ケータイ刑事銭形泪7話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]
今回の「銭形泪[裏ネタ編]」は1st.7話の「時に愛は命を奪う ~恋愛小説殺人事件」の2回目です。今回は、この事件の被害者の名前が「芥川三十五」ということで、この名前は「芥川龍之介」と「直木三十五」という作家の名前をいじったものなので、「芥川龍之介」についてと「直木三十五」について記すことにする。また、先日記した「銭形海20話(2nd.7話)[裏ネタ編]」で「芥川賞」について記したばかりであるが、参考のためにそれを再度記しておきます。(少しだけ加筆しました。)→「銭形海20話(2nd.7話)[裏ネタ編]」は「ここをクリック」して下さい。
尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記したこの物語の本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「芥川龍之介」:大正時代の小説家であり、1892年に東京市京橋区で生まれ、1927年に35歳で服毒自殺して没した。代表作としては「羅生門」「鼻」「芋粥」「地獄変」「河童」などがある。
東大(当時は東京帝国大学)在学中の1914年に、菊池寛や久米正雄たちと共に同人誌「新思潮」(第3次)を刊行し、処女小説「老年」を発表する。翌年には彼の代表作の1つになる「羅生門」を発表。その後、夏目漱石の門下に入る。1916年に第4次「新思潮」に掲載した「鼻」が漱石に高く評価される。卒業後、教職に就くが、1918年に辞職、大阪毎日新聞に入社。寄稿すれば良いということで、ここから創作活動に専念して小説家として活動が本格化する。
彼の小説は短編が多いのが特徴である。初期作品は歴史物やキリシタン物が有名である。中期作品はあまり評価されていないが、「地獄変」がこの時期の代表作である。晩年(と言っても30代です。)の作品は制止に関する作品が多くなった。(初期、中期、晩年と3つに分けても、彼が小説家として活躍したのは10年ちょっとである。)
彼の死後8年後の1935年、友人であった菊池寛がその業績をたたえて「芥川龍之介賞」を創設している。(直木賞と同時に創設した。)
「直木三十五」:大正から昭和初期の小説家であり、脚本家、映画監督としても活躍した。1891年大阪市生まれ、1934年、43歳で没した。代表作として「由比根元大殺記」「南国太平記」「楠木正成」などがある。
名前の「三十五」というのは年齢を元にしたものであり、最初は31歳の時に「直木三十一」の名前で執筆活動を始めた。誕生日がきて年齢が1つふえる度に「三十二」「三十三」と名前を変え、34歳の時に「三十四」に改めたが、編集者がこれを「三十五」と直してしまい、それを訂正することを行わず、以後はそのまま「三十五」の名前を使った。
彼は映画の世界にも関わっていて、無声映画で脚本と監督を務めている。その時は33歳だったので、「直木三十三」名義で「恩讐の彼方に」「室町御所」「生玉心中」などの脚本を書いている。また、1927年の映画「一寸法師」では初めての監督を務めている。(この時は「直木三十五」名義になっている。)監督を務めたのはこの1本であり、脚本は全部で9本である。また、これらの作品はいずれもがサイレント映画である。
彼の死んだ翌年の1935年、友人であり、当時は文藝春秋社にいた菊池寛が、彼の業績をたたえて、大衆文学の新人に贈る「直木三十五賞」を創設した。(芥川賞と一緒に。)
「芥川賞」:正しくは「芥川龍之介賞」と言うが、通称である「芥川賞」で十分通じる。(正式名称がこっただと思っている人の方が多いのではないかと...???)文学賞の1つであり、純文学の新人に与えられるものである。(対象は、新人作家による発表済みの短編・中編作品である。)選考を行うのは文藝春秋社内にある日本文学振興会である。
1935年、芥川龍之介の業績を記念して、友人の菊池寛が創設したものである。(直木賞(正式名称は「直木三十五賞」)と共に創設された。)この賞は年に2回発表される。受賞者には懐中時計と100万円が贈られ、受賞作品は「文藝春秋」に掲載されることになっている。1945年から一時中断したが、1949年に復活して現在に至っている。
この賞は、「新人」をどこまで言うのか、「短編・中編」とはどの程度の長さのものなのか、ということが度々議論されることがある。また、大衆文学の賞である「直木賞」との境界線も議論に上ることがある。(一応、それらしい基準はあるようですが...)
やはり、受賞者の顔ぶれは蒼々たるものである。(当然、最終候補に残ったものの、落選者というのも凄い顔ぶれである。)
最近では、2004年の綿矢りさの『蹴りたい背中』が最年少受賞記録を更新したということで話題になったのが記憶に新しい所である。また、本年2008年の上期は楊逸の「時が滲む朝」が受賞した。
↓いくつか代表作を...
芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 近代文学編)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
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- メディア: 文庫
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