追悼・市川準監督「BU・SU」 [映画(邦画)]
映画監督の市川準さんの訃報が飛び込んできました。現在59歳で、11月に60歳になるという若さでの死は残念です。ご冥福をお祈りいたします。
ところで、次回作として予定されていて、来年の秋公開予定となっていた「ヴィヨンの妻」(11月から撮影というスケジュールになっていた。)はどうなるのでしょうかねぇ。現時点では撮影前なので、違う監督で製作するのではないかと思いますけど...
ということで、市川監督の監督デビュー作となった1987年の映画「BU・SU」を取り上げることにします。市川準監督の映画監督デビュー作であると同時に、主演の富田靖子さんがアイドルから大人の女優に成長することになった作品でもあります。
作品データを記しておくと、1987年の東宝とアミューズ・シネマ・シティの作品で、時間は95分、監督は市川準、脚本は内舘牧子、撮影は小林達比古、美術は市川敏明、音楽は板倉文である。また、主題歌は原由子の歌う『あじさいのうた』である。そして出演は、富田靖子、大楠道代、伊藤かずえ、高嶋政宏、丘みつ子、イッセー尾形、白島靖代、室井滋、伊織祐未、輪島功一、中村伸郎、すまけい、藤代美奈子、香苗圭子、たちである。
田舎で育った18歳の森下麦子は、性格のひねくれた暗い女の子であり、その心のブスを治すために上京し、置屋を営む叔母・胡蝶の元で「鈴女」という名前を貰い、芸者見習いをしながら高校に通うようになる。が、周囲に溶け込めない鈴女。やがて、彼女はボクシング部の律田邦彦に思いを寄せるようになるが、彼には京子という彼女がいることを知る。そんな中、八百屋お七の墓へ連れて行かれた鈴女は、憎んでいた母・雪乃の過去を初めて聞かされ、それから変わっていく。更に、彼女を可愛がっていた売れっ子芸者の揚羽が駆け落ちをした。ショックを受けた鈴女だったが、これからは逃げることをやめよう、と決心した。で、文化祭で「お七」を踊ることになり、胡蝶の特訓が始まり、更にはネクラ派の友人2人にも手伝ってもらう。そして迎えた文化祭当日、鈴女は「お七」を踊るが...
本作は、市川監督の演出も評価されるが、富田靖子の演技を抜きには語ることは出来ない。(が、富田靖子を中心にしても、市川監督の存在を抜きにすることも出来ない。)
それにしても、この映画から20年しか時が流れておらず、市川作品がもう新たに生み出されなくなってしまったのは、本当に残念です。何処かの放送局が追悼企画として市川監督作品に差し替えて放送というのはないですかね?あったとしたら、「つぐみ」「東京兄妹」「東京夜曲」「トニー滝谷」あたりが放送されるのではないかと思うが、できれば監督デビュー作である本作を放送してもらいたいところです。
↓こういうものがありました。
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