(追悼)RICHARD WRIGHT『WET DREAM』 [音楽(洋楽)]
現在、アルファベット・ローテーションは「D」であるが、大物アーティストの訃報が届いたと言うことで、差し替えることにします。
PINK FLOYDのオリジナル・メンバーであるキーボード奏者のリック・ライトことリチャード・ライトが、ガンのため自宅で亡くなった、というニュースが飛び込んできました。(2008/9/15)享年65歳でした。
P. FLOYDを一時解雇されるということで、随分と話題になり、ZEEを結成するも、上手くいかず、一時はドラッグに溺れていたことがあっただけに、その影響もあったのでしょうかね?
その後、1987年のアルバム「A MOMENTARY LAPSE OF REASON」(邦題:鬱)でサポート・メンバーとして参加し、そのワールド・ツアーから正式メンバーとして復帰、'90'SはP. FLOYDとしての活動、2枚目のソロ・アルバムの発表があり、2000年代になってからはギルモアのソロ・アルバムに参加し、ツアーにも参加しており、新たなソロ・アルバムの製作に入ったというニュースも流れてきていました。(結局、これは「無」ということですかね...)
また、SYD BARRETT(2006/7/7没)の追悼コンサートで4人が集った(4人での演奏はなし)時にも(4人での)再結成の噂が出たが、完全に夢物語に終わってしまいました。(→ある意味では、1980年のJOHN LENNONの死によって、オリジナル・メンバーのBEATLESの再結成が不可能になった時と同じショックがあります。)
彼は、P. FLOYDのメンバーの中では、どちらかと言うと目立った存在ではなく、縁の下の力持ちという感じであったが、彼のキーボード・プレイは、壮大なスケールの音の世界を構築するP. FLOYDサウンドには欠かせないものでした。本当に残念です。心からご冥福をお祈りいたします。
で、今回は彼の1ST.ソロ・アルバムを取り上げます。表題のアルバムは1978年に発表された彼の初のソロ・アルバムである。(奇しくも、このアルバムがリリースされたのが1978/9/15であり、それから30年後の同じ日となる2008/9/15に亡くなったというのは、凄い運命のイタズラでするね...)
このアルバムでは、彼はピアノ、キーボード、オルガン、シンセサイザーというキーボード関係全般とボーカルを取っている。(ボーカルは当然ですよね、彼名義のソロ・アルバムなんですから...)
収録曲は以下の全10曲である。『Mediterranean C』『Against The Odds』『Cat Cruise』『Summer Elegy』『Waves』『Holiday』『Mad Yannis Dance』『Drop In From The Top』『Pink's Song』『Funky Deux』。
お薦め曲は『Mediterranean C』『Waves』『Holiday』『Pink's Song』。特に『Pink's Song』は当時、ロジャー・ウォータースと対立していく彼が、今後について語っているようでもある。
このアルバムは、聴いていると「WISH YOU WERE HERE」(邦題:炎~あなたがここにいてほしい)に通じるものを感じることが出来る。また、サウンドの方も鬱屈した暗い雰囲気が前面に出ていて、リック版のFLOYDサウンドという感じがする。アルバム・タイトルもどことなくFLOYDっぽさが出ている。
また、本アルバムでギターを担当しているSNOWY WHITEは、P. FLOYDのアルバム「ANIMALS」に参加しているのをはじめ、FLOYDファンにはお馴染みの一人である。
本アルバムは今ひとつ評価が良くなく、不遇な扱いを受けているが、再評価されることを願いつつ、RICHARD WRIGHTの追悼はこれにて〆させていただきます。
↓リックと言えば、この辺りのアルバムですね...
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