

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昭和残侠伝 破れ傘

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